映画をみて幸福を考えた①
『PERFECT DAYS』
日本アカデミー賞 最優秀作品賞ノミネート
アカデミー賞 国際長編映画賞ノミネート
もし、この作品がバブル時代に上映されていたら、負け組の作品として話題にもならなかったであろう。
『PERFECT DAYS』が受賞こそ逃したが、
ノミネートされたことに幸福の価値観の変化と多様性を認める下地が整ってきたと感じられる。
それは地位財(モノ・金・地位)を指標にした
物質的豊かさが勝ち組で幸福につながるという
価値観から解放されてきたことを意味する。
そして物質的豊かさはではなく、
内面的豊かさを大切にする。
主人公 平山のような生き方でも幸福だと。
そもそも物質的豊かさも多様化し、
高級車に乗ることや、
高級な家に住むことが豊かではなく、
他者がどう思うか、
他者にどう思われるかではなく、
自分がどう思うか、
自分がどうしたいかが、
物質的豊かさを感じるには、
大切になってくる。
おそらく平山自身は
好きな本と音楽と一杯のお酒、
質素な生活の中でも、
物質的豊かさも感じていたと思う。
ここで大切なことは
今までモデルとされていた
資本主義的物質的豊かの追求が
幸福のすべてでないことを意味する。
そして、内面的豊かさを追求するのであれば、
他者や「世間の価値観」と比較するのではなく、
自分にとっての豊かさを考えることが
必要になってくる。
つまり「問い、考える」こと。
自分にとっての豊かさとは?
自分の大切な想いは?
これからは地位財や「世間の幸福モデル」に頼るのではなく、「自分の幸福」を自分で考えることが大切になってくる。
ぜひ息子たちにも、地位財に惑わされず、
物質的豊かさを追求するのではなく、
自分の内面的豊かさを考える習慣を
身につけて欲しいものだ。