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介護現場でマニュアルが必要不可欠な理由

こんにちはアルゴです。
メインブログ【スローライフの歩き方】
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「マニュアルがあるから、決められた動きしかできねぇんだ!」
「マニュアルなんて必要ない。体で覚えろ!」
「俺についてこい!」

こんな体育会系の精神論が介護業界でもよく聴かれます。
マニュアル廃止論とマニュアル保守派の戦いは何千年先まで続くのでしょうか?

結論、マニュアルはぜったいに必要です。今回の記事では介護現場においてマニュアルが必要不可欠な理由についてお話します。

アルゴ

マニュアルがないデメリットの事例

わたしの今つとめている施設は新規オープニングの特別養護老人ホームです。数ヶ月前までしっかりとしたマニュアルが存在しませんでした。

新人教育にプリセプター制度を儲けていない当施設では、かわるがわる職員が新人職員Aさんを指導していました。
しかしAさんからは、「教えてくれる職員によって、介助の方法がぜんぜんちがって困っている」と管理職のわたしに訴えがあったのです。

職員が単独で動くことのあるユニット型施設では、きちんとしたマニュアルがないとバラバラの動きをしがちです。そしてそれは、職員のケア方法にバラつきがあるだけでなく、実際にケアを受けるお年寄りも、それを教わる新人職員も混乱します。

きちっとしたマニュアルがあれば、
「ほら、このマニュアルに書いてあるよ」と誰もが主張することができます。

マニュアルのメリット① ケアプラン

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「ケアプランなんてただの書類だろ?実際誰も見てないよ(笑」

こんな声が聴こえてきそうで、実際、施設ケアマネジャーがお飾りにすぎなくなっている現実がありました。

でもそれは使わない側の勝手な理由であって、使いこなせていない言い訳なのです。

ケアプランは言ってみれば、ケアのマニュアルのひとつで、ご利用者●●様にはこのようなケアを約束しますよ・・・という誓約書でもあります。

ケアプランを現場に浸透させてケアの統一をはかることで、ご利用者、職員、ご家族それぞれに大きなメリットがもたらされます。
(ケアプランの浸透させ方については、今後の記事にて書きます)

ケアプランがしっかり浸透しないと、職員がバラバラの動きをします。そしてそのすれ違いは、ご利用者が被害を被るだけでなく、
「私はしっかりとこういうケアをしているのだから、あんたもやりなさいよ!」と自己流のケアを押し付ける職員もでてきます。

マニュアルのメリット② ケアの手順書

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ケアプランはご利用者に個別のケアを約束するものであり、ケアプランがないとサービスが無効になります。活用できているできていないに関わらず、ケアプランは介護保険サービスを受けるにあたり必ず作成されているはずです。

しかしケアの手順書は違います。
呼び方はケアマニュアルでも、介護手順書でも何でもいいですが、ケアプランと違ってなくても罰せられることはありません。

ところが手順書がないと、その施設の基本的なケア方法が統一されず、やはり職員がバラバラの動きをしてしまいます。新人職員が来た時に、自分なりの教え方になってしまったり、
「俺の背中を見て学べ!」
というようなオラオラ系の職員も現れます。

個人的な意見をいえば、ケアの統一がとれていない施設というのは、見ていてすごい気持ちが悪いです。
先の新人Aさんのケースもあり、新規オープニング施設はこの手順書をきっちりと作成してケア方法の統一をはかることが大切です。

応用というのは基本あってこそのもの


「マニュアルがあると、マニュアル通りの動きしかできなくなるんだよ!」
かつての私の上司が言っていました。

たしかにマニュアル通りの動きしかできなくなるのは問題です。
急な欠員が出たり、ご利用者の体調不良や事故などイレギュラーがあったときには、臨機応変さ、応用が求められます。

しかし応用という言葉じたい、徹底的に基本をきっちりマスターしてのものです。


そしてその基本のケアは、その施設で理念や環境にもとづいて、きっちり決めていなかければなりません。

ケアプラン、ケア手順書、新人教育マニュアルなど・・・行うべきことを徹底することで、後が非常にラクになります。
逆にマニュアルを作るという手間をはぶくと、あとあと余計に面倒なことになります。

委員会などで発信して、ケアの統一をはかっていきましょう。

サポートですか・・・。人にお願いするまえに、自分が常に努力しなくては。