見出し画像

【イベントレポート】ALIVEアルムナイコミュニティ(後編)

 ALIVEフェローの矢頭慎太郎(やとぅ)です。
 2/8(火)に開催したアルムナイコミュニティイベント『ALIVE2022年度新年会 ~2021年のALIVEを振り返る』のレポート後編です。過去答申先の皆様のパネルトークの様子をご紹介します!
読み応え満載ですが、ぜひ最後までお付き合いください!

前編はこちら:

■パネリストのご紹介

橋爪智子さん(ツメコさん)特定非営利活動法人 日本補助犬情報センター
 2018年度2月期に参加。補助犬情報センターは、身体障がい者補助犬とともに生活する方々の社会参加を促進するための活動をしており、いまだ残る補助犬同伴拒否をゼロにするための啓蒙活動にも注力。ALIVEでの経験は、いまでも一緒に活動する障がい者の方々とも話題になるほど 印象に残る経験となった。

谷野ちひろ さん(おせんさん):認定NPO法人Homedoor
 2021年度2期に参加。大阪でホームレスの方の生活支援を行っている団体。おせんさんは、その中で寄付や広報を担当。ホームレスの方というと、高齢の男性というイメージが強いが、 相談の半数くらいが20-30代といった若い方たち。こうした方の支援の強化にも取り組んでいる。

清永奈穂さん(なほさん):NPO法人体験型安全教育支援機構
 2020年度1期に参加。子供から大人まで安全を学べる場に取り組む。事件現場や災害現場を調査していくと未然防止が可能なことが多々あり、体験的な教育を通じ、事件・事故で不幸になる人たちを少しでも減らしたいという思いから活動。

■3か月間で印象に残っている出来事

 パネルトークは、安藤太一さん(たいち)がモデレーターを 勤めました。まずは、皆さん から自己紹介やALIVEに参加するきっかけを伺いながら、 参加した3か月間で印象に残っている出来事について語って頂きました。

写真2

 なほさんからは、参加した2020年1期はコロナで世の中が大きく揺れた時期、最も伝えたい“体験”を伝えることが難しくなってしまったことでもどかしさがあり、そこから参加者と真正面からぶつかり合ったエピソードを語って頂きました。
 「私たちが参加したのが、コロナが始まって世の中がどうなってしまうのか?という時期。企業の皆さんに、体験教育を実際に“体験”してもらって、スイッチを入れてもらいたいと考えていたのですが、それが根本から崩れてしまったんです。リモート形式で体験を言葉だけで伝えることは難しく、もどかしさをジリジリと感じました。」
 「あるとき、参加者の1人から『そもそも施設って必要なんですか?』(※注:答申テーマ:2025年までに東京に安全教育施設を設立する)という根本的な疑問を投げかけられたんです。それにはスイッチが入ってしまい、つい喧嘩腰になってしまいました(笑)。見てもらったら一発で わかるのに、というもどかしさを抱え ながら、何とかわかって欲しいと思って、『私は必要な理由を10個言えるけど、要らない理由を10個挙げて』と。画面がもどかしい!!そんな気持ちでした。ただ、私たちが絶対に体験施設が必要、と思っている一方、なぜ必要なのかと疑問をぶつけてくれて、それに対して真剣に考えたことは、良い経験になったと思います。」
*筆者注:このぶつかったという方と懇親会で話したのですが、ALIVE終了後の体験教室を実際にみたたら、「これは必要だ!」と腹落ちしたそうです。

 ツメコさんは、ALIVEでは喜怒哀楽すべてがあった中で、収穫や手ごたえを感じることが多かったといいます。
 「自分たちが、ザ・NPOでビジネス目線で見ると厳しい意見がくることを覚悟はしていました。実際に、そうだよな、そこはつかれるよ、ということも多かったです。でも、当会のことを丁寧に伝え、深く知って頂くことで寄り添って頂いたことがとてもありがたかった。その中で、自分たちが大事に思っている方向性は間違っていないという確信がもてたこと、それを推し進めるために何が必要か、を考えればいいんだ、という結論に至れたのが収穫でした。」
 「セッションの中で、補助犬ユーザーさんと一緒に街を歩き、アテンドするワークショップをしたのですが、参加者の皆さんの顔や行動・コミュニケーションがみるみる変わっていく、補助犬ユーザーの皆さんも本当に楽しかったと今でも話題になるほどで、私たちにとっては“神回”でした。このときの経験が、その後の活動のベースになったと思います。ALIVE終了後も、イベント運営のボランティアにたくさんの方が駆けつけてくれたりし、理解の輪が広がっていることもとてもうれしく思っています」


 おせんさんは、参加することは大変 だったという率直な感想とともに、スタートしたときと、セッションを経て感じることの変化があったことを語って頂きました。
 「率直に言うと、、、大変でした(苦笑)。2人の子育てをしながら、入社したばかりで初めて担当する仕事もこなしながら、ビジネスの猛者たちから『このデータが欲しい』『これについて教えてください』という質問や問い合わせをたくさんいただき、あわあわして、パツパツでした。(ほかのお二人も激しくうなずく)」
 「最初は、体験型研修なんだなぁ、という感じで、参加している皆さんともお行儀よい感じだった気がします。ただ、セッションが進んでいく中で、人の心を感じられたときに、自分の意識も変化した気がします。ALIVE理事メンバーの個人的な想いに触れたとき。参加者の皆さんが、遅い時間にファイル更新がされているのをみたり、具体的にこことアポ取ってます、とか、ここにアプローチしています、とか、ここまで動いてくださっているんだ!と感じたときには、心が動きましたね。」

