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【再掲載小説】恋愛ファンタジー小説:最後の眠り姫(45)

前話

「よし。これでヴィーを悩殺してきなさい」
 私とカロリーネお姉様はできあがったフリーデのコーデを見て納得して経っていた。フリーデの目は鏡に釘付けだ。
「これが、私……です、か?」
「そうよ。姉妹の力の結集よ。ほら行った行った」
 私はフリーデをくるりと扉の方に向けると背中をぽん、と押す。
「ととっ」
 フリーデがつんのめる。転ぶ! 私とカロリーネお姉様は腕を引っ張って助けようとしたけれど、間一髪で踏みとどまった。と、見えた。
「姉上。フリーデをいじめないで」
「ヴィー?」
「あんまり長いこと籠もっているから心配で見に来たんだよ」
 そうして、フリーデを見た、ヴィウrヘルムが固まった。
「ヴィー?」
 またもや姉二人は弟の名を呼ぶ。
「フリーデがあんまりにもきれいで惚れ直してるんだよ」
「クルト!」
「兄上!」
「まぁ!」
 異口同音に声を上げる。
「ほら。若い恋人はさっさとロマンチックな夕食会に行っておいで」
 クルトが率先して二人を追い出す。二人が出て行ったところでクルトは私達の方を見る。というか、私を見つめる。
「俺たちも優雅な晩餐だね。姉上は、父上と母上と仲良くしてて」
 クルトの言葉にえー、とカロリーネお姉様は言う。
「私の件は~?」
「告っちゃえばいいんじゃないの? どうせ、ここの使用人の誰かだろう?」
「知らない! さっさと帰るわよ!」
 耳まで真っ赤にしたカロリーネお姉様は来たときのように嵐の如く去って行く。
「やれやれ。手のかかる姉上だこと。エミーリエ。君も姉上の置いていった宝石を使って綺麗になって。これなんかいいんじゃないかな?」
 ダイヤモンドが山のように付いているネックレスを見せる。
「そんな重い物はいらないわ。そうね。……、これなんかどう?」
「似合ってるね。エミーリエも姉上のように服装のことに詳しくなったんだね」
「あれだけ着せ替え人形されたら身につくわよ。さ。準備を早くしなきゃないから、クルトは外!」
「はいはい。仰せのままに」
 そう言ってクルトは出て行く。なんだか見ていて心細くなる。引き留めたいけれど、ドレスを着るのを見せるわけにはいかない。私はお母様が特別にとあつらえて下さった淡い紫色のドレスを纏い、薄化粧して、アクセサリーをつけて、鏡の前でにっこり微笑んだ。悩殺出来るかはわからないけれど、一応、お姫様らしくなったわ。すぐに外へ出ようとしてドレスの裾を踏んづける。
「おっと危ない。大人しい姫君にならなきゃ」
 私はしずしずと歩いて、クルトの待つ部屋の外へ出たのだった。


あとがき
更新を一日おきにしたのでペースが楽になりました。しかも、一極集中。四つの物語を同時進行していた時は頭が非常に疲れました。今は「最後の眠り姫」の落としどころなどを考えながら執筆しています。二次もちょっといじりました。短編をくっつけて四千字にしました。そのあとはまだ考えついてないですが。水槽丸洗いやらいろいろ重たいものを持って背中が超がつくほど痛いです。ついにロキソニンも導入。それでも猫背で固まるとあとが強烈に痛い。パソコンが地獄です。隔離して薬浴中なのでその世話にも気が取られて心ここにあらず、です。早く治ってくれないかな。新・45センチ水槽も着々と準備を進めています。今日は大磯をいれました。砂はこりごり。ま、今日はあとは三つのアカウント更新に邁進します。朝活ほったらかし。手帳は書き続けているけれど、ついに六時起きが六時半おきにまでに。朝活より夜活が大きなシフトを占めてます。とは朝活アカで。それではここまで読んでくださってありがとうございました。

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