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100.命がけのヒッチハイク旅

2019年3月(当時20歳)

人生で初めてヒッチハイクをした。


「死ぬまでにはヒッチハイクやってみたいな」

と思っていたのと、

「ヒッチハイクは絶対やるべきだよ!」

ってイイケイケの大学生がみんな言っていたので

やることにした。


なぜ昔の出来事を書くのか。


人生初めてのヒッチハイクは強烈な体験で、

1年経った今でも鮮明に覚えている。

あの経験は忘れられない。


このまま自分だけの経験にしてもいいが、

この経験を他の人にも

「知ってほしい、共有したい」

とnoteを書き始めてから思うように。


もちろん、自分が忘れないようにするためもある。


とにかく、

「ヒッチハイクっておもしろいぞ」

っていうことを伝えたい。


「やれ」とも言わないし、

「やった方がいい」とも言うつもりはない。


僕が体験した出来事を通して

「こんなこともあるんだ、おもしろ」

と思ってもらえたらそれでいい。


いつものnoteとは違って、

小説のようになるかもしれない。


・どんな人と会って
・何を体験して
・何を感じて
・どう思ったのか

自分が体験した出来事を

写真とともにありのままに

書いていこうと思う。


今言えるのは

「ヒッチハイクして良かったーーー!!」

ということ。


楽しかったことも、苦労したことも

全てありのままに書く。


「無料やし読んでみようかな」

くらいの軽い気持ちで読んでほしい。


『目次』
・命がけのヒッチハイク旅スタート
・神降臨
・仲良し親子
・新たな出会い
・心強い仲間
・社長カムバック
・オジサン、行動力半端ねえ
・好奇心旺盛な先生方
・なんて優しいんだ
・強面140キロ
・別れ
・偶然が偶然を呼ぶ
・おわりに



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命がけのヒッチハイク旅スタート

たまたま名古屋に行く予定があって、

「せっかくならヒッチハイクするか!」

と思い立ち、勢いに任せてスタート。


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ノートとペンを買って、

とにかく目立つように書いた。

(字が汚い。笑)


知識も何もなく、

「近くの高速の入り口からスタートしよ」

と思って、近くのICに。


これが間違いだった。笑


ICは車が行き来するだけで

SAなどのように車は止まらない。


どれだけ笑顔で目立つように

運転手に働きかけても

全く捕まらない。


当然と言えば、当然。


10分、30分、45分。

「あれ、もう無理じゃね?」

「迎えに来てもらおうかな」

捕まる気配もなく、半分諦めてた。


ちなみに

名古屋にはどうしても行かないといけなかったので

「1時間経っても捕まらんかったら駅まで送って」

と家族に保険をかけて、家を出ていた。笑


でも、意地もあったし

ここまで来て帰るのはダサいなと思ってたので

何とか粘ることに。


「1時間経っても無理ならあきらめよ」


そう思いながら

笑顔で運転手に呼びかけ、

開始から55分。


一度は通り過ぎた、一台の車が入り口の前で止まった。


「兄ちゃん、乗ってくか?」


一瞬何を言われているのか分からなかった。


もう半分諦めてたし、

「なんて言い訳しよかな」

って考えてたくらい。


止まってくれたオジサンが近づいてくる。


「乗らへんの?」


僕はあまりにもビックリしすぎて

ぼーっとしてた。


「乗ります!!!」


そう答えて、人生初めてのヒッチハイクに成功した。


神降臨

乗せてくれたのは40代くらいの

ちょっと奇抜なファッションのオジサン。


オジサン「名古屋とは反対方向に行くけど、SA行ったら、他の車に乗せてもらえる可能性もあるし、それでいいか?」

僕「もちろんです!!乗せてくれるだけでもう、、、」

オジサン「ほないこか」


こんな感じで、反対方向だったけど

何とかヒッチハイクはスタート。


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服装も、車も奇抜だった。笑

後ろに写っている方は、オジサンの友達。


乗せてくれた理由

僕を乗せてくれたのは、

ご自身も若い時に

ヒッチハイクをされていたから。


僕「何で乗せてくれたんですか?」

オジサン「自分も若い時やってたし、何かほっとけんかったんや。反対方向やったから一度はスルーしたけど、このままスルーしたら、絶対後悔すると思てな。まあ、よかったわ」


