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放課後等デイサービスの5領域を分析してアセスメントツールを作る「健康・生活」編②

最初に


こんにちは。
パパで福祉人。相談支援専門員の「まる」です。この記事ではアセスメントツール作成企画完遂のため、今日も今日とてコツコツ分析・考察をしていきたいと思います。

すでに①の記事がありますので、そちらの方もよければご覧ください。


内容1 健康状態の維持・改善とは?

前回は、「健康状態の把握」について、考察をしてきました。
今回は、「健康状態の維持・改善」のことについて、考察をしていきたいと思います。
ガイドライン(素案)を確認しますと、この項目は

障害により運動量が少なくなったり、体力が低下したりすることを防ぐために、日常生活における適切な健康の自己管理ができるように支援する。

【参考資料3】児童発達支援ガイドライン等 (cfa.go.jp)

この項目は
「日常生活における適切な健康の自己管理ができるように支援する」というのが、具体的な支援におけるゴールと呼んでもかまわないかと思われます。

では、適切な健康という状態はいかなる状態を指し示すのでしょうか。
今回私は
・身体的
・精神的
が適切な健康を維持するための必要な項目になるのではないかと考えます。

放課後等デイサービスを利用しているお子さんの年齢層は6歳から18歳と幅が広いので、網羅的に項目を考えますと
<身体的項目>
・身体の清潔(入浴関連)
・口腔衛生(歯磨き関連)
・食事(食事の偏り/過食/感覚過敏・感覚鈍麻)
・体力の維持(運動の機会の確保)
・そのほか(爪を切る/鼻をかむ/耳掃除)

<精神的項目>
・感情のコントロール/リカバリー(怒りっぽい・悲観的・恐怖感を抱きやすいなど)
・無気力
・強迫性/パニック/不安耐性

以上のように考察をいたしました。

この項目にさらに「自己管理ができるように支援する」という事ですから、それぞれについて
・お子さん自身がそれら項目に意識を向けているのか
・どうしたら意識を向けられるのか
・どのようにしたらそれら自己管理をするための行動を実行することができるのか
・自力での対応が難しいのであれば支援者がどのようにするべきなのか
を確認することも必要になってくるのではないでしょうか。

内容2 他項目との関連性(生活リズムや生活活動の形成)

私が考えたこの2種類8項目は、ガイドライン(素案)の
支援内容の3つめの「・」の生活リズムや生活経験の形成
という項目にかかわる内容もあるかと思われます。

人が生きていくために行われている、一つの動作は、複数の分野に絡み合っているという事ですね。生きることの行動を、カテゴライズするというのは本当に難しいことです。(;^ω^)

この「生活リズムや生活活動の形成」については以下のように定義されています。

睡眠、食事、排泄等の基本的な生活習慣を形成し、健康状態の維持・改善に必要な生活リズムを身につけられるよう支援する。また、衣服の調節、室温の調節や換気、感染予防など、健康な生活環境への配慮を行う

この事項は、すでにいろいろなアセスメントツールでも項目としてすでに規定されているかなと思いますが、わたくし自身もあらためて項目を出します。
<基本的生活活動>
・睡眠(起床就寝の規則性/中途覚醒/そのた)
・食事(割愛)
→箸スプーンフォークの使用/使用する食器の配慮の有無/刻み食/嚥下
・トイレの使用(排尿の自立/排便の自立/生理時の対応)
→一人でトイレ使用の可不可/定時排泄の声掛け有無/おむつの使用の有無/便のふき取り/男児なら立ち便器を使用できるか(お尻は出ないか)/生理用品を適切に使用できるか
・衣服の調整
→脱ぎ着/気温に合わせた調整/汗の処理/気温室温に対して寒い暑いがわかる
※身体的・精神的理由から長袖だけしか着用できない・半袖のみの視点
室温の調整
→ストーブエアコンの使用ができる・判断がつく
※器具の使用の経験の有無など含む

項目を出してみて感じたのは
例えば、発達障害のお子さんを育てる保護者の方から
「うちの子はまだ一人で着替えができなくて…」という話があり、
スモールステップで
表裏判断がつくとか、首を通すことができるとか、ボタンができる・チャックを上げ下げできるとかになりますけど、

それらは本人の健康を維持することにつながるってこと
家族の養育の負担軽減のために、それら実行機能の練習をしているのではなくて、そのお子さん自身が大人になったときに、暑いから脱ぐとか、寒いから着るとか、そういう自身の健康を守るための支援であるという事。

文章にしてみて当たり前なんだけど、目の前の「できていない行動をできるようにさせる」という実行機能だけに着目してしまうと、大きな見落としになるのではないかと感じたところです。

最後はわたくしの感想になってしまいましたが、
発達の支援は、保護者の困り感を解決させるために支援をしているのではなくて、お子さんが将来的に困りそうなことが少しでも減るように、成長をサポートしているのだと強い意識を持たねばならぬなと、再確認いたしました。

最後に

今回は「健康状態の維持・改善」「生活リズムや生活経験の形成」について考察を行いました。

引き続き分析を続けて、5領域に沿ったアセスメントツールが完成できるように、これからも記事を書き続けたいと思います。ん?記事を書き続けるためにアセスメントツールを作っているのか?考察した結果を記事にしたらアセスメントツールが完成しているのか・・・?

卵が先か鶏が先か、みたいなことになっていますが、本日の記事はここまで。

次回は「病気の状態の理解と生活管理」「身体各部の状態の理解と保護」「障害の特性の理解と生活環境の調整」「構造化などにより生活環境を整える」「生活におけるマネジメントスキルの獲得」のうち3つはまとめて記事にしたい。とおもいます。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

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