見出し画像

SES企業のビジネスモデルを解析してみた

こんにちは、キラキラ⭐️Web系エンジニアです。普段はSES企業から常駐派遣されたベンダー企業でシステム開発しています。
SES企業はグレーだと巷では悪評高いですが、SES企業のビジネスモデルや未経験者がSES企業に入るとどうなるかということをまとめてみたいと思います。
他業界からIT業界に転職する方が増えてきた昨今、そのような方に向けてリアルな情報を届けられればと思います。

はじめに(注意)

記事内で法的解釈をしている箇所がありますが、それは私個人がインターネットで調べた内容を私の解釈で記載してあるだけです。私個人は弁護士など資格を保有している訳でありませんので誤解釈が存在するかもしれませんので予めご了承ください。

該当箇所:「未経験者の場合、準委任契約でも完成責任がある!?」章

SES企業類型1(社員構成)

私が知るSES企業の一例を以下に示します。
営業部
・部長
・営業(2~3名)
システム部
・部長(受託開発専門)
・経験者(2~3名)
・未経験者(10名)

SES企業類型2:ただの転売ヤーのパターン(社長1人会社)

類型1と違い社長1人会社であるSES企業も存在するようです。
このタイプのSES企業は商材としてエンジニアを扱っているただの転売ヤーと言えそうです。
自社社員が存在しないため商材(派遣エンジニア)がパートナー企業に限定され、自社社員を弾※とするSES企業(類型1)と比べると決定率が悪いといえます。
※本記事では派遣エンジニアのことをSES営業の視点から銃の弾になぞらえて「弾」と表現したり、「商材」と表現したりしています

SES企業が自社社員を雇う理由について

SES企業が自社社員を雇う理由は信用のためといえます。
SES企業の信頼は
・派遣エンジニアのOJTを行っているか
・請負契約での仕事もしているか(独自サービスならなお良し)
といったことで培わるようです。
また信用のために「社内開発に移行していきたい」という経営目標を掲げる場合がありますがそれはあくまでSES事業をうまくやるためビジネスツールにすぎないといえます。

未経験者がSES企業に転職するとどうなるか


しわ寄せが行くのは労働者である転職者である為他業界から転職した未経験の方は経験のない最初が一番きついと言えそうです。

未経験者の場合、準委任契約でも完成責任がある!?(4/3追記)

準委任契約とは完成責任がない契約ですが条件があります。それは善管注意義務を満たしている場合です。善管注意義務とは「プロならこれくらいやってよね」という意味合いの義務らしいです。

参考:
「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典
準委任契約でITベンダーが負う義務とは

これを逆に解釈すれば善管注意義務の範疇では完成責任があるということと言えそうです。
つまり、「未経験者がSES企業に転職するとどうなるか」章で述べた

しわ寄せが行くのは労働者である転職者である為

というのは現場に飛ばされた素人エンジニアが残業することによって自分の仕事の品質をプロの仕事の品質まで持っていかなければいけない、言い換えると現場に飛ばされた未経験エンジニアが(SES企業が勝手にやった)「未経験者でも準委任契約は時間精算である為一度契約をしてしまえば採算が上がる」というハッキングの落とし前を付けさせられている(営業側目線ではこれが歩合となります)ということです。
そしてその素人がプロのクオリティを出す為に止むを得ず行う手段が皮肉なことに「残業(工数追加)」なのです。
つまり、ビジネスモデル的にSES企業の弾とするのは素人エンジニアの方が残業してくれるからむしろ効率が良いまであります。
まとめると準委任契約でも善管注意義務の範囲内では未経験者であろうがなかろうが完成責任があり、悪なのは普通にやって善管注意義務を満たせない素人エンジニアを適当に吹っ飛ばしているSES企業と言えそうです。

労働者(エンジニア)目線からみたSES企業

エンジニアという商材は人であるがゆえに営業による付加価値が付けにくく、SESの本質は販売機会を提供することであると思われます。
そのため営業がいなくなっても別のSESを見つければ良い話ですし、その様な(流動性を確保する為だけに存在する)SES企業は上記に挙げた業界的特性より多数存在するため再就職がしやすく(エンジニアの視点だとSES企業は)あまり重要ではないと言えそうです。(もちろんエンジニアに付加価値をつけたりコネが多くより良い条件で決定できるSES営業は存在価値があると言えます。)
また上記でも述べた様にSESの本質は「販売機会を提供すること」であるためSES営業は換えが効きやすいとも言えます。

今後SES企業は終焉を迎えるか?




情報処理技術者試験から見たSES企業


これはプロジェクトごとに毎回違うシステムに携わるSESエンジニア、IT業界の流動性の高さを物語る構成と言えます。昔は特定派遣法と言われるもっと簡単にエンジニア派遣が行える土壌もあったのですが、その影響も受けていると思われます。
まとめると「国の見解としてもIT業界は流動性が高い」という認識がありそうです。

SESには競争原理が働いていない?(2020/6/10)

大企業が有事の際にお抱えSESから人材調達している様にSESには競争原理が働いておらず、人材の流動性が低くアナログであることに言及したツイートです。(いつか清書したい)


最後に

SESは人身売買と言われたり法律的にもグレーなビジネスモデル(準委任契約の指揮命令権をめぐる問題など)ですが業界の流動性を向上させることに一役買っている側面を見ると必要悪なのかなと思いました。
また今後のIT業界の展望ですが、私としましてはエンジニアのフリーランス比率が高まり、SES企業は言い訳がましく受託開発をしたりせずSES事業を堂々と行える社会的信頼を得た状態が健全かと思います。
その為、エンジニアはもっと主体的になるべきであり、そう考えると受け身な姿勢のエンジニアはSES企業に自らが弾にされることに対して文句を言えない気もしてきました。

がやはり未経験者にしたくもない残業を間接的に強要してるSESは悪だと思いました。怖いのはこれに気づかないほどSES企業という仕組みが体系付いてしまっている現在の状況だと思います。未経験者を吹っ飛ばすのはダメ絶対(4/3追記)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?