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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:影の騎士真珠の姫 第二十六話 ゾフィーの記憶

前話

「姉上!」
「マリア!」
 二人でカタリーナの部屋の方に急ぐ。
「はい?」
 のほほん、とマリアは仕事をしていた。
「いいからこっちへ」
 乱暴な言葉になりながらマリアをカタリーナの部屋に連れて行くフィーネペルルである。嫌な予感が的中する前に記憶を呼び戻したかった。
「はい。これ飲んで」
 ヴァルターがコップに水を入れ、フィーネペルルは薬を出す。絶妙な連携だ。段取りの良さに驚きつつ、なんの事かわからないマリアである。
「この薬は『記憶の妙薬』という薬よ。記憶を戻す事ができるの。信じがたいけれど、私達が命がけで持ってきた薬よ」
「フィーネがね」
「ヴァルト!」
「はいはい。先に種明かしをするとマリアは私の姉上なんだ。だけど、フィーネは記憶がないままでもいいのに、命を賭けてこの薬を手に入れた。できれば飲んで記憶を戻して欲しい。姉と弟としてもう一度会いたいのだ」
「ヴァルター様……」
 必死なフィーネペルルとヴァルターに戸惑うマリアだが、コップを持つ。
「はい、この丸薬をのんで。味の保証はないのだけど。誰も飲んだことがないから」
「はい」
 マリアはじっと掌の丸薬を見ると一気に飲む。
「どう?」
「思い出したか?」
「え、と。……あ、頭痛が」
「大丈夫?」
 フィーネペルルが肩に手を回して背中を撫でる。しばらく頭痛に悩まされていたが、すっと表情が変わった。
「姉上?」
「ヴァ……ヴァルト? 私は……あ」
「大丈夫よ。ここはエルフリア国。レガシア帝国ではないわ。今、危ないようだけど。怖かったわね。連れ去られそうになるだなんて……」
「どうして、それを……」
「あなたの体験を以前、追体験したことがあるの。もうその力はないのだけど。今度こそ、私とヴァルターで守ってみせるわ」
 そう言って不安そうなマリア、いや、ゾフィーを抱きしめる。
「フィーネペルル様、そのような事」
「フィーネでいいわ。ヴァルトのお姉様だもの。私の姉だわ」
 そして城が急に慌ただしくなってきた。
「フィーネ! 早くこちらへ! レガシア帝国の急襲よ」
 後から来たカタリーナが手を引く。
「マリアを、ゾフィーお姉様をおいてはいけないわ」
 ゾフィーを抱えながらフィーネペルルは言う。
 
 あんな思いをもうさせたくない。
 きっとマリアとわかったのだ。
 レガシア帝国の皇帝は一度狙った女性は離さないと聞いている。国の国交を脅かす存在として手当たり次第に女性をさらっていると噂が流れてきている。
 エルフリア王国とゾフィーを狙ってきたんだわ。
 
 嫌な予感が当たった。
 
 フィーネペルルはヴァルターと視線を交わすとカタリーナの手によって避難しはじめ、ヴァルターは騎士団の元へと急いだのだった。


あとがき
なんとかいろいろ改稿しました。五年も女を捜し回る帝王なんて犯罪すれすれだわ。でも、副将軍が見かけて女に仕掛けるだけで五年も探さないだろうと思って変えました。どう変わったかは追々。今回の改稿で字数は制限取っ払いました。のでやや、長いものもあるかもしれません。

やっと眠気が飛びました。あとはゆうパック待つだけ。
他のものはポストインなので。
こそっと入れます。もう。ご機嫌斜めなので。

シャーペンの芯も欲しいですけどねー。ぱっと買い物のに行って何を買うかと考えるとシャーペンの芯ぐらいしかないので、困ってます。出た方がいいのはわかってますが。
って、今文房具を入れているケース見たら芯山のようにありました。0.3と0.5。昔、考古学のバイトで0.3を使っていたのでそれも。なんと三菱の昔のオーソドックスな芯がありました。これなら書きやすいですね。シャーペン見つけたかと思えば0.3でした。製図に使っていたものです。他の専用のものも使っていたのですが、ないようで。

とにかく買い物でシャーペン見てこないと。もうすぐ開くので行ってきます。

その前にアウトプットのエッセイの勉強です。覚えている内に書かないと。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

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