神降臨。まさにそんな感じ。


「なんちゅうええ人なんや」

と心の中で感動してた。


奇跡

オジサンは前日に、

たまたま僕の家の近くで飲んでて

ホテルに泊まってたらしい。


当日の朝、寝坊してることに気付いて

何とか間に合わせるために

高速を使って帰ろうとしてた。


その時に、僕を見つけたと。


普段はあのICを使うこともないし、

寝坊してなかったら高速なんて

使わなかった。


なかなか車が捕まらず、

諦めて帰ろうとしてた時に

オジサン登場。


まさに奇跡。


オジサンが乗せてくれなかったら

「ヒッチハイクなんか、やらんかったらよかったわ」

ってなってたと思う。


オジサンの昔話から僕の話まで

たくさん話してたら

あっという間にSAに到着。


「SAの方が捕まえやすいし、がんばりや」

と最後に応援もしてくれて、

オジサンとは別れた。


ありがとう、オジサン。


仲良し親子

SAに着いたのはいいけど、

どうしよう。

どこに立てば目立つかな。


まだまだ不安だった。


色々場所を変えて挑戦するも、

なかなか捕まらない。


「立ってるだけはアカン。直接交渉してこ」

と思い、お店の出入り口をウロウロと。


でも、そう簡単にはいかなくて。

怪しい目で見られるし、

びびって声かけられんし。


「ここで捕まらんかったら、家にも帰れんやん」

とまた絶望。


焦っても焦っても、車は見つからない。

SAに来てから40分経過


そんな時。


「途中まででよかったら乗っていきますか?」


娘さん2人とお母さんが乗った車が

止まってくれた。


「お願いします!!」


こうして2台目の車に乗せてもらえることに。


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乗せてくれた理由

妹が休憩中に僕を見つけてくれたらしい。


妹「ヒッチハイクしてる人や。目的地はどこやろ?名古屋か。名古屋なら乗せれるやん」


と思って、

お母さんとお姉ちゃんに

交渉してくれた。


妹さんナイス。


車内トーク

・妹の学校が休み(入試休み)

・お姉ちゃんの仕事が休み

娘の都合に合わせて、

親子3人でユニバに行ってたらしい。


仲良し親子。


女性3人の中でも、とにかく喋った。

「せっかく乗せてもらったんやから、盛り上げよう」

と、必死。


いっぱい笑ってくれてたし、

まあまあ頑張ったとは思う。


母「イベントはどこであるの?」

僕「○○ってとこです!」

母「じゃあ、あっちから行った方が早いわね」


僕の目的地に合わせて、

本来降りるはずの出口を

通り過ぎて運転してくれた。


どこか途中のSAで

降ろされるのかと思ってたけど、

一番近いところまで乗せてくれた。


お姉ちゃんの素晴らしい運転のおかげで

予定通りに名古屋に着くことができた。


「ほんまにありがとうございます!!」


とありったけの感謝の気持ちを

伝えてからお別れした。


お姉ちゃん、妹さん、お母さんありがとう


新たな出会い

スタート時はどうなることかと思ったけど

何とか時間通りに名古屋に着いた。


何やかんやイベントが終わり、

夜になった。

(イベントは省略)


名古屋へ行った後、

横浜に行こうと思っていたので、当初は

名古屋の友達の家に泊まる予定だった。


しかし、

ここで想定外の出来事が。


「俺と一緒にヒッチハイクせんか?」


イベントで知り合った1人に

こう言われた。


改めて言っておくが、

初対面。

イベントで初めて会った。


「ヒッチハイクで名古屋まで来ました!」

と僕が自己紹介で言ってはいたけど

まさか、誘われるとは思わなかった。笑


名古屋から横浜へも

ヒッチハイクで行くつもりだったので

「それはおもろいな!やろ!」


という急展開で初対面の人間と

翌日ヒッチハイクすることになった。


名前はたくみ


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元々泊まる予定の友達には断りを入れ、

たくみの家に泊まって、

翌日の朝にヒッチハイクで横浜に行くことに。


初対面の人間の家(しかも実家)に泊まって

出会った次の日にはヒッチハイク。

謎すぎる展開のままヒッチハイク1日目が終了した。


心強い仲間

2日目がスタート。


1人でヒッチハイクするのと

2人でするのでは

安心感、不安感が全く違った。


「仲間って大事やな」

としみじみと感じてたなあ。


社長カムバック

2人とも全く知らない場所から

ヒッチハイクスタート。


何百台も行き来するような場所で、

ノートを片手に必死でアピール。


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(たくみとお互いに写真を撮り合う)


