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お客様の想いを乗せたデザインを作りたい。グラフィックデザイナー【ユニットギア】反頭尚平

全国各地の経営者様をインタビューし、事業の特徴や人柄をお伝えしていくインタビュー企画。今回ご登壇いただくのは、グラフィックデザイナーの反頭尚平さんです。

お客様の想いを聞くことに重点を置き、エンドユーザーの気持ちに寄り添ったデザインを手掛ける反頭さん。今でも背筋が凍るような出来事や師匠との出会いによって、今の礎ができてきたそうです。遊びやゆとりを大事にしながら、仕事も家族との時間も大事にされている反頭さんに、事業の内容やこだわりを伺いました。


反頭尚平(タンドウショウヘイ)/ グラフィックデザイナー
1975年福岡生まれ。現在の拠点も福岡の商業デザイナー。デザイン事務所を独立後、デザイン学校での同級生とデザインオフィスを立ち上げる。四半世紀以上をデザイナーとして過ごし大手レストランチェーンのキャラクターや、その他チラシからポスター・パンフレット・イラスト・ロゴ・パッケージなどを多数手掛ける。座右の銘は「日々(日)是好日」。楽しくお気楽に過ごすのが目標。
小幡 渉(おばた わたる)/ライター
2021年よりSNS運用代行・コンサルタントとして独立。Web集客に力を入れたい企業様の代わりにSNS運用や発信のサポートを行なっている。人と距離を縮めること、文章を書くことが得意。滋賀を中心に活動中。野球、お笑い、筋トレが好き。特に好きなのは、オードリーとなかやまきんに君。

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周りに評価され、デザインの道へ

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ーー自己紹介をお願いします。

福岡でグラフィックデザイナーをしております、反頭尚平と申します。メインの仕事はポスターやパンフレット、チラシなど、主に印刷(紙)のデザインをしています。


ーーデザイナーを志したキッカケを教えてください。

僕は小さい頃から落書きが好きだったんです。学校の机など、所構わず落書きをする少年でした。ある時、みんなが交代で使う教室で授業があって、僕が使っていた机に落書きをしたんです。次の授業の時に机を見てみると、落書きに対して反応があって。「すごい!うまい!」と書かれていたんです。自分が描いたものに対して反応があるのが嬉しくて、さらに絵を描くようになりました。

僕の高校時代は就職氷河期と呼ばれる時代で。大学に行っても就職できるかどうかが分からない時代でした。進路をどうするか迷っていた時、友達が「イラストを描くのが好きなら、デザイン方面に進んだら?」と言ってくれました。この友達の言葉がキッカケで、グラフィックデザインを学べる専門学校に進学しました。



同級生とデザインオフィスの立ち上げ

ーー専門学校の同級生とデザインオフィスを立ち上げられた経緯を教えてください。

同級生が独立しようか考えていたので、一緒にデザインオフィスを立ち上げることにしました。デザインの仕事をしていると、どうしてもマンパワーが足りなくなることがあるんですよね。二人で協力できるようになって仕事がしやすくなりました。

元々仲が良くて、お互いの得意なことや不得意なことが理解できる分、やりやすかったですね。それぞれの能力を比較した時、同級生はデザインに対する能力が高く、僕は対人スキルが高かったので、役割分担をしながら製作を進めてきました。


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エンドユーザーの気持ちに寄り添ったデザイン

ーーどこから仕事を依頼されることが多いんでしょうか?

グラフィックデザイナーのクライアントは、広告代理店や印刷会社です。かつてはクライアントから仕事をもらうことがほとんど。だけれども、今はネット印刷が主流になり、広告代理店や印刷会社が淘汰されてしまいました。そこで僕たちは直接お客様のもとへ営業することに。

直接お客様とやりとりした方が、お客様の意向をデザインに反映させやすいんですよね。また、お客様のお客様、つまりエンドユーザーの気持ちに寄り添ったデザインを作れるため、直接動くことが多くなりました。


ーーどんな業種の方から依頼されることが多いんですか?

僕たちは広告だけでなく、ロゴの作成もしています。そのため、モノ、サービスを売るお客様であれば、たいていの場合お客様になり得ますね。どんな会社でも、会社ロゴは必要になるので。ロゴを作る際には会社理念を聞いて、理念を反映させたロゴを作るようにしています。

僕たちの強みの一つはエンドユーザーの気持ちを考えられること。エンドユーザーの気持ちをくみ取ってデザインを作るため、より高い広告効果が期待できます。


実際の制作物

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お客様の話を聞くことが何より大事

ーー仕事をする上で大事にしていることを教えてください。

まずはお客様の話を聞くことを意識しています。話を聞いて理解し、自分はお客様の味方であることを伝える。その上で、プロフェッショナルとしての意見を必ず出すようにしています。自分がやっていることに自信がないと、提案もできないですよね。そのため、僕はプロフェッショナルとしての自信を持つようにしています。

僕が自信を持って仕事をすると、お客様も自社について自信を持ってくれるようになります。商品を一緒に作り上げている分、思い入れが強くなり、商品自体を好きになっていく。お客様は自分たちが好きな商品だからこそ、自信を持ってエンドユーザーに届けられる。商品に対する姿勢はエンドユーザーにも確実に届いていきます。お客様に寄り添いながら一緒に良いモノを作っていくのが、僕の仕事です。