■ALIVEを通じて自組織に起きた変化
 

 つめこさんから、参加した自組織のメンバーの経験にもなったということをお話いただきました。
 「各チームに 、当会の理事や スタッフ も1 人ずつ入っ たの ですが、参加したメンバーにもいい経験になったと思います。各チームの中で、自分ゴトとして参加者の皆さんに当会のことを伝えていく、その過程で悩んだり工夫しながら、自分もまだ理解していなかったことを知ったり、どう伝えたら伝わるのか、を考えながらという経験ができたことはすごくよかったと思います」

 なほさんから、参加されたメンバーにとって、ALIVEへの参加が自分たちの意識や思いを深く考えて、ある種の選択する機会にもなったというお話をいただきました。
 「実は、一部のメンバーは参加には懐疑的だったんです。企業にうまく使われちゃうだけで、うまくいかないよ、、、と。でも私は、庄司さんと翔太さんを信じていい機会になると思って参加しました。ALIVEには、比較的新しいメンバーに入ってもらったのですが、メンバー自身が、自分の属している組織のことをあまりよく知らない、という認識をして、少し追い込まれたりする瞬間があったんです。私がきちんとこれまでのことなどをお話ししていなかったので、参加者からの質問にうまく答えられなかったり、決断できなかったり、大変な思いをさせちゃったなと、申し訳なく思っています」
 「参加したのが3名だったのですが、うち2名は理事になったのですが、1名はしばらくしてから別の職場に移っていきました。NPOを続けていくのは、活動への思いがあっても色々と困難なこともあり、本当に大変なんだ、ということを改めて感じました。別の選んだメンバーも深く考えて自分の道を選択する機会になったのではないでしょうか。」
 また、コロナで不完全燃焼だったALIVEメンバーが安全教室を自主的に企画・実施したが、こうした出来事も組織にとっての変化も感じているようです。
 「ALIVEが終了した後に、ALIVEメンバーが安全教室を実施してくれました。講師や準備・収支計算までALIVEメンバーの皆さんが 自立的に取り組んでくれました。この取り組みは、団体メンバーの手から離れた形で運営され、既存のメンバーから見ると少し複雑な思いはあるかもしれません。ただ、体験教室が普及していくために、新しいフェーズに入ったとも言えるかもしれません」

■これから取り組んでいきたいこと、ALIVE OB/OGと一緒にやりたこと
 

最後に、それぞれの皆さんに、これから取り組んでいきたいことについてお話いただきました

・おせんさん(Homedoor)
「冒頭でもお話したように、若い方の相談の比率が増えてきていることから、就労支援をもっと強化していきたいです。また、コロナの影響で相談者の方が1.5倍に増えていて子供連れのお母さんや兄弟・姉妹など、いろいろな方が増えています。既存の施設は、1人部屋が前提になっているため、ファミリーシェルターの開設に注力していきたいと思っています。」
 「貧困問題に興味がある企業をご存じであったら、ぜひ繋いでほしいです!あとは、SNSなどでも情報をシェア・拡散していただき、少しでも多くの方に認知してもらい、関心をもっていただきたいと思います

ツメコさん(補助犬情報センター)
 「2022年は補助犬法成立20周年の年です。今年は、お金も人も今までより多く動かして、補助犬法を知ってもらう、補助犬ユーザーさんを当たり前 に受けいれ、障がい がある方々が活躍することが当たり前の 社会にする、そこのことを広め、盛り上げて いく1年にしたいです。ぜひ、20周年を一緒に盛り上げて頂ける方がいらっしゃれば、当会までアプローチください!」

・なほさん(体験型安全教育支援機構)
 「体験施設を創る!それに尽きます。また、講師の方も常に足りていないので、講師を増やしていきたいです。そして、安全教育の理解を増やしていきたいと思っています。」
「去年は3月にコロナをかいくぐって安全教室を実施しました。今年も、3月26日(土)・27日(日)にそなエリア東京で体験安全教室を実施します。1日3回、地震と犯罪に関することをやりつつ、常設ものもできればいいなと思っています。運営ボランティアとしても、参加者としても来ていただける方がいらっしゃったら、ぜひお越しいただけるとうれしいです。         ▶詳細はこちら 

◎それぞれの団体の活動に興味がある方は、以下までご連絡ください
【補助犬情報センター】
・メール:info@jsdrc.jp
・Web:https://www.jsdrc.jp/
・Facebook:https://www.facebook.com/jsdrc.hojoken/
・Instagram:https://www.instagram.com/jsdrc/

【Homedoor】
・メール:info@homedoor.org
・Web:https://www.homedoor.org/
・Facebook:https://www.facebook.com/Homedoor
・Twitter:https://twitter.com/Homudokun

【体験型安全教育支援機構】
 ・メール:info@safety-education.org
 ・Web:http://www.safety-education.org/
 ・Facebook:https://www.facebook.com/anzentaiken/


 今回のパネルトークをプレモル片手に、聞いていた庄司さんは、「やってきてよかったぁ」としみじみ感じる夜を過ごしたそうです。
 アルムナイでは、これからも皆さんと無理なく繋がり、よい時間が過ごせる場を創っていきたいと思います。これからも応援よろしくお願いします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?