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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:影の騎士真珠の姫 第二十五話 帰国の喜び 

前話

 帰りの道はあっという間だった。体調が万全でないフィーネペルルを思ってヴァルターとライアンは最短距離で移動したのだ。
「こんな近道があるなら、どうして最初から使わなかったの?」
 フィーネペルルが不機嫌そうに言う。まるでまた少女に戻ったようだ。
「この道は結構危ないんだ。それに君たちは旅を通して成長する目的もあった。目的に地に一直線という訳にはいかなかったんだよ」
「もう。成長なんてないわ。ただの旅行だったもの」
 そう言って不機嫌そうに言うと首に手を絡める。
「こら。間違いは犯してはいけないんだろう? 男を試すんじゃない」
「わかったわよ」
 腕を解くと前を見る。その目は不安げだった。何か嫌な予感がする。こういう予感は大抵当たるのだ。それを紛らわそうと恋人と戯れている。自分にはもう異端の力はない。何かが起きればどうすればいいかわからない。
 そんな旅を続けて、見慣れたエルフリア国の国境が見えてきた。見慣れたと言うよりは旅に出る折に振り返って見ていた国境を覚えていたのだ。
「カタリーナ、帰ってこれたわね」
 隣の馬のカタリーナに言う。
「ええ。あなたが無事で陛下もお喜びだわ」
「だと、いいけれど。ヴァルトが告げ口をしそうだわ」
「そのつもりだ。こんなお転婆に誰が育てたんだ?」
「あなたよ。ヴァルト」
「フィーネ!」
 恋人の痴話げんかにカタリーナとライアンが笑う。可愛いままごとに見えるらしい。
「カタリーナは城に帰れば婚礼の式ね」
 何歩も先の恋の道を歩いているカタリーナにフィーネペルルが言う。カタリーナは寝耳に水だ。
「それはフィーネの即位の後じゃ……」
「何言ってるの。おめでたいことは早くするものよ」
「じゃぁ、フィーネも……」
「私はまだまだ、よ。何もないもの」
「何があったって言うのよー!」
 カタリーナは叫び、ライアンは顔を赤くする。
「図星、ね」
「図星じゃないわよー!」
「ほら。もう、お父様達がいるわ。ただいまー。お父様」
 フィーネペルルが手を振る。フィーネペルルの元気な姿を見て両親がほっとしてるように見えた。
 近づくと危なげにも馬から飛び降り、両親へ駆け寄る。父の胸に飛び込む。
「ただいま。お父様。無事戻りました」
「ああ。それはよかった。ヴァルターに叱られはしなかったか?」
「え?」
「今も動いている馬から飛び降りて鬼の形相だ」
 振り返って、あ、とフィーネペルルは言う。
「フィーネ!」
「ごめんなさい。ヴァルト。嬉しくて……」
「いい。さぁ、体調が万全でない。早くお休み」
「まだ、大丈夫よ。早く、マリアに薬を」
「その前にアムネシア国からの親書を」
「あ」
「あ、しか言わなぬな」
「お父様!」
 揚げ足を取られてフィーネペルルが文句を言う。
「今、この地帯は緩衝地域だが、レガシア帝国の脅威が近づいている。今、帰ってこれて幸いだ。さぁ、城へ行ってマリアに飲ませなさい。猶予はない」
「レガシア帝国が……。急ぎましょう。ヴァルト」
「わかった。だが、馬には一人で乗り降りしないこと」
「はぁい」
「フィーネ!」
「わかってるわよ。早くマリアの元へ」
「ああ」
 フィーネペルルを馬に乗せると城へと急いだ。


あとがき
第二の朝活です。ふと、この物語で思った事があったので、改稿します。数話先か次話かわすれましたが、ちょっと都合良すぎる。もともとご都合主義ですが、ちょっとこれには無理がある。いくつか訂正して載せていきますね。

幸い明日は休み。帰ってきてから買い物に行くけれどその後にこちらを見直します。

日記も来るし、たぶん、ポストインです。一冊の小さな片手サイズの日記ですから。

昨夜改めて頼んだものは二冊までならポストインだったのですがまとめて三冊買ったので宅配らしいです。置き配してくれないかしら。

日記は一冊で一年分ありますから来年の今日までありますね。書かない日もアルでしょうから、それ以上持ちますね。

あらためて自分で字を書いて気持ちを整理してすっきりします。言いたいことがありすぎて書き切れませんが、漢検の勉強してから結構いろいろな感じが書けるようになってきました。書きながら、「あ。この漢字書いてるな」とびっくりしてました。ま、そういうことで日中に日記を書いてるかもしれません。

占いがいまいちなのでミスをしないよう肝に銘じて行ってきます。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

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