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「ふつう」と「ふつうじゃない」ものの境界を考える


 深澤直人氏の書籍「ふつう」の中に無印良品のカトラリーの話がある。なんと、ALESSIなどのデザインを手掛けているデザイナーの、ジャスパーモリソン氏が無印のカトラリーをデザインしたというのだ。

 ここの深澤氏の表現が気に入った。「このカトラリーを手に取ってみてほしい。本当によく出来ている。重さ、厚さ、丸さ。優しく繊細なテクスチャー。かわいいバターナイフ、カレーがおいしそうなスプーン、コーヒーにあうティースプーン、先の丸いナイフ。もうこれ以上のデザインが存在し得ないのではないかとさえ思えてくる。みんな幸せの形をしている。」

 デザインの本質が垣間見える言葉だ。一見普通に見えるのに、妙にいいなあと思える物。無意識に毎日手に取ってしまうものがある。素晴らしいデザイナーのほうがかえって普通をつきつめて普通じゃない物に昇華させているという皮肉。

 「幸せの形」の追求が鍵かもしれない。


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