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着物がモチーフ? 新ブランド「AirJapan」 制服開発の裏側

2024年2月に就航予定のANAグループの新しい国際線ブランド「AirJapan」は、今年3月、客室乗務員の制服を公開しました。エアージャパン経営企画部 横内 麻央(よこうち まお)さんに開発の裏側について聞きました。

「AirJapan」は「ANA」「Peach」につぐANAグループ3番目の航空ブランドで、日本人のみならずアジアを中心とした訪日旅行客をターゲットとし、2024年2月の就航を目指しています。

今年3月には客室乗務員の制服を発表しました。
制服はブランドカラーである「藍色」をベースにしたデザインで、腰の部分にはもう一つのブランドカラーである「曙色」の帯ベルトをあしらったデザインになっています。帯ベルトの留める部分を「結び」としたり、袖口やスカートを二層構造として「重ね」を表現するなど、ところどころに日本の伝統文化を取り入れています。

エアージャパン経営企画部の横内 麻央さん

開発に携わった横内さんに話を聞きました。
Q AirJapanの制服の特徴について教えてください。
「制服の特徴として、大きく分けて『機能性』と『日本らしさ』の2つをあげられると思います。
『機能性』という面から見ると、今回、環境やコストの観点から、男女含め客室乗務員全員で制服を共有するというアイデアを採用しました。衛生面からシャツとスカーフは個人に貸与しますが、それ以外のジャケットやズボン、スカートといったアイテムは共有します。様々なサイズを準備しますが、腕や足の長さ、腰周りというのは人によって少しずつ違うため、袖やウエストなどを自分で調整できる機能性を持たせています。また客室乗務員には保安要員という側面もあるため、緊急時でも引っかからずに動きやすいという面も重視しました。最終的なデザインは実際に着用する客室乗務員も含め社員の意見を十分に聞いた上で決めました」

Q 靴も自由に選べる仕様になっているんですね?
「客室乗務員は路線によっては1フライトで10キロ近く歩く場合もあって、体力が必要な仕事でもあります。制服の開発にあたっては、スニーカーにも合うデザインを依頼して作ってもらい、スニーカーで仕事もできるようにしました。ただ人によってはヒールのある靴の方が働きやすいという人もいるので、客室乗務員が自分で選べるようにしています」

Q 『日本らしさ』はデザインのどの部分に反映されているのですか?
「帯ベルトの結びや袖口の重ねといったところに日本らしさを表現しました。今後も拡大を続ける訪日のお客様のご利用を見据え、海外の方から見た日本らしさというところを意識して作りました」

Q 帯ベルトや袖口の重ねは日本の「着物」を意識したようにも思えましたが?
「着物のイメージというのもデザインを決める上で常にありました。日本らしさを表現する上で、帯ベルトはもちろん、重ねも着物の重ねをイメージしています。日本を訪れる海外のお客様には、飛行機に乗った瞬間から日本を感じてワクワクしてもらえればと思っています」

帯ベルトの「結び」で日本らしさを表現

Q ANAグループ3つ目のブランドとして制服でも違いを表現するのは難しかったのでしょうか?
「今回、チャレンジングな制服にしようと思って取り組みました。お客様が3つのブランドから旅の目的などによってそれぞれを選ぶことになるので、一番目にする機会の多い機体や制服はブランドのコンセプトを反映するものにしたいと考えていました。実際に他の航空会社にはない個性的な制服が作れたのではないかと思っています」

Q 来年就航しますが、制服はどんな存在になればと思いますか?
「今回、制服を作るにあたって多くの客室乗務員にも協力してもらいました。フライトの合間の忙しい中関わってくれたので、その分お客様にも社員にも愛される制服になればと思っています。まだ見慣れない制服だと思いますが、今後は帯ベルトを見た時に『あ、AirJapanだ!』と思っていただけるほど定着していけば嬉しいです」