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第0章 オールリモート総研とは?

オールリモート総研とは?

「オールリモート総研」は、リモートワークで事業を伸ばすためのマネジメントや、組織改善のノウハウを提供するメディアです。

「オフィスと自宅を好きに選べるハイブリッドワーク」や「福利厚生として仕方なく提供するリモートワーク」はやめましょう!

私たちは、従業員が実際に出社する物理的なオフィスを持たない「オールリモート」スタイルのリモートワークを強くおすすめしています。

なぜなら、「オールリモート」スタイルには計り知れないほどのメリットがあるからです。

「オールリモート」なら・・・

  • 経営者やマネージャーが再現性を持ってマネジメントできます!

  • 経営者やマネージャーのマネジメントのストレスが減ります!

  • もちろん現場のストレスも減ります!

  • 業績も上がります!

  • 現場の生産性も上がります!

「オールリモート」スタイルで、ぜひストレスフリーなマネジメントと組織改善を実現させてください。

運営者について

このメディアは、リモートワークで事業を伸ばすための組織改善コンサルと、リモートワークに特化した人材メディアを手がける、スパイシーソフト株式会社Tech4U事業部が運営しています。

弊社スパイシーソフトは、コロナ禍前よりリモートワークに取り組んできました。最初にリモートワーク制度を導入したのは、2015年のことです。

しかしながら、1年後に中間管理職の反対に遭いリモートワークの継続を断念。オフィスワークに戻ることとなりました。

2度目のリモートワーク導入は2018年に別法人のスタートアップ「Liberapp」を立ち上げた後です。人材採用の都合からリモートワークを採用し、約3年間試行錯誤して取り組んできました。

その際に前回のリモートワーク導入の失敗を受けて、うまくいっている他社を参考にしようと、国内外のリモートワークの事例を調査しました。そこで出会ったのが米国NASDAQ上場企業の「GitLab」さんが採用している「オールリモート」というリモートワークメソッドでした。

現在は、このオールリモートを活用して、ストレスフリーなマネジメントに成功。

その良さを広めるべく、コンサル活動や情報発信を行っております。

運営者のマネジメント黒歴史

今や「オールリモート」を取り入れて、スムーズなマネジメントと会社運営ができるようになった弊社ですが、はじめはマネジメントとは無縁とも言える会社でした。

そんな弊社の代表である、私、山田が起業して悪戦苦闘しながら「オールリモート」へたどり着いた経緯を、赤裸々に紹介したいと思います。

創業からの放置期

マネジメントの特徴:ギャンブル的なマネジメント

大学を中退してからの企業。アルバイト経験しかなかったため、マネジメントの経験はおろか、マネジメントされる経験もありませんでした。

私自身がエンジニアで、当時はいくつかコアなプロダクトリードエンジニアを務めていました。本来ならメンバーをマネジメントする立場にも関わらず、特に何もしていませんでした。あまりに進捗が酷い時には思い出したように詰めることはありましたが、基本的には放置プレイ。社員とのコミュニケーションも、会社に泊まり込んで飲みながらみんなでアニメを見たりゲームをしたり、といったものでした。

人材の大事さなど意識もせず、募集広告をかけて、働いてくれるなら誰でもいいと思っていました。

アルバイトや学生インターンなどを採用しましたが、考えて行動できる人が多くて、各個人が勝手に成果を出してくる会社でした。そしてプロジェクトが炎上すると、私が出ていってリードエンジニアとして鎮火させるようなことも何度もしていました。

採用した人が自走する人だと勝手にプロジェクトが進むし、普通の人だとただ事務作業だけして特に仕事は進まない。

マネジメントとは無縁の、学生サークルのようなベンチャーだったと言えるでしょう。

精神論期

マネジメントの特徴:朝礼や合宿、飲み会などエモーショナルなマネジメント

創業して数年後に、手掛けていた事業の「売上」が突然ブレークしました。人手が足りずに、相変わらず学生インターンやアルバイトの手を借りていました。

インターンは1年程度で卒業したり飽きてしまうので、これまでは積極的に行っていなかった正社員雇用に取り組むことに。その頃はIT、特にモバイルITは市場ができた直後なので人材市場がなく、主にモバイルを実際に活用している学生をターゲットに新卒採用をはじめました。

