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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:星彩の運命と情熱 第九話 アルカナ遺跡にて。本当に私なの?!

前話

「ここだ。アルカナ遺跡はっと。お前ら、もうバテてるのか?」
「この国暑すぎ~。水~」
「そんな分厚い装備してるからだ。身軽になっておけ。ここは迷宮がある。迷ったらイチコロだ」
 げ、っと下品な声を出すリアナにセイランがニッ、と笑う。
「何よ?」
 いや、と言って遺跡を見上げる。入り口は神殿になっていて豪華な装飾やレリーフがあった。入り口だけでも圧倒される。
「ここには魔除けの神が描かれている。邪心を持った人間は入れない。通れるってことはまっとうな人間なんだな」
 からかうような口調にムッとしつつも、何故か反論できない。
「やけに大人しいな。さっきのギャンギャンはどこへ行ったんだ?」
「知らないわよ。ギャンギャンが良いなら耳元で騒いで上げようか?」
「いいねぇ。それも」
 セイランのその反応に思わず変態か、と思うリアナである。
「変態で悪かったな」
 ぼそっと、返された言葉にリアナはん? とする。
 
 私、今、声にしたかしら?
 
「今はこの神殿に入ることだけ考えてろ」
「むぅ」
「リアナ。さっきからむぅしか言ってないわよ?」
 フィオナが言うが、やっぱりむぅ、なのである。
「変なリアナ。マルコ、リアナを守って」
「姫の仰せとあらば」
「いらないわよっ。他人の恋人なんて!」
 ごちゃごちゃ歩いていると広間と思しき所に出た真ん中に中庭がある。自然の草花が咲いている。その中庭にほっとひと息をつくリアナである。しばらく愛でていたがったが、セイランに引きつられて次の間にいく。
「ここは迷宮だ。俺の後についてこい。トラップがあるぞ」

 ここか。即死区域は。
 
 リアナは辺りを見回す。なんだかあまりいい気にならない気が漂っている。
「あんまり見ない方がいい。邪気に囚われるぞ」
 慌てて、前を歩いているセイランの背中を見る。
「いい子だ。と。そっちは幻影だ」
 ちらっとリアナの視界に両親が映った。そして姉もいる。
「お父さん。お母さん。お姉ちゃん……」
 ぼんやりと横道にそれそうになったリアナをセイランは担ぎ上げる。
「ちょっと」
「トラップに引っかかる。こうしている方が生きていられるぞ」
 またもむぅ、である。言われていることは確かだ。だが、担ぎ上げるとは。
「お姫様抱っこがいいか?」

 なんで思っていることがわかるんだろう。
 
 リアナは不思議に思う。
「それは後で種明かししてやるよ」
 そう言ってトラップを全て覚えているのかセイランはずんずん進んで行った。


あとがき
分割したままのようでした。たまに気づけば2000字の時があるんですよね。それで割るのですが、前後で不具合が生じる場合も。これは、割ったまま次の話しに行く時制でほっとかれてました。やばいやばい。
相変わらず、爆睡したため、頭がぼやけております。逆に睡眠不足の方が頭は働いている。代わりに睡眠負債がありますが。外は暑そうです。いやや~。行くの。でもお給料が時給アップしていたので頑張らないと。あと五分でそれこそ出立。ってこれは「風響の守護者と見習い賢者の妹」の話か。久々のストックあるヤツ更新ですので、「星彩の運命と情熱」は久々の登場です。また前を振り返る時はリンクを遡ってくださいね。
ここまで読んで下さってありがとうございました。


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