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最愛の母の死を機にうつになる①

母一人子一人、地方都市で静かに暮らしていた親子を襲った突然の悲劇。遺された独り身でもある自分は人生初となるうつに直面する。人からは「いつも前向きだね」と言われる自分が? である。まだ完全に立ち直ったわけではないけれど、いくつかの対処で快方には向かっている。まずはそこに至るまでの経緯を。

当初は2週間の入院で済むはずだった

2024年夏、レビー小体型認知症により自宅介護中だった母がこの世を去った。死因は肺炎による多臓器不全。

亡くなる数日前から少し動くだけでも息が上がり食欲も落ちていたが、新たに投与したドーパミンの副作用か折からの猛暑のせいだと軽く見ていた。本人に幾度となく、しんどくない? と聞いても「大丈夫よ」としか返ってこない。そこで母の部屋に布団を持ち込み、就寝中の様子を観察してみると明らかに呼吸がおかしい。

翌朝、病院に行こうと言っても母から拒否されたので、救急車を呼ぶ。カーテンで仕切られた広い診察室に運び込まれてからは、「コロナ感染の可能性もありますから」と検査にかなりの時間を要した。熱中症だろうか。男性のうなり声が聞こえる。いくつもの管を通された母の容態は安定しているように見える。

医師から下された診断は「二週間の入院で済みますよ」というもので、「重度ではないです」とも。まずは一安心ということで入院の諸手続を終え、母には「明日また来るからね」と告げ、夕方には帰宅することができた。

夕食を終え、洗い物をしていた時に電話が鳴る。悪い予感がする。病院からの「呼吸が止まっています。早く来てください」という言葉に覚悟を決める。

病室では看護師による心臓マッサージが行われていた。だが、息を吹き返すことはなかった。享年89歳。寝台車に乗せられ、当日の遅い時間に母の遺体が運び込まれた。


#うつ #鬱 #母ロス #家族との死別  



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