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DRIって知っていますか?

GitLab社ハンドブック「直接の責任者 - DRI - Directly Responsible Individuals」をベースに解説します。

DRIとは?

DRIとはすべてのプロジェクトに責任を負うべき一人を決めることです。すべてのプロジェクトにはDRIを割り当てます。DRIはプロジェクトの成功や失敗についてすべての責任を負います。かつDRIには成功させるために必要な権限を与える必要があります。

なぜDRIが必要なのか

Apple社やGitLab社には「DRI」という制度があります。リモートでも組織が成果を出すためには、非同期で仕事をすすめる力が必要です。そして非同期で仕事をすすめるためにメンバーは自走する必要あります。その自走のために必要なことは精神論ではなく「DRI」という制度です。

DRIを決めれば、プロジェクトやチーム内で発生するすべての問題について誰が最終決定権を持つかについての曖昧さはなくなります。

社員が自走しない理由は能力やマインドセットではありません。責任と権限を1人に決めないからです。組織内でお見合いが相次ぎ仕事が進まなくなります。

また社員が自律的に自走するために「フラットなティール型組織」を安易に導入するのも間違いです。ヒエラルキー型組織のまますべてのプロジェクトにDRIを一人置けば効率的に成果を出せます。

DRIに必要な資質

DRIに必要な資質は、戦略的な視点を失うことなく、細部にこだわることができることです。

  1. 実行と締め切りのプレッシャーの中で冷静な判断ができる

  2. 質問力があり聞き上手である

  3. プロジェクトの方向性を柔軟に変化させ本来の目的に向かって前進し続けることができる

  4. 潜在的な問題を予測し早期に対処することができる

  5. 組織内の上層部と下層部の間でうまくコミュニケーションすることができる

  6. うまくいかなくても挫けずに立ち直れる精神力がある

  7. 同じような状況に対して一貫して対応ができる

DRIを成功させるためには?

バリュー「結果」「効率性」「イテレーション」が重要になります。

ぜひ、GitHab社のバリューを確認してください。特に「イテレーション」については、ほとんどの方が正確に理解できていません。

さらに重要なことは「異論を言う、でもコミットする、その後に異論を言う」です.

DRIが意思決定をしたら、周りのメンバーはDRIが決められたことに協力してコミットしてください。もちろん過去の意思決定や既存のガイドライン等に自由に疑問を投げてかまいません。ただし意思決定やガイドラインをDRIが変えるまでは、それに従って行動してください。

DRIは、自分の意思決定について、決定した理由を詳しく説明したり、ステークホルダーを納得させる必要はありません。

もちろん誰でも自由に意見をあげてかまいません。しかしすべての最終的な決定はDRIがします。DRIは全員に配慮したり意見を取り入れる義務はありません。

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