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この春、一番読みたくない本のご紹介

なぜ、読みたいと思うか。

あなたの、本を買う時の決め手は何ですか。


私の決め手は、

好きな作家の新作だから/装丁に惹かれたから/悩みを解決してくれそうだから/興味があるテーマだから/タイトルが気になるから/話題になってるから

などである。特に本屋をブラブラしながら目を惹かれた本を買うことが多いので、装丁、タイトルというのは内容と同じくらいとても大切だと思っている。

本屋をブラブラしていると、「なんかキレイ!読んでみたい!」と心ときめく本に出合えることが往々にしてあるように、「うわっ!絶対読みたくねぇ!金と時間の無駄だ!」とアレルギー反応を起こす本に出くわすことも往々にしてあるのもまた事実である。

そして、この春、出会ってしまった。「絶対に読んでたまるか。」と決意せざるを得ない本に。本棚に並べたくない。本棚に並べて友人や将来の恋人に見られたら一生の恥ーーー。


その本は、話題書コーナーに同等と陳列されていた。

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「選ばれる女におなりなさい」

ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ著


なぜ、読みたくないと思うか。

①タイトルが気に入らない。

最初に見るのはもちろんタイトルだが、「選ばれる女になりなさい」だと?なんだ、この時代錯誤なタイトル。今の時代「選ぶ女になりなさい」くらいがちょうどいい。それが、ええっ?女は選ばれるまで指くわえて待ってろと?自ら選んじゃいけないと?しかもよく見たら「なりなさい」ではなく「おなりなさい」だ。敬語も過剰すぎると上から目線で厭味ったらしいのだ。

②デヴィ夫人が嫌い

デヴィ夫人って何した人なの!?なんでテレビ出てるの!?なんで金持ちなの!?よく知らないけどなんか嫌いだなぁ~!!というのが夫人に対する感情である。私の嫌いな芸能人1位がダントツで泉ピン子、2位が和田アキ子であるが、おそらく6位くらいにはランクインするレベルの嫌いさだ。なぜそこまで嫌いかというと、以前夫人が素人の青年と絡んでいた時に、青年の顔に出来たたくさんのニキビをみて「あ~た、その顔!ちゃんと洗ってるのぉ~?」と言い放っていたからである。長年ニキビに悩んでいる身としては他人事とは思えないくらいひどい嫌悪感を抱いたし、ニキビができる原因を、顔をしっかり洗っていないことと決めつけているその短絡的な思考に唖然とした。また、イッテQで河北麻友子に向かって言い放った「貧乳!」や「栄養失調の足ねあ~た。」といった発言もその年で言うかね?と違和感を感じずにはいられない発言だった。この辺はバラエティだから仕方ないのかもしれないが。

③よく見ると婚活本

タイトルに気をひかれて気付かなかったが、よく見ると「デヴィ夫人の婚活論」とある。婚活本の類は見るだけで焦燥感とイライラに襲われるので誰が書いていようが拒否である。婚活本なんて巷にあふれているのに、夫人にかかせりゃ売れるだろ・・・みたいな出版社の魂胆も嫌いである。

⑤表紙が美人

表紙が全盛期の夫人の顔である。美人である。美人が書く婚活本ほど役に立たないものはない。

⑥カバーの内側に「日本の女性よ、結婚いたしましょう」の文字

ちょこっとめくって見てみると、「日本の女性よ、結婚いたしましょう」と書いてある。タイトルからも想像がつくが、おそらく夫人は、女は結婚してナンボというような価値観を持っている人だ。ひと昔前の「女は早く結婚して子供産んで家に入って夫を支えろ」的な価値観が染みついてしまっているのだろう。その価値観を押し付けられるために金と時間を費やしたくない。


ここまで、本に対する嫌悪感を散々ぶちまけてきてすっかり忘れていたが、私はまだこの本を読んでいない。


そして皮肉なことに、読んでたまるか、読んでたまるか、と思えば思うほど、読んでもっとディスってやりたいというものすごく腹黒い欲望が沸き上がってきてしまったのである。


読みたくない本を、買う。

決めた、読みたくない本を読んでみよう、と。

私はしばしの逡巡の後、その本を手にとり、

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レジへ向かった。

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タイトルは書かれておらず「趣味実用」となってしまったが、ちゃんと定価1250円+税を払った証拠である。
図書館で借りて、それでディスりまくるなんてそんな卑怯なマネはしたくない。

だからデヴィ夫人よ、許してくれ。

中身によっては、私は今以上に本気でディスりにいく。

庶民から貴族への下克上だ!


今、この本を目の前にして感じているのは、「素直に読むのめんどくせぇ」ということと、「私の1500円・・・・」という少しの後悔である。

つづく。

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