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【再掲載小説】恋愛ファンタジー小説:ユメという名の姫君の物語 第二十四話‐ユメ‐触れた血

前話

「どういうこと? 縁談を進めながら側室作りにいそしんでいたのっ?」
 違う、とタイガーはきっぱり言う。
「縁談を進めるから君にはもう会わないとハーフェンに行く前にきっぱり言って行ったんだ。ところが、帰ってくると自分が正妃で君が第二夫人ですわね、と勘違いしてるんだ。誰かが入れ知恵したようで……。君が会ってきっぱり言ってくれれば変わるとは思うが」
「変わらないわね」
 怒りのあまり、冷たく言ってしまう。
「今、愛を確認しあったところじゃないか。そんなに冷たくならなくても……」
「冷たいのではなくて怒っているのよ。怒りのあまり冷たくなったのっ。どこよ。その勘違い女は!」
「ここですわ。第二夫人のユメ様」
 仰々しいドレスを着て派手な出で立ちの女性が入ってきた。
「アレクシス様。こちらの部屋はわたくしのものではないのですか? 第二夫人にはそれ相応のお部屋でないと」
「タイガーに第二夫人はいないわ。正妃一人のみよ」
 私がきっぱり言うとあら、とエリザベスは言う。様、なんてつける価値もないわ。
「では、とっととこの部屋から出て行って下さいませ。ここはわたくしの部屋ですわ」
「サクラと意思疎通を図れない者は入れないわ。あなたは不合格。サクラは人を選ぶ。本当に大事なモノを教えてくれるサクラをみすみすあなたみたいなお馬鹿さんに明け渡したりするものですか」
 バチバチと見えない火花が散る。
「こんな古いサクラ、切ってしまえばいいのよ」
「なんですって!」
 手を挙げかけた私をタイガーが止める。
「タイガー!」
 抗議に名を呼ぶとタイガーは肯く。
「ここは代々のユメ姫の部屋だ。君は先ほどこの方をユメ姫と呼んだ。語るに落ちたね。ユメ姫がこの部屋の主で私の正妃だ。いい加減、諦めてくれ。ユメ姫がいなくても君を選ぶことはない。そんな派手派手しい出で立ちの女性は好みじゃないでね」
「まぁ! アレクシス様。今までの事をなかったことになさるの?」
「今まで?」
 ぎと、っとタイガーを私は睨む。タイガーが手で制する。
「君とは今までもこれからも何もない。ちょうどいい。先ほどユメ姫が愛を告白してくれた。この代々伝わるユメ姫の指輪が入るかどうか、見ればいい」
 そう言って私の左手を取ると指輪を通す。ぴったり、だった。採寸も何もしていないのに。そしてそれは外すこともできなかった。焦る私にタイガーが言う。
「婚礼を挙げれば外れるよ。次のユメ姫の婚約指輪として伝えていくから。代わりに結婚指輪がはまるけれどね」
「アレクシス様!」
「なんだい?」
 そこで起こった事が一体何か理解できなかった。 振り向いたタイガーがくずおれる。何事かと思ってタイガーに手をかけるとぬるり、とした手触りがした。血。タイガーは恋に狂ったエリザベスに刺されたのだ。エリザベスはお人形のように無表情になっていた。まさか……。恐ろしい考えに行き着く。
「誰か! 医者を呼んで! タイガーが刺されたのよっ」
「アレクシス!」
 様子を見に来たお母様が倒れたタイガーとエリザベスを見る。後ろから着いてきた侍従が医師を呼びに走る。そして衛兵にエリザベスは捕らえられた。エリザベスは不気味な笑みを浮かべている。催眠術か何かで操作されている、私の嫌な考えがあたった。
「これでアレクシス様は私のもの」
「エリザベスを連れて行って。そして医者を早く呼んで!!」
 もう一度外へ叫ぶとお母様が見ているタイガーに近寄る。
「タイガー? 声がわかる? ロッテよ。あなたのロッテ。今、医者がくるから!!」
「ロッテ……か? 愛している。手遅れにならないうちに言っておいてよかった……」
「ちょっと……。言うだけ言って気を失わないでっ。タイガー! 目を開けて!」
 半泣きで声をかけ続ける。愛している、ってどうしていわなかったのかしら。後悔だけが頭に浮かぶ。
「お願いだから。愛しているのよ。どうしようもないほど……」
 それからすぐに医者が来てこのユメ姫の部屋で手術が行われることとなった。私とお母様は外でただ祈るしかなかった。


あとがき
夜食を食べたら眠気が消えてしまった。おこたも準備せねば。でも、暑くて冷房をかけている私って。カレーヌードルを食べてホットなのです。でもそろそろ自動に変えます。今日は非常にむなしい日でした。魚は結構共食いするようで。洗った水槽。グリーンテトラ10匹入れようかしら、とも思う。同じ種類ならそんなに全部が消えることもないし。しかし、床材の反省もあり、金銭的にも今は飼えない。明日、床材見てろ過機回しておこう。オジリアヌスでもいいし。でもトリートメント用の水槽がねぇ。あるにはあるんですが。キューブの小さいのが。ヒーターがないだけで。25センチと20センチがそれぞれある。これでトリートメントでもいいし。またろ過機がいるけれど。小さいやつ。見つけたので掃除して使える。亡き父のコンテナからろ過機とスポンジフィルターがでてきた。ラッキーとばかりに保管です。でもモデルチェンジしてるのよね。テトラAT-30。明日相談してこよう。もう。いい加減寝ないと。逆に目がさえてきた。やばし。今日、飛び飛びで12時間寝たんですよ。のでさっきは眠たかったのですが、通り越して目がぱちぱち。仕事あるのに。ここのところお休みしてしまっているので明日こそ。ということでとんでもないところで話はまた明日。ここまで読んでくださってありがとうございました。

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