見出し画像

スペイン語学習 5.形容詞と Be動詞の ser / estar

形容詞 adjetivo (1)

形容詞は,修飾する名詞の性・数に合わせて変化する。

“修飾する”というのは,形容詞の意味が名詞の意味と結びつけられるということ。例えば,「黒い犬」「その犬は黒い」など「黒い」という形容詞が「犬」という名詞を修飾している,という。)

形容詞は「人を表す名詞」によく似ていて,
次の3つのタイプに分けられます.

タイプ1.男性形が -o, 女性形が -a という語尾になるもの

  sg.    pl.
m. barato   baratos 
f.   barata   baratas
「安い」

タイプ2.男性形と女性形が同じ形をしているもの

  sg.    pl.
m. grande    grandes
f.   grande  grandes
「大きい」

タイプ3.男性形の語尾が -o ではないが,女性形の語尾が -a になる

  sg.     pl.
m. japonés    japoneses
f.   japonesa  japonesas
「日本の」


形容詞は修飾する名詞の性・数に合わせて変化する。

★多くの形容詞は,1.のタイプの変化をする。
このタイプは修飾する名詞が男性名詞なら -o, 女性名詞なら -a という語尾。

名詞の複数形を修飾するときは,複数形の語尾 -s をつける。
他のタイプの形容詞も辞書で引くときは男性単数形で引くこと。

(1a)
Tengo un ordenador barato.
Tengo una computadora barata.
(私は安いコンピュータを持っている.)

(1b)
El ordenador es barato.
La computadora es barata.
(そのコンピュータは安い.)

語尾そのものが一致するわけではありません.
El coche es barato.
その車は安い.(×El coche es barate.)

ordenador (男性名詞)と computadora (女性名詞)は類義語。
ordenador はスペインで,computadora はラテンアメリカの多くの国々で使われている。

★2のタイプの形容詞
修飾する名詞が男性でも女性でも同じ語尾をしている。

(2a)
Tengo un ordenador grande.
Tengo una computadora grande.
(私は大きなコンピュータを持っている.)

★3のタイプの形容詞は,
男性形の語尾が -o ではないのにもかかわらず,女性形の語尾は -a です.
地名から派生した形容詞にはこのタイプが多いです.

(3a)
Tengo un ordenador japonés.
Tengo una computadora japonesa.
(私は日本の(日本製の)コンピュータを持っている.)

形容詞 adjetivo (2) 語尾の脱落する形容詞

形容詞と名詞を組み合わせるときは,名詞が前で形容詞が後ろになるのが基本。
逆の順序になることもある。

こちらでも語順について解説。

★名詞の前に置くときに語尾の脱落する形容詞がある。

1.bueno 「よい」   
m. sg.単数 buen chico 「よい男の子」ブエンチィコ
   pl.複数 buenos chicos
f.   sg.単数 buena chica 「よい女の子」
   pl.複数 buenas chicas

 malo 「悪い」,primero 「第一の」, tercero 「第三の」
形容詞の語尾が脱落するのは単数形のときだけです.

bueno の仲間の形容詞では,男性単数形の場合のみ,語尾oが脱落する。

(1a)Hay hambre en el Tercer Mundo.
      (第三世界には飢餓がある.)
(1b)Roberto es un buen chico. ※名詞の前に形容詞
— Sí, es un chico muy bueno.   ※名詞の後に形容詞
(ロベルトはいいやつだ.―うん,すごくいいやつだよ.)

上の例文のように,名詞の後に置くときは語尾が脱落しない。

2.grande 「大きい」
m. sg.単数  gran escritor 「偉大な作家(男性)」
        pl.複数 grandes escritores
f.  sg .単数  gran escritora 「偉大な作家(女性)」
  pl. 複数   grandes escritoras

grande の場合,女性単数形でも語尾が脱落する。

(2a)Soseki es un gran escritor japonés.
(漱石は日本の偉大な作家です.)
職業には冠詞はつかないが、この場合
「作家」は職業でも「日本の偉大な作家」という職業はない。

Be動詞の ser と estar

ser と estar はどちらも英語の be動詞に相当するもの。
この使い分けは、多くのスペイン語学習者にとって悩みの種となるようです。
ser と estar の大まかな意味の違いを学んでいきます。

ser とestar は,どちらも形容詞と組み合わせて使うことができますが,
意味は違います。基本的な違いを見てみましょう。

1. 「ser + 形容詞」 性質の表現

 主語がどんなもの(人)なのか,その性質を表現するときに使います.

(1a)¿Es buena la película?
  — No, es mala. Es muy aburrida.
  (その映画は良い(おもしろい)? 
  - いや,おもしろくないよ.すごく退屈だ.)

(1b)¿Cómo son Isabel y Fernando?
  — Son amables, pero un poco egoístas.
  (イサベルとフェルナンドはどんな人たち? 
  - 親切だけど,少し自分勝手だ.)

2. 「estar + 形容詞」 状態の表現

主語がどういう状態にあるかを述べる表現。

(2a)¿Está buena la sopa?
  — Sí, está muy rica.
 (そのスープはおいしい? 
  - うん,すごくおいしいよ.)

(2b)¿Cómo están Isabel y Fernando?
  —¡Huy, están furiosos!
  (イサベルとフェルナンドはどんな様子?
  - いやー,怒ってるよ!)

★場所や時を表す表現でも,
ser と組み合わせるか estar と組み合わせるかによって
微妙に意味が変わってきます。

3. 「ser」  出来事の行われる場所・時を示す。

(3a)¿Dónde es el concierto?
  — Es en el Teatro Nacional.
 (そのコンサートはどこでやるんですか? 
  - 国立劇場ですよ.)

(3b)¿A qué hora es la clase?
  — Es a las nueve.
  (授業は何時からですか? 
  - 9時です.)

4. 「estar」 具体的な人やものがある場所や時間にあることを示す。

(4a)¿Dónde está el teatro?
  — Está cerca de la estación de Atocha.
  (その劇場はどこにあるんですか? 
  - アトチャ駅の近くです.)

(4b)¿A cuántos estamos?
  — Estamos a 3 de mayo.
  (今日は何日? 
  - 5月3日.)

★ser と estar 動詞の人称活用形はこちらも参照。


(引用元) 基礎をマスターしたい方にお勧めです。多言語学習可能!
東京外国語大学 Tokyo University of Foreign Studies.

サポート大歓迎、どうぞよろしくお願いいたします!