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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:星彩の運命と情熱 第二十一話 エレメントの補完関係。ファーストキッスぬすまれたー!!

前話

 セレスが大きくなったことで次の旅路が決まった。リアナ達はグレートマザーがいるとされる、エルダリアンの聖域を目指すことにした。南の国から東の方にあるという。シルヴァリアに乗って空路で急ぐことにした。セレスの事で時間をかなり費やしてしまったということもある。早めに動く方がいい、とのセイレンの意見でシェイラをセイレンの家に残して出立することとなった。
「シルヴァリア。お願い」
 肩に乗っているいつもの使い魔、シルヴァリアに声をかけるとうな~ん、と答えて巨大化すする。それに四人乗ってシェイラが見送る中、空へと旅立った。
 その途中でセイランが寄って欲しいところがあると、言い出した。
「早く行こうって言ったのはあんたなのよ」
「すまない。このルートの途中に遺跡があるんだ。そこで何か拾いものができないかと調べていれば炎のエレメントが関係していた。俺のエレメントは炎だ。ちょうどいいかと思って」
「それじゃ、しかたないわね。シルヴァリア、炎の神殿の手前で一度降ろして」
 首の辺りに手を当ててリアナは言う。
「そんな事で通じるのか?」
「失礼ね。シルヴィアはとーっても賢い子なの。あ。セレスも賢い子ねー」
 相好を崩して甘いママとなったリアナはセレスの首を撫でる。
「お前、性格変わりすぎないか?」
「別に!」
 通常のギャンギャン娘に戻ってリアナはそっぽを向く。
「ほんと素直じゃないだから。二人とも」
 マルコが見かねて言う。
「いつ見てもノロケばっかりのフィオナ達とは大違いですよーだ」
 今度はマルコ相手にツンデレ、だ。フィオナはもう慣れていて気にしていない。
「この辺りだ。あ、あそこに降りてくれ」
 珍しく古いフェアリードラゴン発着場が空から見えた。そんな古代からフェアリードラゴンはいたのか、とリアナは考える。すぐにシルヴァリアから降りるとシルヴァリアは元の大きさになってリアナの肩に止まった。
「ここ?」
「『焔霊殿』と言う。炎のエレメントの秘宝が眠っているらしい」
 そう言ってセイランは目の前にそびえ立つ炎の門を見上げた。
「この門、トラップみたいなのないの?」
「たぶん、ここから試練は始まっている。この門にかかっている魔法を解除しないと入れない」
 古文書のような物を取り出すと、セイランは門の周りを歩いたり測ったり、様々なことをする。そして目の前に立って炎のエレメントを使った魔術を試みる。が、解除できない。
「確か炎の魔法で入れるはずなんだが」
「お馬鹿さんね。炎に対して炎で何かできるわけないじゃないの。このリアナ様の水と補完し合ってはじめて魔術が解除されるのよ」
「って。お前、どうしてそんなことを」
「実は私、主なエレメントは水だけど全てのエレメントに関われるという天才的な力の持ち主なのよー」
 どこかの悪役のように高笑いをするリアナである。
「リアナ。キャラ崩れきってるぞ」
 セイランの一言で我に返ったリアナは、門を見上げる。
「そうねぇ。まずは炎と水のエレメントを共振させてみようかしら。セイラン。炎のエレメントと水のエレメントを調和させましょう」
「わかった」
 そう言うとセイランは、炎のエレメントを指の先に出して球体を作る。リアナも水のエレメントの球体を作る。二つのエレメントが振るえだし共鳴しはじめる。そして機が熟した頃にそれぞれ簡単な魔法を詠唱する。すると炎と水の球体がが融合し、門の前に光の波動が現れ始めた。
 マルコとフィオナは驚きの表情で見ている。
「リアナ。バランスを取れ」
「ってあんたでしょーが」
 二人は目を閉じたまま痴話げんかをしているが、次第に炎と水のエレメントの波動がバランスを取り始める。
 ゆっくり、流れを調整する。
 バランスがとれた、とおぼろげにフィオナとマルコもわかる頃に結界が解除された。
 閉じていた門が開放され、炎のエレメントの輝きが広がって出てくる。
「開いた」
「やっと、か。ありがとう。リアナ」
「べ、別に。さっさとグレートマザーに会いたかったから協力してあげただけよ」
 またつん、とそっぽを向く。
「今回はリアナにかなり世話になるから先にこれやる」
 そう言って頬に軽くキスをするとセイランは中へ入っていく。リアナは何が起こったのか理解できない。思考停止だ。
「おめでとう。ファーストキッス」
 フィオナがそう言ってリアナの手を取る。
「なにー。私のキスが盗まれたーっ」
 焔霊殿の門の前でリアナの叫び声が通り抜ける。
「このー。泥棒ー!!」
 手を引いていたフィオナの手をほどくと、リアナはセイランを追いかけて神殿に突撃していった。見境ないのはいつもの事である。
 
 グレートマザーに会えるかしら。
 
 フィオナは先行きが思いやられるのだった。


あとがき
一応ストック分まで「星彩の運命と情熱」は掲載しますね。あとは野となれ山となれとは勝手すぎるので、がんばって書きます。でも眠い。余りにも眠くてキータッチがやばい。文章が打てない。ミスタッチばかり。
なので。遅刻更新についてはこれが公開されてから約三十分から約一時間後に。とりあえずめぐりズムして寝ます!
何はともあれここまで読んで下さってありがとうございました。

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