当時大ヒットメディアやゲームを手掛けていたため採用は買い手市場でした。100倍を超える倍率の中から、本当に素直な方々を採用できていたと思っています。

ところが、今までの常識外れだけで自走する人材ではなく、キチンと指示されたことをキチンと取り組む人材であったことが落とし穴でした。今までの任せて放置するスタイルではうまくいかなくなったのです。過去の資産で食べるだけで、新規事業は立ち上がらないどころか、既存事業ですら問題が出てくるという壁にぶち当たりました。

見かねて「これは介入するしかない」と考え、現場に介入したことが地獄の始まりでした。時間と手間暇をかけても人がどんどん辞めていく、そして自分も経営陣もマネージャーも傷つきます。

なんとかしようともがく中で、本で読んだ『「経営理念」を明確にして、理念を幹部や社員にインストールさせて、もっと自走させよう』という罠にハマっていきました。

今考えると…仕組みがないのに理念教育という圧をかけるから、まとめて辞めていきます。そして理念に共感してくれた仲間も、期待をかけられてもどう成果を出していいか分からずに、プレッシャーで潰れてしまいます。今振り返ると、プレッシャーをかけるスタイルが私には向いていなかったのです。

ソシャゲ参入後の暗黒期

マネジメントの特徴:マネジメントへの苦手意識から幹部に任せた結果、コストが膨れ倒産直前

先の精神論期は、人が入っては辞め続けたり、朝から晩まで会社にいて社員との時間にすべてを取られたりで、かなり苦しい時期でした。しかし、サブスク型のカジュアルゲームプラットフォーム事業があたり、売上はグイグイと伸びて、組織は拡大していきました。

会社が拡大する中で、自分の経営やマネジメントの乏しさや自信のなさから、中途入社の幹部に各事業や業務を任せていきました。

ところがその絶頂期に、モバゲーやGREEと言ったソーシャルゲームプラットフォームへ市場が移り、自社で手掛けていたJavaのダウンロード型プラットフォームは市場が急激に縮んでしまいます。これはマズイと、ソーシャルゲームのパブリッシャーとしてモバゲーやGREEなどに参入することにしました。

しかし、独占市場から競争市場へと参入して、組織としての弱さが露呈します。いままでの事業は、過去の自走型チームが立ち上げた資産をベースに、素人の集団でも食える事業でした。ところが、仕組みなし・強みなしのままの新規事業は、作れど作れど当たらない状況です。

先に書いたように、幹部に事業は任せっきりでした。彼らは事業を成功させるために追加の資金や人材を常に求めるので、稼いだお金を注ぎ込みました。さらには余裕がある時に借りていた借金をゲーム開発資金に投入。結果として、一生かけても返せないレベルの累損が積み上がりました。

ソシャゲ売却後のFIRE期

マネジメントの特徴:事業計画だけ出させるが、再びほぼ放置

幹部に任せ続けた結果、借りていた10億円もの大金も、残り一年半ほどで使い切ることが見えてきました。「これ以上は幹部に任せっきりな経営ギャンブルは続けられない」と判断して、人員を減らすか事業売却するかどちらかにしようと決意。運良く赤字のソーシャルゲーム事業をチーム付きで高額で売却することに成功しました。

その結果、市場的に伸ばすことは難しいものの、利益が大きい過去の遺産と売却益のおかげでキャッシュリッチで超高収益な会社に生まれ変わりました!