「なかなか捕まらんなあ」

と思ってたところ

「お兄さんたち乗りますか?」

と神の一声が。


ヘアメイクマネジメントの会社を

経営している女性に乗せてもらえる

ことになった。


(開始から40分)


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乗せてくれた理由

僕「何で乗せてくれたんですか?」

女性「1回通って、素通りしたのよ。でも、あんな場所じゃ捕まらないし、もう1回通って、まだいたら乗せてあげようと思って」


1回スルーしたにもかかわらず、

もう1回戻ってきてくれるという

神プレイ。


すごく上品だったので、

「金持ちかな?」

と思って、職業を聞くと、


「ヘアメイクマネジメントの会社を経営してるわ」


そりゃ、上品やわ。


社長には高速道路から

一番近いコンビニまで

乗せてもらった。


社長、1回戻ってきてくれてありがとう。


オジサン、行動力半端ねえ

近くのコンビニ付近で

たくみと二手に分かれて

またノートを掲げる。


「わたる!車見つけた!」

たくみが嬉しそうに走ってきた。

(下の名前はわたるです)


「え?早くね?」

開始から15分だったので、びっくり。


これでめでたく高速道路に乗ることに成功。


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優しいオジサン。


乗せてくれた理由

僕「何で乗せてくれたんですか?」

オジサン「昔、ワシもヒッチハイクしてたんよ。だから、放っておけんくてな」


乗せてくれる優しい人は

自分自身もヒッチハイクの経験を

されている方が多い。


そして、話を聞いていると

驚きの事実が発覚。


オジサン「名古屋から大分までヒッチハイクしてなあ。いかつい運転手に乗せてもらったんやけど、『乗せる代わりに飯おごれ』って怖い顔で言われて逃げたわ」

僕、たくみ「??????」


オジサンの情報量が多すぎて、

1回では理解できなかった。


・名古屋から大分まで行く行動力

・ヒッチハイク途中(SA)で逃走

・いかつい運転手


普通の優しいオジサンかと見せかけて

ファンキーな人だった。笑


途中のSAまで乗せてくれて

お礼を言って、オジサンとは別れた。


オジサン、行動力半端ねえ。


好奇心旺盛な先生方

高速道路にさえ乗ってしまえば

可能性は広がる。


今度もまた二手に分かれて

アピール開始。


「わたる!車見つけた!」

たくみが嬉しそうに走ってくる。


「たくみすげえな、俺なんもしてないやん」

またたくみが見つけてきた。


乗せてくれたのは子供2人を持つ、

先生同士の夫婦。


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乗せてくれた理由

僕「何で乗せてくれたんですか?」

母「人生で1回はヒッチハイクしたかったのよね。あなたたち若いし、おもしろそうだなと思って」


やっぱり誰しもが

ヒッチハイクに憧れを持つんだな

と実感。


お父さんもお母さんも

学校の先生をされているとのこと。


子供たちも可愛い。


車の中では一緒にアニメ見て、

子供たちとも喋って

とにかく楽しかった。


「幸せそうやなあ」

っていうのが正直な感想。

自分も将来はこんな家族を持ちたいなと。


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浜名湖SAまで乗せてもらって

浜名湖をバックに写真撮影。

(弟は寝起きで変な顔してる。笑)


会話も楽しくて、

温かい家族に触れられて

「これぞヒッチハイク!」

って感じだった。


お母さん、お父さん、子供たちありがとう。


なんて優しいんだ

浜名湖SAで次の車探しの前に

ちょっと休憩。


お店やトイレ付近をウロウロしていると

「若者はアグレッシブでいいね!」

と声をかけてくれた。


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(撮影者:同僚のお姉さん)


