コロナウィルスでユーザー爆増!2億人以上が利用する中国最強のコミュニケーションツール「DingTalk」の正体!

・DingTalkって何?DingTalkは何ができるのか?  

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新型コロナウイルス感染の拡大を受け、現在中国では2億人以上が在宅勤務し、5000万人の中小学生がオンラインで授業を受けていると報道されています。これは、中国が世界最大規模のリモートワークとリモート学習の市場になったと言っても過言ではないでしょう。

このような状況で急速に注目を集めているのは「DingTalk」というオールインワン・コミュニケーションツールです。新型コロナウィルスの流行以降、急速にダウンロード数が増加し、Apple社のAppStoreではテンセント社のWeChatを超えてランキング1位に躍り出ました。

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このDing Talk、実は11月11日の独身の日で有名な、中国最大のインターネット企業であるアリババグループが2015年にリリースしたコミュニケーションサービスです。ここ数年、中国では爆発的に普及し、既に1000万社の企業、2億人以上のユーザを抱えています。

アリババグループは、新型コロナウィルスの流行以降、急速に拡大する音声やビデオ会議による膨大なトラフィックに対応すべく、一週間のうちにアリババのクラウドサービスである、アリババクラウド上で10万台サーバを拡張しました。


DingTalkの機能は非常に豊富で、スマホにインストールすれば、ほとんどの業務がスマホで行うことができるといっても過言ではありません。

① コミュニケーション機能
チャット、音声・ビデオ会議、ライブ中継、ファイル共有、ドキュメント共有・共同編集
②OAシステム機能
タスク管理、スケジュール管理、勤怠管理(ハードウェアを含む)、ワークフロー管理、日報・月報
② 業務アプリマーケットプレイス
人事管理、財務管理、顧客管理といった業務アプリケーションはDingTalkからダウンロードが可能。最小規模の投資でOAシステムを導入可能。

④ハードデバイスとの連携
顔認証・指紋認証機器、ワイヤレスプロジェクター・ディスプレー、Wi-Fiルーターと連携可能(後述)。

・既存アプリとの違い

Lineやチャットワーク、Slackとの違いを一言でというと、DingTalk は企業や組織での利用を前提としたAll in Oneのコミュニケーションツールである点です。DingTalkには、一般的なチャット機能だけにとどまらず、企業の社内システムと連動する様々な機能が提供されています。
例えば、従業員が顔認証デバイスの前で少しだけ止まれば、出社・退社の打刻ができます。このデータがDingTalkの勤怠管理システムで集計され、給与が自動的に計算されます。
また、人事・財務・顧客管理などのビジネスアプリケーションがDingTalkマーケットプレイスから購入できます。DingTalkアプリはミニアプリ形式で提供されるため、新しい機能を使うために都度アプリをインストールせず、新しい機能を利用することができます。

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DingTalkはアリババグループ傘下のAlipayや芝麻信用と連携し、ユーザ同士の送金、または取引先の信用スコアを調べることができます。現在、中国全土では数十万人の開発者がDingTalk上で販売できるビジネス用アプリケーションを競い合って開発に取り組んでおり、DingTalkがますます成長していくでしょう。
このように、DingTalkはアリババグループのエコシステムリソースを最大限に活用し、巨大な中小企業向けサービス群を形成しています。

・中国でなぜ流行ったのか?


時は金なり。激しい競争にさらされている中小企業・スタートアップにとって、スピードは命です。DingTalkの豊富な機能と便利さによってこれらの企業の業務効率が格段に向上します。ユーザー登録も非常に簡単で、電話番号を入力して数秒で利用することが可能になります。

いつ・どこでも担当者を見つけられ、連絡したい人にダイレクトにメッセージを送信し、幹部社員の決裁もすべてモバイルなので、最速数秒で取ることができます。
余談ではありますが、DingTalkの中国語名は「釘釘」(ディンディン)といいます。相手が未読、既読でもアクションを起こしくれなかったといった場合、依頼者がDingTalkの関連機能を設定すれば、「早くやってください」とメッセージや音声で繰り返し催促されます。

また、オールインワンの一例として出張を挙げると、DingTalkの中のワークフローで出張申請を上程します。上司がDingTalkで承認後、ユーザはDingTalkの中で飛行機・宿泊の予約が可能になります。さらに、出張先に到着すれば、DingTalkから滴滴(配車アプリ)を呼び出し、タクシーを配車できます。目的地に到着後、乗車代金は会社間決裁で領収書をもらう必要もありません。すべてのプロセスにおいては完全なペーパーレスを実現し、紙による事後の経費精算が一切不要となります。

中国では現在創業ブームに沸いています。資金が限られる中小企業・スタートアップはDingTalk上で会社運営に必要な勤怠管理、人事給与、財務管理などのミニプログラムを追加すれば良く、過剰な機能が溢れるITシステムの導入する必要なく、支出を最小限に抑えることができます。

まとめると、針の様に張り付きコミュニケーションのスピードを加速し、中国特有の紙による煩雑な手続きを省略化、その上コストの削減ができるとあり、DingTalkは中国で急速にユーザーが拡大したのではないでしょうか?


・DingTalkを使うメリット


① 新型コロナウィルスが流行する状況では中国への出張を控えるべきだと言われています。日中間ビジネスを展開される方にとっては、DingTalk で無償な音声・電話会議を行うことができ、在宅勤務やモバイルワークに最適なチャットツールと言えるでしょう。

② DingTalkの自動翻訳が9カ国語に対応しており、外国の方とのスムーズなコミュニケーションを実現できます。

③ ビジネスの効率が格段に向上します。クラウドにアップロード済みのファイルを長押し、することで、PCを使わずに特定の相手に転送できます。また、電子名刺(QRコード)が自動生成され、DingTalkユーザーと瞬時で交換できます。複数の人がいる場合、全員が4桁の数字を入力すれば、その場にいる人の電子名刺を一瞬取得できます。

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