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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:氷晶の森の舞姫と灼熱の大地の王子 第三十七話 戦の序曲

前話

「ただいまー。フロリアン、リリアーナ!」
 いつも帰ってくるようにレオポルトは帰ってきた。ユレーネも一緒である。土産を渡したいと言って着いてきた。
「レオか。おかえり。姫、また居候ですか?」
 フロリアンの戦々恐々とした表情をユレーネは軽く一蹴する。
「しっかり、レオにお土産を渡したら送り返すと言われているわよ」
「イーカムに乗るの?」
 ぽん、とリリアーナが現れた。
「リリアーナ! 魔法をどかどか使うんじゃない。体が弱る」
「そうなの? はい。お姉ちゃん、お兄ちゃん。妖精の王様がこれをお姉ちゃんとお兄ちゃんに渡してって」
 後ろ手に隠していた大きな花束を二人の掌に置く。だが、すっと花束が消えた。
「消えた!」
「魔力のこもった花束なんだって。だから消えるの」
 何も不思議ではないと言った具合の妹に危機感を覚えるレオポルトである。この魔法の力はリリアーナをおとしめるかもしれない。アイシャードにしっかり教育してもらわないと。そう思っているとユレーネが声を上げた。
「魔力の雪の結晶だわ。魔力が増えたのね。レオも掌見せて」
 手を見ると小さな炎がぽっと出ては消えた。
「魔力を……。それじゃ……」
 アイシャードの結界を巡らす日が近い。そうレオポルトは悟る。
「おじぃちゃんが明日の朝、太陽が登る前にお家に来てって。結界? を作るって言ってた。結界って何?」
「この氷の国を守る魔法で作る盾だよ。リリアーナはフロリアンとお留守番」
 レオポルトの言葉にリリアーナはだだをこね始める。
「リリアーナ。お姉ちゃんとお兄ちゃんでお土産にリボンを買ったの。つけてみない?」
 店の袋からリボンの留め具を取り出す。
「可愛い~。これ、リリアーナの?」
「そうよ。レオがこの色が絶対に喜ぶって選んだの」
「お兄ちゃん、ありがとう。リリアーナこの色が一番好きなの。お母さんがよく来ている服の色が大好きなの」
「そう。じゃ、鏡のあるところでつけましょうね」
 ユレーネがリリアーナの興味をそらして別の部屋に行く。レオポルトは感謝の視線をユレーニ送る。ユレーネはかすかに肯く。
「段々、阿吽の呼吸ができるようになったな」
「そうか? なんとなく、ユレーネの言葉がわかるようになってきただけだ」
「それがツーと言えばカーなんだ。お腹は空いてるか?」
「ああ、観光地回って食いっぱぐれた。ユレーネとリリアーナの分も作ろう。最後の日になるかもしれないからな」
「レオ……」
「ただの一人言だ。ユレーネには言わないでくれ。相変わらず、死が隣り合わせなんだ。ユレーネさえいれば大丈夫だが」
 自分が猪突猛進するのをユレーネが押さえてくれている。それが命綱だった。
 
 明日、アドルフが攻めてくる。緊張した面持ちで台所に向かったレオポルトだった。
 戦の序曲が奏でられ始めたのだった。


あとがき
これだけは朝に更新しようと朝の時間を使っての更新作業です。
英検どうしよー、です。もう執筆と漢検に絞っていたのですが、昨日の英語接客で、どうも英語の力がいるらしい、とわかってからは困ってます。

高いんです。受験料。漢検より高い。で、諦めたという経緯もあるのです。
一ヶ月にそんなに払えないわ、となって。同じ月に受験なので、10月に同時受験となります。しかも英検の勉強、ややこしいです。ヒアリングがあるので野球中継と同時というわけにも行かないので別枠で時間がいるんです。そんな時間が作れないのですよ。過去問するだけにもなってるけれど、輪捨てるし。基礎、もう一度やらないと行けないかしら。

午後は野球があるので、漢検とか執筆しながらの過ごし方。本屋に行ってる余裕がない~。

メガネも新調しなくてはいけない状態で。今のメガネ見えにくいんです。かと言って遠くに作りい行けない状態。次の試験までになんとかというところです。明日、行こうかしら。ダイソーも行かないといけないし。でも、体力が……。

と、長々違う話を書いてしまいました。エッセイもどきの着いた連載でした。ここまで読んで下さってありがとうございました。

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