ーー最初の聞く姿勢が、お客様に寄り添うことに繋がっているんですね。

お客様へのヒアリングはかなり大事ですね。どれくらいの規模なのか、ターゲットはどこなのか、どんな想いで会社をやっているのか。企業についての情報をヒアリングした上で、エンドユーザーに届けやすいデザインを考えるようにしています。

商品を見た時にどう思うのか、どうしたら欲しいと思うのか。エンドユーザーの目線に立ってストーリーを考えます。ロゴであれば、ロゴを見た時に一瞬でどんなお店なのか分かる必要がありますよね。瞬間的にお店のことを分かるようなデザインがベストです。

僕たちがやっているのは、商業のグラフィックデザイナー。自分たちが表現したいものを自己満足で表現していてはダメ。あくまでもモノを売るためのデザインを考えていく必要があるんです。そのためにも消費者目線がかなり大事になってきますね。



3ヶ月間走り続けた企画展

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ーー今までで一番思い出に残っている仕事を教えてください。

一番大変だったのは、福岡市の博物館の企画展です。企画展のポスターやパンフレット、看板など、広告関連の全てを僕とパートナーの二人でやることになったんですよ。それがまあ大変で。

福岡市の学芸員さんとの連携がうまくとれず、スムーズに進まなかったんです。途中で印刷が間に合わなくなり、印刷会社から「このままでは損害が発生するので訴えますよ」と言われる始末。最後の一週間は完全に徹夜で作業していました。結果的には納期に間に合ったんですが、3ヶ月間は企画展の仕事だけをやっていましたね。

あの時の大変さを思い出すと、今でも背筋が凍ります。ただ、終わった時の達成感は今までで一番でした。納期に間に合っただけでなく、企画展は好評に終わったので本当に良かったです。あの時の大変さと比較すると、ほとんどのことは何とも思わないですね。



転機となった師匠との出会い

ーーお仕事をされてきた中で、転機となった出来事はありますか?

師匠との出会いが転機になりました。僕の師匠はパッケージデザイナーをしている方なんです。日本全国の売れないケーキ屋さんを、デザインの力で売れるようにした凄腕の師匠。この方に初めて会った時、「良いデザインってなんだと思う?」って聞かれたんですよ。当時の僕はすぐに答えを出せなくて。

師匠は「良いデザインは売れるデザインなんだよ」と教えてくれました。エンドユーザー(消費者)に売れたものが良いデザイン。いくら綺麗なデザインでも、売れなかったら良いデザインとは言えません。逆に、ダサくてもエンドユーザーに支持されて売れれば、良いデザインとなります。

良いデザインにするためには、エンドユーザーの気持ちに寄り添う必要がある。デザインをする上で大事なことを師匠から学びました。


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仕事と家族の時間を両立させるために

ーー反頭さんの仕事スタイルについて教えてください。

僕の仕事スタイルとしては、ゆっくり仕事をしたいんです。自分が設定している最低限の収入が得られるまで仕事をして、あとは自分が楽しいと思える仕事をしたい。また、家族との時間も十分に取れるようにしたいんです。

父は印刷会社の営業マンで、朝から晩まで仕事をしていたこともあり、家にいなかったんですよね。父と一緒にご飯を食べられるのは日曜日だけ。普段の日は、母が父の食事を作っていました。また、僕は一人っ子。そのため、日曜日以外はずっと一人でご飯を食べていました。

一人でご飯を食べるのが寂しくて。自分が寂しい思いをした分、今では朝ごはんと晩ご飯は家族で食べるようにしています。家族との時間を十分に取るためには仕事の配分を考えないといけません。だから、僕は仕事を詰めすぎないようにしています。


ーー小さい頃の原体験が今の仕事スタイルに反映されているんですね。反頭さんが思う“楽しい仕事”について教えてください。

予算内に収めれば、裁量を持って自由に製作していい、という案件は楽しいです。自由度が高いと遊びの部分をプラスできるので、ワクワクするんですよね。出来上がったデザインを見ても、自由度の高いデザインの方が広告効果は高いことが多い。

僕はお客様のことを、一緒に寄り添いながら高い広告効果を狙うチームとして考えています。そのため、裁量をいただきながら自由度の高い仕事の方が、僕としても仕事がしやすいです。



事業整理としての役割

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ーー今後取り組んでいきたいお仕事について教えてください。

僕は仕事をする上で、ゆとりや余裕があるような、遊びを入れることを心がけています。周りから見られた時に「この人は楽しんで仕事をしているな」と思ってもらえるように仕事をしていきたい。真面目なんだけど、遊びがある。こんな仕事をしていきたいです。

最近の案件では、ロゴの作成が増えています。意外にロゴを作っていない会社って多いんです。自社の想いやストーリーを込められるのに、ロゴがないのはかなりもったいない。事業をやっていく上で、ロゴは重要だということを発信してきたおかげで、ロゴに対する相談が増えてきました。


ーー協業できそうな方やお力になれる方を教えてください。

起業する人のお力になれるという点では、司法書士さんや行政書士さんとは協業できます。ロゴを作るためには企業理念などを聞いていくので、事業整理の機会としても使っていただけると嬉しいですね。




編集後記

デザイナーと言っても、商業デザイナーとアーティストでは求められているものが違う、ということが新たな発見でした。売れるかどうかがデザインの良し悪しを決める。デザインもマーケティング視点が重要になることを知っていると、今後はデザインの見方が変わりそうですね。

反頭さんとお話をする中で、人とのコミュニケーションを大事にされていることがひしひしと伝わってきました。ただのデザインではなく、自分の想いを込めたデザインを作りたい方は是非反頭さんにご連絡ください。




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