今更告白をした話
好きな彼に振られた。
先日、深夜に密かに好きだった人に告白した。
密かに好きというというより、ダラダラと好きがくすぶっていた人といった方が正しいのかもしれない。
サークルが一緒だった。
同じチームで、よく彼の作業を手伝っていた。
大学二年になる頃には、映画を観に行ったり、洋服を買いに行ったり、二人で出かける仲になっていた。あぁ好きだなと思って、近いうちに告白するつもりだった。
その矢先に彼に彼女が出来た。
同じサークルの人だった。目の前が真っ暗になるってこういうことを言うんだなと思った。
初めての彼女だったらしい。
見るからに浮かれている。
今まで洋楽ばかり聴いていた彼が、きゃりーぱみゅぱみゅを聴いていた。
さっさと忘れようと思った。
ずっと愚痴を聞いてもらっていた男友達から告白された。結局付き合った。
それはそれで楽しかった。
その矢先、彼が彼女と別れたと聞いた。
早すぎてウケるなと思った。
彼が彼女と別れてしばらくしたとき、彼と二人で飲みにいったことがあった。
私には今好きな彼氏がいる。彼への好意はもう昔のことだ、そう思った私は「実は昔好きだった。」と言った。少し酔っていた。
「俺もだよ。」反応は意外なものだった。
意味がわからなくなって、すごく後悔した。
じゃあなんで彼女作ったのとか、そんなことはどうでもよくて、やっぱりまだ好きなんだなぁと思った。
大学3年になり、その後色々とうまく行かなくなって結局私は彼氏と別れた。
二つ返事であっさりと終わった。
一方で彼とは細々と連絡を取り続け、関係は続いていた。
彼は果敢に好きな人にアタックするも、ことごとく振られていた。毎回相談される。毎回好きになる人は私ではなかった。
私にすればいいのにな。
そう思いながら相談にのっていた。
授業や就活でバタバタの日々を過ごすなかでも、彼とは「就活が終わったら会おう」と約束していた。
友達以上、恋人未満の関係でも、私は関係が続けばいいやと思っていた。
その一方で、あてもなく宙ぶらりんになった彼への好きがダラダラとくすぶっていたのも事実だった。
そして、先日久々に会った。
渋谷で一緒にサンドイッチを食べた。
たくさんメニューがあるなかで偶然にも同じものを選び、2人で少し照れながら注文をした。
趣味の話、将来の話、いろんな話をした。
このままずっと時間が続けばいいのにと思った。
「30になってもお互いフリーだったら付き合ってよ。」
そう言われた。なんだよそれ。
今までの私は多分「いいよ」と言っていた。
でももう無理だ。
彼に今彼女ができたらすごく後悔すると思った。こんな口約束どうせすぐ忘れるんでしょう。
今付き合ってよ。30と言わずに。
私はその日の深夜に告白をした。
彼からすれば、30までフリーだったら付き合おうなんて言葉は軽い冗談だったんだろう。
考えさせて欲しいと言われて、3日後に振られた。
すぐ振るには惜しく、すぐ付き合うには物足りぬ女だったらしい。すでにやることはやっていたし、わざわざ付き合って彼氏彼女の関係になることに意味を見出せなかったのかもしれない。
こうして私の五月雨式の恋は、この六月に終わりを告げた。
少し落ち込んだ。
でも、ようやく終わった。ひとつの恋が。
彼と付き合いたい人生だったと心の底から思う。
でも、本人に直接振られたら諦めがつく。
これで良かったと思う。
これで私は今までのくすぶりを断ち切って、新しくまた次に踏み出せるだろう。
どこか清々しい気持ちになって、今までのモヤモヤが晴れた気がする。
もうすぐ夏が来る。
しばらく恋愛はいいやと思いながらも、どこか胸が高鳴る私であった。
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