それまでのトラウマがあったので、やたらめったらな投資は避けようと、事業をいくつかに分割。各事業の責任者を決め、現場からPLベースの事業計画を提出させそれを承認するが、基本はプレッシャーをかけない「レリゴー(あるがまま)」経営をするようになりました。

ところが、キャッシュがリッチで過去の資産ベースの利益率が高い事業を、独立採算型で社員に任せると、社員は目先の利益にあぐらをかくようになります。将来への先行投資を抑えて今の利益をカサ増しして作り、その場しのぎな楽しいことや無駄な施策しかしなくなったのです。それを数年続けると、先行投資不足で既存事業の収益減に苦しむようになりました。

かと言って新規事業を独立採算型で放置して任せると、それもうまくいきませんでした。赤字の恐怖に負けて早々と心が折れるケースや、逆に「採算ベース」で任せているにも関わらず、「新規事業なんだから二、三年は売上ゼロでもいい」など裏ルールを作り、稼ぐことから逃げるケースもありました。

業績という数値だけで事業をシンプルにマネジメントするのは、よほどマネジメントのレベルも組織のレベルも高くないと難しいと感じます。

スタートアップ再挑戦初期

マネジメントの特徴:人をゼロにして一からやり直し

5年続けてきた「20名程度で少数精鋭で」という戦略を断念しました。20名の既存の組織の中で新規事業に多数取り組み、お金も注ぎ込んできました。しかし、5年近くゆるく温い社風を作り上げてしまった結果、出来上がったのは組織力のない会社でした。新規事業を社員にまる任せで取り組みましたが、結局経営博打でしかない取り組みに自信を持てませんでした。

そこで、一度組織をリセットしつつ、自分のノウハウを全て注ぎ込み新規事業に取り組むことにしたのです。

まず、事業売却やスピンアウト等でスパイシーソフトの人をゼロにし、新規にスタートアップを立ち上げ古参2名と新会社を立ち上げました。しかし15年近く一緒にいるはずの古参2名なのに、なぜかうまく進みません。当時受けていたコーチとのコーチングのメモを見返すと「マネジメントが苦手、結果を出したことがない」と愚痴っていました。

3名で約1ヶ月間とことん話し合い、自分達がただ長く一緒にいるだけで、組織・チームとして成立していないことを理解できました。その結果、このスタートアップは一度ゼロからやり直すことにしました。

リモートへの取り組み期

マネジメントの特徴:GitLab流 インフォメーション型マネジメント

まずはチームをリセットしました。ひとりになるので、必然的に家で働くことにしました。

今までのように経営者然として雑に部下に仕事を任せっきりにせずに、まずは足や手を動かして市場や技術を調査して、構想だけではなく作る形を具体的に明確にしてから、スタッフを採用して任せるようにしました。

ただ家にひとりでいると仕事が進まないので、コワーキングスペースを借りて、市場や技術の調査に取り組むように。1席しか借りていなかったので、まずはリモートで組織を作ろうと考えて、6人程度の副業の方やフリーランスの方を採用して進めました。しかし、最初は、音信不通や仕事が進まないなどの困難が多発しました。

そのような中、GitLabさんが公開している社内向けドキュメント「ハンドブック」に出会います。そして、情報の徹底したドキュメント化作業の非同期化、放置せずにマネージャーである自分が自走して部下のフォローをするマネジメントを心がけるようになりました。フリーランスや副業エンジニアなど15名ほど稼働させてましたが、キチンと結果をストレスなく出せるところまで行き着き、自分自身のマネジメントに自信を持てるようになったのです。

時間はかかったものの、こうして私は「オールリモート」で苦しまないマネジメントができるようになりました。

オールリモートとは?

「オールリモート」とは、オフィスを維持せず、多くのタイムゾーンでグローバルに活動している組織を指します。働く場所も時間帯も縛りがありません。GitLabさんが提唱して取り入れている方法です。

GitLabさんは、2011年に創業し2014に法人設立。その後上場した現在まで、1,500名を超える全社員がリモートで働き続けています。GitLabさんは、米国の最先端の市場で最強の競合GitHubさんと戦いながらも、リモートワークを貫き上場まで成し遂げている企業です。

日本では、2020年からのコロナ禍により、多数の会社が緊急避難としてリモートワークを採用しはじめました。ところが実は、ITが普及したこの20年の中で、コロナ禍よりも以前から多くの会社がリモートワークにトライして失敗を重ねてきています。弊社もコロナ禍より以前からトライアンドエラーをしてきたうちの一社です。

