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走れアラフォー 起


私は痩せねばならぬ。
アラフォは奮起した。

別に妹が結婚するわけではないが。
むしろ妹などいないが。
この腹肉をアゴ肉を決して許してはならぬ。
セリヌンティウス(嫁)も賛同した。

アラフォはセリヌンに色々頼んだ。
痩せるには道具が要ると。
嫁ヌンティウスは困惑した。
道具など必要なのか。
だがアラフォの気勢を削いではならぬと言葉を飲んだ。

アラフォはまずお腹にペタッと貼って
ブルブルする奴を頼んだ。
嫁ヌンは困惑した。
何故体を動かさぬのかと。
アラフォは痩せたいがいわゆる運動ということを考えてはいなかった。
二人に沈黙が訪れた。
しかし、アラフォの気勢を削いではならぬとブルブルする奴をポチった。
アラフォは喜び勇んで都度思い出して
貼るやつを使っていた。

だがやがてブルブルは思い出となった。
嫁ヌンは何故だと尋ねた。
アラフォはおなかがぴりぴりと痺れるのが
耐えきれぬと言った。
あとよくわからんヌルヌルを塗るのも
煩わしいとも言った。
嫁ヌンは歯を上下強く合わせ大きくギ!
とだけ言った。

それ以上は何も言わなかった。
かくしてブルブルは思い出となった。


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