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The volue of satyam 正直であることの価値

◆今回のテーマは、話すことの鍛錬

今月のヴェーダーンタ勉強会。
正直に話す(サッテャム)だけでは十分ではない。話の内容と思考が合致しているか。さらに、思考と事実が合っているか。
思考と事実との確認は、聖典の知識を自分なりに分析して話してみること。ディスカッションすることで、自分の理解のずれを発見すること。

◆謙虚さという価値(ヴィナヤ)と思いやり

「私の身体も、何かをする機会も、与えられたもの」という理解があれば、謙虚さが生まれる。自分がしたこと・しなかったこと、されたこと・されなかったことについても、秩序のなかで「そうせざるを得なかった」という理解が、自分にも相手にも思いやりを生む。自分の背景・相手の背景を知る。主観的な見方に客観性をもたせる。主観は狂気、客観は正気。謙虚さも思いやりも、イーシュワラの理解によって為されることであり、それが人としての成長。

◆正直であることの価値

「正直」の第一段階は、話の内容と行いを一致させること。言動の実行を、アールジャヴァムという。

次に必要なのは、言葉と思考が一致しているか。さらに、思考は真実と一致しているか。私が考えている真実が真実であるか、を確かめる必要がある。思考と真実との一致を、ルタムという。

「本当だと思ってるけど確証がない」ものを、サッテャムという。

思考と真実が違ってる場合が、アールジャヴァムである。言葉と思考が一致していても、思考と真実に一致がない。

インドを含め海外で「ほんとは自分も道を知らないけど、訊かれたらそれでも教えるほうが親切」という文化があって、結果とんでもないところに向かってしまう事例は、アールジャヴァムである。わからない・間違ってるかもという場合は、それも言い添えよう。。

◆話す相手を選ぶ・内容を選ぶ

「自分が話したいから話す」では、相手を犠牲にしてしまう。
相手を選ぶ、内容を選ぶ。

・相手にとって適切な内容か
・相手が関心をもっているか
・相手にとって価値があるか
・すべてを話す必要はなくて、大切なことを選んで話す
・週一回、マウナム(話さない鍛錬)の日を設けてる文化もある!

何も話せなくなりそう

◆言葉は文化

英語では、第一人称がI、第二人称がYOU、第三人称・・という順番。サンスクリット語では逆。第三人称にあたる「話題になってる対象」が、もっとも大切で一番目に扱われる。英語での第三人称が、サンスクリット語では第一人称。プラタマ・プルシャという。第二人称は同じく相手のことで、私は三番手。私は「最後の人」としてウッタマ(アンティマ)・プルシャと呼ばれる。だから、私本位で話してはいけない。相手にふさわしい話なのかどうか。私がどうのこうのは最後。私が話したいから話すなんてのは相手を犠牲にすることであって、やりたければ誰もいない広場でやってこい、と。

◆形容詞の問題

余計な形容詞を付けない。
ex.甘い砂糖 良い聖人  砂糖は甘いに決まっとるし、良い人だから聖人!

私たちが定義を持つのは、言葉に注意を払えば払うほど、あるがまま に気づくから。あるがまま = イーシュワラ。
言葉だけでなく、考えや振る舞い方すべてに気が配られてなければならない。「清潔」=シャウチャムが、より良い理解を与える。

◆千春の話から、今回の内容を考える

・「俺の話してることは間違ってるかもしれない」発言
かつて『SAGA』という自主発行誌で仰ってたこと。千春は政治や世相の話を積極的にする。コンサートやラジオでも1/3~半分くらいはそう。ただ、あくまでそれは、千春が見聞きして歴史をふまえて、彼の価値観や意志で発言していること。大切なのは、「自分で調べて、考えて、話してみてほしい。松山千春はこう言ってるけど、って。流行歌と同じ感じで、一人一人が政治を話せたら世の中はそれで変わりますよ」と。

現代は特に情報が絶えず流れてきて、膨大な意見や見解に触れられる。自分に合うとか好みでそれを選び取ってリツイすることで、自分の意見にしてしまってないかとか。「考える」という過程が存在してるか。プロの記者ですら「コタツ記事」を量産する時代。自分が感心したり同調する意見を拾い上げるのはいいけど、それをもう一回咀嚼してみることが必要だなと。。

・「貢献」についての話
先日のラジオ冒頭は、能登半島地震の話題。
「あの映像や報道。崩れた家をみてさ車が下敷きとかさ、どうやって片づけたらいいんだろうって、自分が被災したわけでないんだけど、かんがえちゃうもんな・・復興も年単位になるかもしれない。茫然としてしまうよな」「一般人はまだボランティアにも行けない、できるのは募金くらい」と正直に無力感を語る。一方、番組の後半のリスナーメールを受けて、若い世代へ社会貢献の話を。「普通に生活をすること。飯をくう。物を買う。それだけで貢献ですよ」。冒頭で大きな災害に為す術のないという話をしつつ、後半では「自分に出来ることがそのまま貢献になる」と。矛盾してるようでそうではなくて、千春は、相手と内容をふまえて話している。今日の内容をふまえると、すごく納得がいった。


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