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「外出自粛」と"Stay home"の違い

日本で「外出自粛」という言葉が3月半ばあたりから叫ばれ、世界でも#Stay homeの動きが強まっています。この言葉を見たとき私は、小さい頃トイレの個室である貼り紙を見たときの違和感を思い出しました。

「トイレットペーパーを一度に大量に流しますと、詰まる恐れがあります。
必要な分だけご使用いただきますよう、ご協力お願いします。」
"Do not flush too much toilet paper at a time.
Thank you for your cooperation."

英語だとやらないっていう選択肢はないのか、こちらがまだ協力するかも分からないのにお礼を言われている、既にやったことになっている!と、小学生ながらにこの言い回しが妙に印象深く、新しいものに触れた高揚感のようなもの感じたのを覚えています。言葉って行動に影響を及ぼすんだなと。

日本語と英語は違う言語なので、ニュアンス、ましてやその言葉の解像度までをもぴったりと合わせることはほぼ不可能なのでしょう。翻訳って難しい。この違いは単に言語の違いなのか、それともカルチャーからくるそれぞれの好まれる言い方なのでしょうか。

少し話が逸れました。

「外出を控えてください」と"Stay home"
「3つの蜜を避けてください」と"Social distance"もでしょうか。

そういえば、"Keep out"が「立入禁止」になることにも違和感があるという話を聞いたことがあります。〜してはいけないと言われると、〜しさえしなければ何してもいいのかと認知してしまう方もいらっしゃるとのこと。発信者が本来伝えたい意図を正しく汲み取ることができなくなる恐れがあります。

「ここには入らないで」なのか「そのままその場所にいて」なのか
「ここ以外の場所であればどこに入ってもいいよ」なのか…

つまり、否定形を使うことによって「指定されている以外のあらゆる行動が制限されているのか否か」という解釈の余地が生まれてしまうようなのです。言葉的にはですが。そういった意味では、「外出自粛」より"Stay home"で取るべき行動を明確に示したほうが親切なのかもしれませんね。

というわけで、もうしばらく「お家にいましょう。」




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