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資金調達~より良い条件へステップアップ~ その2

金融機関になるべく良い条件で借り入れするためにはどうしたらよいでしょうか?
私の経験談によるものですが、借入で苦労されている経営者の方のお役に立てればと思って共有させて頂いております。
今回はその2です。
その1を読まれていない方はこちらからお読みください!


オラオラと横柄な態度で威嚇する?

絶対にダメです(笑)
コワモテで強く言えば、気の弱い相手なら言うことを聞かせられると思っている経営者もいるようですが逆効果です。相手にされなくなります。当然です。
変に下手に出るもの考えものですが、相手は生身の人間です。少々嫌な思いをしてでも取引したいと思われる会社であればよいのですが、謙虚な姿勢が大切です。

借入せずに経営していることを得意げに話す?

自社は無借金経営で、一度も借りずに経営してきたことを得意げに、金融機関相手に話したらどう思われるでしょうか?
「すごいですね」
と口では言ってもらえるかもしれません。
でも金融機関からすると、
「返済した実績のない会社」
と見なされるでしょう。

返済するから信用が生まれる

私も昔は勘違いしていましたが、借入しないことは信用に繋がらないのです。
借入することは金融機関と取引をしていることと同義です。
振込をしたり、各種サービスを使うことも取引ではあるのですが、借入とは別次元だと思います。
返済期日をきちっと守り続けることで信用が生まれます。
この会社、この社長なら大丈夫だと。
闇金ウシジマくんのような非合法は金貸しでも、理屈は一緒です。
初めての相手には少額しか貸さない。嘘をつく人間には一銭も貸さないのです。

契約を履行し、実績をつくろう

借入の条件を最初に決めます。
借入金額、期間、金利、用途、毎月の返済金額。
これは金融機関との約束です。
経営状況によってはこれが守れないこともあるかもしれませんが、約束を守ろうと頑張ることは自分の信用を守るうえで大切なことです。
やっていけないのは、事業とは違う目的でお金を使ってしまったり、個人の口座に移してしまったり、こういうのは論外です。
あとは繰り上げ返済ですね。一概に悪いとは言えないのですが、これも最初の約束を変えることになります。
借りている側の意識としては、早く返してしまいたい、借金があるのは怖い、と考えるのは理解できます。
しかし金融機関側からすると、繰り上げ返済されてしまうと、貸し倒れのリスクはなくなりますが、一方で金利という売上に相当するものが消えてしまうわけです。当初、見込んでいた売上がなくなってしまうのです。
自分が金融機関ならガッカリしますよね?
闇金ウシジマくんも全額返済を終えた客には
「何かあったらすぐ貸すよ」
と言い、利息しか払えない客には
「追加融資しろだ?一回でも完済してからモノ言えよ」
と厳しく対応しています。
個人間でお金の貸し借りをすると、貸した側としては
「早く返せ」
という気持ちになるものですが、企業活動としてお金を貸している場合は、通常は
「契約通り払ってね。早く返されてもうれしくないよ」
というのが本音だと思います。

信用を得るためにやっていること

金融機関の信用を得るためには、私がやっていることがあります。
これは本当に意味があるのかどうかは正直分かりません。
ただ金融機関と協力関係を構築していくためには有用な手段だと思います。
それは
「月次決算を提出する」
これです。
決算書だけで自動計算されて、融資の判定がされるという話も耳にしますが、私はそうではないと思っています。
決算書の内容が重視されるのは間違いないと思いますが、それであれば、銀行に営業マンは必要ないはずです。彼らは新たな融資先・取引先を探しています。
私は毎月、取引中の金融機関や今後取引の可能性がある金融機関には、毎月月次決算(損益計算書・残高試算表)を提出しています。
そうした数値だけでなく、自己分析や今後の予想・取り組みをレポートとして、直接、金融機関の担当者と面談してお渡ししています。

毎月決算を提出することによる効能

どのように受け止められているかは分かりませんが、会社の状況と社長の考えを定期的にお伝えすることで定性的な信用を得られるのではないかと思います。
金融機関の立場に立った場合、毎月決算を提出することでどう見られるでしょうか?
申し訳ないですが、これは私の推測であり、希望でもあります。金融機関の方からすると、もしかしたら的外れなこともあるかもしれませんので、そのあたりは少し割り引いて捉えて頂ければと思います。

  • 経理のシステムがそれなりにしっかりしている

  • 経営者が会社の財務状況を把握している

  • 粉飾の可能性が低い(帳簿操作する時間がない)

  • 資金の用途が見えやすい

  • 融資の提案がしやすい

  • 金融機関同士、相互に借り入れ状況が分かる

私は融資を受ける、受けないに関わらず、月次決算を提出しています。
もちろん、どこかのタイミングで融資を受ける可能性がある前提です。いわば融資アイドリング状態です。
こんなことを続けているせいなのか、金融機関側から毎月なにかしら融資のご提案を頂けています。こちらがGOを出せば、すぐに進む状態です。

融資してほしいときだけいい顔しても渋られる

お金を貸してほしいときって、ピンチの時が多いと思います。
金融機関に相談に行くと、おそらく決算書と直近の試算表を求められるのではないかと思います。
金融機関の担当の方に聞いた話では、こういう経営者に限って、試算表が出されるまでにえらく時間がかかるとのこと。
それで業績が悪かったりしたら、ますます融資までに時間がかかったり、最悪お断りということもあり得ます。

いかがだったでしょうか?
金融機関からの信用を得るためには、
・まず借りる
・約束通り返済する
・月次決算を毎月提出する
この3つが大切です。

それでは、また次回につづく





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