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「たゆたえども沈まず(原田マハ・著)」& 幻となった「ゴッホ展」

兵庫県立美術館で、開催していた「ゴッホ展」。
鑑賞するために、読んでいた本があります。

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たゆたえども沈まず(原田マハ・著)

大好きな、原田マハさんの作品「たゆたえども沈まず」。
ゴッホの壮絶な人生を描いた、アート小説です。

まだ、売れない画家であったフィンセント・ファン・ゴッホのパリ時代。
弟の画商・テオドルスと、パリで浮世絵などを扱う日本(東洋)美術商として活躍していた林忠正(はやし ただまさ)

同時代に、同じ場所・パリに実在した、この3人。
交流があったという文献は、まだ無いそうですが、
「交流があったかもしれない」という着眼点で、彼らを結びつけるように、
原田マハさんが生み出した架空の人物・加納重吉(かのう じゅうきち)
林忠正の助手として、この3人を繋ぎ、紡ぎ出す壮大な物語です。

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「 読者から、どこまでがフィクションで、どこからがノンフィクション
  なんですか、と聞かれるんですが、最初から、それを狙っていたんです。
  あくまでもシームレスにするのが、とても重要で、
  盛り上がっていって、最後にカタルシスもあって欲しいんです。 」

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昨冬、テレビの対談で語られていた、原田マハさんの印象的だった言葉です。

現実と、虚構の世界の境目を、曖昧にすることで、私達、読者の興味、好奇心を、掻き立てる。

まさに、マハさんの、この言葉のごとく、
フィンセント、テオドルス、林忠正、そして加納重吉
この4人が、あの時代、パリの空の下で、共に、息づいていたのでは、と
感じずにはいられないのです。

この「ゴッホ展」に先立ち、原田マハさんの記念講演(2月)も、聴きに行きました。

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原田マハさん・特別講演

初めての、生・マハさんにも、かなり興奮!

そして、いざ!「ゴッホ展」へ!!
と、思っていたら、残念ながら、美術館が臨時休館となってしまいました。

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幻となった「ゴッホ展」のチケット

仕方がありません。
また、ゴッホの作品が来日する、次の機会を楽しみにして、待つのみです。

そして、今こそ、「たゆたえども沈まず」。
そんな気持ちで、日々、過ごしたいです。

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