資金調達~より良い条件へステップアップ~ その3
金融機関になるべく良い条件で借り入れするためには、
「借りてほしいな」
「ここなら貸しても安心だな」
「今後、成長して更に資金が必要になるだろうな」
と金融機関に思って頂ける会社経営をすることだと思います。
会社を車にたとえるなら、現金は燃料だ
金融機関は経営者にとっては伴奏者というパートナーだと、私は認識しています。
青臭いかもしれませんが、お互いの利益のためであるがゆえに、必要以上にベタベタになることはありません。お互いに厳しい態度で臨むこともあるでしょう。
会社を車にたとえるなら、現金は燃料だと思います。
走っていれば、燃料は消費され、次第に減っていきます。走行距離が増えたり、速度を上げれば、消費量は増えます。放っておけばガス欠で走れなくなります。だから燃料の補給は必須です。金融機関はガソリンスタンドのようなものです。
会社の成長は、車で遠出するようなもので、目的地の経路上にスタンドがあれば安心です。
月次決算はメーター
このシリーズのその2で月次決算について取り上げました。
https://note.com/alchemy_mu/n/nd452d751124e
月次決算の状況が分からず経営をするというのは、燃料計やスピードメーターをはじめ各種計器類を見ずに、車を運転しているようなものです。
燃料が漏れているのに気が付かないのは恐ろしいことだと思いませんか。
月次決算=定期点検と問題個所の整備
問題があっても早めに手を打てるのです。金融機関も安心ですよね。
まあ、たとえ話はこれぐらいとします。どこかで矛盾が起きますし、そもそも脱化石燃料と言われている時代にガソリンをたとえに出すのは時代錯誤かもしれません(笑)
みなまで言わなくても、相手は汲み取り、提案がくる
月次決算は自社のチェックをする意味もありますが、金融機関へのアピールの意味も大いにあります。
2か月前に比べて、先月の現預金と借入金の残高が急に増えている、という事実を金融機関の担当者が見たらどう思うでしょう?
一概には言えませんが、ウチでも借りてほしいと思うでしょう。
その結果、融資の提案を先方から頂けたらしめたものです!
念のため、大切なことを押さえておきますと、月次決算は毎月作るだけではなく、毎月、金融機関に提出することが重要です!
1か月の変化が相手に伝わなければ、月次決算の意味がないのです。
融資条件のテーマを決めて交渉に臨む
資金に困っていない状況であれば、条件の交渉はしやすくなります。
金利を惜しんで、借り入れを断るのはとてももったいないことです。今はまだ低金利です。
A信金は前回は保証協会付きだったけど、今回はプロパーで融資してくれた。B銀行もプロパーでお願いできませんか?
B銀行さんは金利〇%でした。A信金さん、何とかなりませんか?
全ての条件を受け入れてもらうのは難しくても、順を追っていけば、先方も納得いただけると思います。
また借りて、返す、という実績を更に積んでいくことで、ますます信用が高まります。
気付いて頂けたと思いますが、取引する金融機関がひとつだけでは、競争させられないため、交渉は上手くいきません。複数の金融機関と取引することは必須です。
たまに金融機関の方から飛び込み営業で来られるときがあります。こういうときは無下に追い返しては絶対にダメです。決算書を所望されたら、喜んで差し出しましょう。きっと、よい提案を頂けることでしょう。
みなさんも新規営業するときは、相手方にとって得だと思える提案をするはずです。金融機関も基本的に同じです。
金融機関と一般企業の大きな違いは、売り物(金融サービス)はどこでもほぼ同じだということです。それを買ってもらうのはなかなか大変ですよね。
まとめ
金融機関からの資金調達ということをテーマにお話しをしてきました。
交渉を上手く進めるためには、まず、自社の経理の状況を整えることです。
その具体策が月次決算書の作成と提出です。
どんなに小さな会社でもできることです。
経営者自身が経営状況を理解することを促進し、金融機関からの信用を高めることのできる一石二鳥の方策です。
ただし、気まぐれで提出したり、しなかったりみたいなことをやっているといい加減なヤツだと思われ、かえって信用を失う可能性もあります。
やるならきちんと継続しましょう。
一度おためしあれ!
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