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LIGHT HOUSE 〜悩める人を照らす灯台〜


2023年8月22日よりNetflixにて世界独占配信が開始されている『LIGHT HOUSE』を見ただろうか。『LIGHT HOUSE』とは、星野源とオードリー若林正恭によるトークバラエティであり、Netflixシリーズである。

僕はかねてからオードリー若林正恭さんが好きで、尊敬している。最初は日向坂46の番組のMCをオードリーが務めている事から見る頻度が増え、ラジオを毎週聴くようになり、『あちこちオードリー』を毎週観るようになり、かれこれ3年以上が経過した。

これが配信された頃、いつも通り悩んでいた。何に悩んでいたというより漠然とした“死にたさ”や“将来への不安”を慢性的に抱えていた。
すごく幸せだし、何が嫌というわけでもない。楽しい予定だってある。それなのに消えないぼんやりとしたものがこの番組で少し消化されたような気がする。それくらい僕にとって意味のある番組だった。

そう思えたのは#6での若林さんの言葉。

「生きてみるもんだな」

ラジオや番組、エッセイ、YouTubeで何度も彼の言葉を聞いてきたけど、彼から激励の言葉を発しているのをおそらく聞いた事がない。20代の頃、世界の全てを憎んでいたような彼が、今年45歳になる今「生きてみるもんだな」と感じている事が、路頭に迷いっぱなしの20代を生きる僕にとって、まさに「LIGHT HOUSE(灯台)」だった。

『LIGHT HOUSE』で彼がよく語っていた事は、「誰かを叩いている構造は嫌だ」「傷つけずショー(お笑い)にするのを一生模索」という事。
自分がされて不快に思った事にこそ牙は向けど、誰かを傷つけたくないという気持ちを人より強く持っている人なのだと思った。それを芸能界という無数の人の目に触れる場所で。
誰かに綺麗事と思われようともそのまっすぐな心に、素直にグッときた。

多くの人間が誰かを傷つけたくないという想いが根本にあっても、改めてそれを肝に銘じる人はあまりいないのかもしれない。
僕もせめて僕の周りにいる大切な人たちを傷つけたくない。


若林さんのこういう部分を引き出してくれた星野源さんが語った事の中にも多くの学びがあった。

特に印象的だったのは、「ここでもし俺が死んだら、それが俺の一生になる」という事。そのように考えた事はなかった。
死にたい時は、本当に出口のないトンネルにいるような感覚で、自分が明るい世界へ行ける事なんて想像すらできなくなる。「どうやったら暗いトンネルを抜けて、明るい世界へ行けるか」ではなく、「どうすれば死ねるのか」という事ばかり考えてしまう。
だけど、星野さんのこの言葉を聞いて、まだ見た事のない場所やした事ない経験がたくさんある中で、20そこらで「これが一生だ!」と見限ってしまうのは、少なくとも僕の人生においては不正解な気がした。
僕はまだ、「暗いトンネルにも必ず出口はある」なんて言えるほどの人生経験がないし、また暗いトンネルの中を彷徨う事もあるかもしれないけど、それを持ってしても自分のように精神が弱い人達が自分の人生を諦めそうになった時に「何か」を届けられる人間になりたい。まだまだ大切な人たちへの恩返しがし足りない人生だから、まだまだ一生を終えられないと強く思った。

星野さんは「今自分が抱えてるどうしようとない誰にも共感してもらえないしんどさも人生の伏線として考えるとちょっと楽しくなってくる」とも話していた。自分の人生をもっとコミカルでドラマチックなストーリーを期待したっていいと思えた。“ハッピーエンドへの期待は捨てるなよ”ってやつだ。
僕が大物ミュージシャンになる日が来る事だってあるかもしれない。こんなの言ったもん勝ちだし、妄想したもん勝ちだ。

『LIGHT HOUSE』は、「悩める人々の明かりを照らす灯台でありながら、自分たちの足元は暗そう」という意味が込められているが、僕は2人に救われた1人の小さな“灯台”として彼らの足元をそっと照らせる視聴者、ファンでありたい。

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