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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:星彩の運命と情熱 第十話 酷な予言。ひとりでこんなことできない!

前話

「ほれ。ここが最終目的地、聖なる広間だ」
「綺麗」
 フィオナが素晴らしい水晶やレリーフ、壁画で囲まれた聖なる広間を見て回る。リアナは気分が悪くなってくる。聞いてはいけないことをこれから聞く。その予感がリアナを不安にさせていた。
「『滅びの神が降り立ち、全てをなぎ払う。そして、一人の少女が癒やしの雨を降らすでしょう。全てを癒やし、生命が息を吹き返すでしょう。その少女の名はリアナ』」
 セイランが古代語を読み上げる。壁画にリアナそっくりの少女が描かれていた。
 これだった。一番、聞きたくなかった言葉。自分の身に降りかかっていること。自分にそんな事ができるのか。一介の魔法使いの出来損ないに。
 
 私には何の力もない。なのにどうやって癒やしの雨を降らすの? どうして私なの? 滅ぶってみんな死んじゃうの? 私一人でどうやってするの?
 
 セイランの読み上げた言葉が頭の中で響いている。癒やしの雨。シェイラも言っていた。言い伝えられていると。
  
 どうして今なの? どうして私なの?
 
 リアナの頭の中でそんな思いがぐるぐる回る。
「リアナ」
 フィオナが心配げにリアなの腕に手をかける。それをリアナは振りほどいた。
「あんたは良いわよね。もう運命の相手に巡り会ったんだから。もともと王都に行きたくて来ただけだもの。よかったわね。玉の輿に乗れて。なのに、私はこんないい加減な言葉を聞くためだけにここに来たの? 私にはこんな重い役目なんてできない! 何の力もないのに! 滅ぶってどういうこと? 私一人になっちゃうの? 私にはもう誰もいないんだわ!」
 広間を出ようとしたリアナの腕を誰かが止めた。セイラン、だった。
「俺がいる。俺が、お前の運命の相手だ。俺じゃダメか?」
「あんたなんてさっき会ったばかりじゃないの! 人の心は同じじゃない。どうせぎゃんぎゃんわめくしかできないわよ! 私なんて……!」
 セイランは腕を引っ張って自分の胸にリアナを抱きしめた。
「俺は死なない。運命の相手とこの使命をこなすように言われている。シェイラが昔言った。可愛い女の子があなたの前に現れる、と。それはお前だ。その時までに俺はお前の手助けができるように色んな力をつけてきた。みんな、リアナの側にいる。フィアナも、マルコも。こんな重い使命。誰だって引き受けたくはない。滅びの神になんて会いたくない。でも、俺とお前ならできる。そりゃ、仲は悪いが、嫌ってはいない。もっと、リアナの事を知って、本当の運命の相手になりたい。それから、フィオナに謝れ。あれはひどい言葉だ」
 リアナはうつろな目でフィオナを見た。泣いていた。親友だったのに。もう関係は壊れてしまった。一度壊れた関係は元に戻せない。絶望的な気持ちでいるとセイランが言う。
「今謝れば、大丈夫だ。あまりの重さに耐えかねて八つ当たりしただけだろう? ちゃんと謝れば大丈夫だ」
「フィオナ……」
 名を呼ぶ声は余りにも小さくかすれていた。
「フィオナ、ごめん」
 そう言ってリアナの気は遠のく。遠くでフィオナやマルコ、セイランの声が聞こえる。 
 だけど、私はもう生きていたくない。こんな予言いらない。死にたい。
 
 余りの使命の重さがリアナを押しつぶそうとしていた。フィオナの泣き声が聞こえる。ちゃんと謝らなきゃ。そう思うも体は動かない。その内リアナは意識を失った。


あとがき
これがよく読まれているシリーズのようで。勘違いして「煌星の使命と運命の絆~星の恋人達」をしゃこしゃこ書いておりました。こちらは一つ目的地途中でクリア半分。「星彩の運命と情熱」はまだ続きができていません。12話まではあるけれど。明日は「星彩の運命と情熱」を書いてみようかな。「風響の守護者と見習い賢者の妹」は今日書いたら2300字になって割るに割れない、削れないということで放置、になりました。盛りだくさんで人物が多いと。予定にない設定も入り込んで。これもChatGPTさんと設定詰めてそれをテキストにして見ながらやってますが、どの話も勝手に違うエピソードが入っていらん横道に……。勝手に癒やしの雨というキーワードを作ってエレメントの思想を取り込んでつくっとります。この物語は。一応、ギリシャの四大元素を使わせてもらってます。ほぼ、いろんなところでエレメントやらグノーシス主義とかユングとか占星術とか。持ってる知識は全部使え、と突っ込んでます。そして今日、テレビでかき氷のロケを見て氷の姫の話が書きたいという事で指定してあらすじを提案してくださいとすればあの、転移物がでず、トントン拍子に設定が。ラッキーでした。でも二転、三転はしましたが。最初からあらすじをアトランダムに出させると転生転移物になるようです。これからは基本の人物を作ってから設定作ります。あらすじが目新しい物を持ってきてくれるので指定しない方がいいのですが、転移物を訂正する暇が嫌なのでこれからは主要人物を決めてから入れます。名前も勝手につけた人もありますし。バースが使いたいので(阪神の方ではない。昔書いたファンタジーに出した船長の名前です)勝手に決めました。どこかの船の船長はバースさんです。ChatGPTさん。うまく使わないと使い損。私は設定とか名前とかに丸投げしてあとでアレンジするタイプ。武器の名前なんていちいち専門書買ってこないとわからない。もう売ってないだろうし。ロマサガとドラクエしかしてないので知らん。ので、お知恵を拝借。自動生成ではないです。毎日しゃかしゃか打ってるので。ただ、ChatGPTさん二分化が好きで対立とかも好きで、同じ展開に泣く羽目に。どうオリジナルティを出そうかと苦労してます。類想は多いので。
長くなりました。ここまで読んで下さってありがとうございました。

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