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映画「Midsommar(ミッドサマー)」が狂い過ぎててお腹痛い

昨日、Amazonで「ミッドサマー」を500円でレンタルした。半年前くらいにちょっと話題になってたように思うがようやく鑑賞。

妹と両親を一度に亡くすという壮絶な経験をして絶望の淵に突き落とされた女の子がスウェーデンのカルト集団による夏至祭に参加して頭が狂っちゃう話である。

本当に救いようのない話で、ちょっとトラウマになりながら書いている。

私はホラーがダメだけど、まあ幽霊系じゃなかったら行けるかぁなんて思ってみたんだが、やっぱりダメだった。結局一番怖いのは幽霊なんかより狂った人間の狂気だった。

とりあえず鑑賞直後の素直な感想は「最悪な終わり方だ・・・」だった。

正直、中盤まではあの奇怪な村からの脱出劇なのかなと思っていたし、そういう展開を期待していた。宗教にのめりこまず、ちゃんと現実世界を受け止めて生きていく、そういう選択を主人公にはして欲しかった。あの村を出るために死に物狂いで頑張って欲しかった。ついでにペレにも「ふざけんな!私はそんな弱い人間じゃねーぞ!!」と一発ぶちかまして欲しかった。(ペレは一番サイコキャラだった!)そうしたら後味スッキリな映画になっていたはずだし今こうしてズーンと沈んでなくて済んだはずだった。

しかし実際は、主人公は村人に導かれるがまま、飲んで、踊って、ラリッて、自我を失って、共同体の一部になってしまった。明らかに危なそうな飲み物や食べ物を一切拒まないのが不思議でならなかった。しかも大真面目に「あれは陰毛か?」って、食い物に陰毛入ってたらブチ切れるわ!なんで!?

主人公は結局、人の死に対してすら何の感情もわかないくらいに頭がおかしくなってしまった。彼女の心は完全に壊れてしまったのだった。それで最後にあの不敵な笑みを浮かべるのだ。あれはもう狂った(というか洗脳された)人間が善も悪も判断がつかなくなった最悪の状態だ。後味わるっ!

とはいえ、主人公が最初に味わった地獄というのは想像を絶するものであるし、そういう経験をした場合は狂ってしか生きていけないんだよなぁとも思う。

たしかに宗教は人を救うために存在するものだが、一方で、人が宗教にのめりこんだ時に、自殺や、生贄や、生きてる人間を焼くこと、そういう尋常じゃない行為ですらも、宗教を理由に為せてしまうのは本当だと思うから観ていて余計に恐ろしさを感じるのだろう。実際に、宗教がらみでの人殺しってのは世界中至る所で起きている。というか戦争もそうか。

映画の内容だからどこまでリアルであれに近いことが行われているのか分からないけれど。たとえば裸体の女性が男女の性行為を見ながら一緒に喘ぐとか、な、なんじゃありゃーーーー!!!!めちゃくちゃ前衛的な劇団の地下公演???でも信教の自由があるからってことで、それが変だとか普通じゃないって言うのもポリコレ的にダメ?とか思ったり。

あとクリスチャンがスッポンポンで、大事な部分を片手で隠しながら村を走り回るの、観ていてとてもいたたまれない気持ちになってしまった。銭湯から出たら着替えが盗まれてる的なドッキリかこれ?(しかも後で気づいたがこの俳優さん「シングストリート」ですごくイケメンな兄貴を演じていた俳優さんだったからなんか無駄にショックだ・・・。)

ああ、なんか変なもの観てしまったなぁ。

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