コロナ禍後に突然リモートワークを語る人事や組織界隈の人が増えましたが、過去のリモートワークの成功や失敗の知見の積み重ねからすると、ありえないような発言が多数あります。

また、国内のリモートワークの事例はまだまだ少数で、クライアントワーク中心の事例です。市場で競争にさらされている事業会社には、適切でないものが多いです。

大多数の経営者は気づいていますが、災害や疾病への緊急避難としてのリモートワークや、福利厚生としてのリモートワークは、メリットがありません。市場での競争力をそぎ長期的な会社の業績を落とし、会社の業績を担う中間管理職や経営者にストレスと負担をかけるばかりになります。

しかし「オールリモート」は、経営者や中間管理職が強いストレスや負担を感じず、また会社の組織成長の3人、10人、30人、100人の壁というものにぶつからず容易にスケールし得るものです。

私はこの「オールリモート」を日本に普及させたいと考えています。

そのため弊社では、リモートワークでストレスなく経営の成果を出す「オールリモート」を導入する組織コンサルを行っています。また、リモートワークをキチンと導入している企業の求人を地方の優秀な人材が探せるようにする人材メディアも運営しています。

マネジメントに苦しむ方へ「オールリモート」のすすめ

弊メディア「オールリモート総研」で一番伝えたいこと。

それは、「オールリモート」というリモートワーク・スタイルに取り組むと、まず経営者自身が組織開発やマネジメントにストレスなく取り組めるということです。

精神論や、机上の理想論的な経営論やマネジメント論に苦しまされて、日々マネジメントへの苦手意識を持ちながら、人所以の困難に悩まされてきた経営者の皆さんには「オールリモート」をオススメします。

実は、私、山田こそが、起業してから10年の間、マネジメントに苦手意識を感じながら、経営をしてきた1人です。

先輩経営者の教えや本を参考に、人をエモーションで管理しようとしたり、プレッシャーをかけて潰してしまったりなど、さまざまな失敗をしてきました。稲盛さんや渡邉美樹さんを学び、ビジョナリーカンパニーを読み、サーバントリーダーシップという言葉に踊らされ、居酒屋てっぺんさんの朝礼を取り入れてみたりと迷走しながら、人がらみのトラブルで凄まじいストレスを感じ、マネジメントを放棄してしまうことも。その後事業のイグジットをしてセミリタイヤ経営をしている中でも「マネジメント」には苦手意識が残ったままでした。

しかしながら、精神論や机上の理想論を排したGitLabさんの「オールリモート」に出会い、マネジメントに取り組む中で、今まで自分を苦しめてきたマネジメントへの苦手意識がゼロになりました。

2年間、GitLabさんの公開社内マニュアルハンドブックを参考にしながらのリモートワーク。科学的かつ再現性の高いマネジメント手法を実践したところ、事業が前に進むようになり、経営者としての精神的なストレスがなくなりました。仕事がうまくできない部下の対応を考えるのではなく、会社のすべてを言語化して仕組み化して本当の意味で自走可能にすることで、部下をマネジメントするストレスから解放されたのです。パソコンの先にいるスタッフが、きちんとやれば結果が出せる。そのための会社の仕組みを改善を積み上げる、という「ナチュラルな自責マインド」に変化したのです。部下に接するストレスはなくなりましたし、おそらく部下のストレスもなくなりました。マネジメントを放棄すらしていた私が、マネジメントに楽しさを感じ得意にまで感じるようになったのです!

このように、正しい手法を学んで実践すれば、ストレスフリーなマネジメントは誰でも可能です。

過去の私のように偉大な経営者の真似をして、苦しんでいる方に。

凡人経営者でも取り組めて、かつスタッフも働きやすく、キチンと成果が出て、そのうえ仮に人が抜けても会社に組織力が残る「オールリモート流のマネジメント」をみなさんにお届けしたいです。

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