母親不在の人生を生きて来た

生後間もなく母親を失ったらしい私は今日まで、母親の顔も知らず(だがいつか、小学生か中学生の頃だったか、父親の引き出しから母親が父親と一緒に写っている写真を見たことがある。母親の名前もその写真に記してあった)
決して美人ではなかったが、意思の強そうな顔をしていた。
お前の母ちゃんはノイローゼだったんだ、お前が生まれて2週間ぐらいで死んだんだ、そんな風に小学生の頃に父親に聞かされた憶えがある。
それから数十年経った今でも、母親の情報はただそれだけで、私は父親に母親のことを何も聞いていないし、父親からも話してはこない。
私はこのまま、私をこの世に産み落とした母親のことを何も知らないまま、死んでいくのだろうか?
私はそれが堪らなく寂しい。
母親の愛情を知らず、男子として途方もないハンデを背負いながら、今日この日まで生きて来た。
どんな人生でも母親がいる人生が欲しかった。
どんな人生でも母親がいる人生は素晴らしい。
いつも母親に助けて欲しかった。
今も母親に助けて欲しいと願っている。
私はいつまでこうして根なし草の気分で生きていかなければならないのだろうか?
耐えられないよ。





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