仕事の途中で浜名湖SAに寄った際に

僕たちを見つけて声をかけてくれた。


「乗せることはできんけど、差し入れや」


フルーツをもらった。

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怪しげな目で見る方も多い中で

声をかけてくれるだけでも嬉しいのに

差し入れまでくれた。


「なんて優しいんだろう」


あの時の感動とフルーツのおいしさは忘れられない。


オジサン、お兄さん、お姉さんありがとう。


強面140キロ

フルーツを食べてエネルギーチャージ。

ノート片手にアピールしていると

黒塗りの大型車が止まってくれた。


「途中までなら乗せたるで」


めちゃめちゃいかついオジサンに

乗せてもらうことに。


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乗せてくれた理由

僕「何で乗せてくれたんですか?」

オジサン「品川まで帰る予定で、1人やったし、話し相手になるかと思ってな」


建築関係の仕事をされていて

車で全国を飛び回っているそう。


全国へ行かれているので

色んな話ができた。


途中で事件発生。


僕が助手席、たくみが後部座席に乗ってた。

オジサンと話していて、

途中からたくみが話に入ってこない。


ちらっと後ろを見る。

たくみ熟睡。笑


「たくみ、寝てるやん。乗せてもらって寝るのはやばいって。しかも怖そうなオジサンやぞ。会話繋げとくから、はよ起きろ」


心の中でつぶやいた。


「おれも寝たら終わりや。何とか盛り上げんと」

と必死のパッチでオジサンと会話した。

とにかく話題出した。盛り上げた。


必死すぎて会話の内容はあまり覚えてない。笑


何とか繋いでいるうちに、

たくみは目を覚まし、

あっという間に海老名SAに着いた。


常時140キロで

ぶっ飛ばしてくれたお陰で

時間短縮。


体感だけじゃなく、実際にも早かった。


車はデカいし、サングラスいかついし、

怖そうなオジサンだったけど

話をしっかりと聞いてくれて、

優しいオジサンだった。


「外見で判断するのはアカンなあ」

としみじみ思ってた。


ぶっ飛ばしてくれてありがとう。


別れ

僕は横浜、たくみは東京

行きたかったので

海老名で別々に。


海老名の休憩スペースで、

2人でヒッチハイクを振り返ったり

お互いの話をした。


「お別れか、寂しいなあ」


出会った当日に実家に泊まって

次の日には一緒にヒッチハイク。


たぶん2人とも頭おかしい。

普通の人間じゃこんなことできない。


たくみとやったからこそ、

ヒッチハイクできたし、

楽しい経験もできた。


「人生、どこでどうなるか分からんなあ」

とニヤニヤしてたのを覚えている。


たくみほんまにありがとう。

たくみのお陰でかけがえのない経験を

させてもらったよ。


偶然が偶然を呼ぶ

たくみと別れて1人でのヒッチハイク。


開始から5分くらいで車が止まってくれた。


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保険の代理店を営むオジサン。

写真で見ても優しさが伝わってくる。


乗せてくれた理由

僕「何で乗せてくれたんですか?」

オジサン「普段は厚木で仕事をしてるんだけどね、たまたま予定があって横浜へ行くんだよ。そのタイミングでお兄さんを見つけたってわけ」


たまたま横浜へ行く予定があって

たまたまガソリンがなくて

たまたま海老名SAに寄ったらしい。


偶然が偶然を呼んだ。


車内ではオジサンの昔話から、

僕の話までざっくばらんに話した。


オジサンは高校・大学と

ラグビーをしてたらしく

熱血のスポーツマンだったらしい。


僕の夢まで聞いてくれて、

「いいね、応援してるよ!」

と熱いメッセージをくれた。


何やかんやしてるうちに、

横浜に着いた。


僕の目指す目的地まで

乗せてくれるという

ファインプレー。


オジサン、ありがとう。


おわりに

なかなか車が捕まらなかったり

変な目で見られたり、

良いことばかりでもなかった。


でも、

大変だったこと以上に

楽しかった気持ちの方が大きい。


・人のありがたさ
・自分に対して何か働きかけてくれるありがたさ
・心から感謝できる経験
・失敗できないヒヤヒヤ感
・やれば何とかなる


今までの人生で

体験したことのない

体験ができた。


こうしてnoteも書いてるし

人に話すネタにもなるし。


・全く目を合わせない人
・減速して興味を示す人
・乗せれないけど「ごめん!」って合図してくれる人
・窓を開けて「がんばってね」と言ってくれる人
・乗せてくれる人


いろんな人がいた。

相手の都合もあるし

一概に良い・悪いは言えない。


自分がもし、

ヒッチハイクをしている人を見つけたら

出来る限りの恩返しをしようと思う。



「ヒッチハイクって楽しいらしい」

「ヒッチハイク楽しい」


実際に自分で経験したかどうかが

大きな違い。


やっぱり

自分で体験しないと。


興味があるならやってみる。

評論家にはならない。


興味があっても行動に移せるのはごくわずか。

行動しただけで人と差別化できる。


うまくいかなくても

そこから学べば

失敗とはならなくて。


自分が本当にやってみたいことをやればいいと思う。


いつものnoteとは違って、

たくさん文章が書けてよかった。


多くの人に読んでもらいたいのと同時に、

自分の大切な思い出を忘れないように書いた。


これからも時々、

自分の体験を忘れないように

書いていこうと思う。


人生楽しい。

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