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ナポリ湾の朝焼け 諺「ナポリを見てから死ね」

<イタリア旅行記(2019年夏・南イタリア横断)no.74>

2020年、イタリア旅行記のスタートは、ナポリの朝焼けから。

私は、この景色が、また見たくて、この宿泊場所(B&B)を再訪しました。

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ナポリ湾の朝焼け (Alba a Napoli)

皆さま、ナポリに、どんな印象がありますか?

治安が悪い、ごちゃごちゃしている、なんか怖い…等々。
訪れた事のある方は、実際に肌で感じた事、そうでない方は、テレビや本などから感じた印象。

今回で、三度目のナポリですが、私も初めて訪れた時は、やはり恐々。
ドキドキしながら、街歩きをした覚えがあります。
でも、二度目、三度目と訪れるたびに、ナポリの魅力に、ハマっていくんです。
まるで、クラシック音楽のように… ♪。

ナポリの常宿としているB&Bとの出会いは、二度目の訪問の2012年の夏。
この景色と、そして、ここのオーナーさんの言葉が、印象的で忘れられなかったんです。

「 ナポリを見てから死ね 
        ~ Vedi a Napoli e mori ~ 」


まさに、この諺の通り、この朝焼けを見た時、そう感じました。

それまでは、ナポリの喧騒に慣れず、緊張しながら、街歩きをしていました。
美術館や博物館、素晴らしい教会、美味しいナポリ料理…。
見るべきもの、学ぶべきものが、山のようにあるのに、緊張感が解けず、
疲労感が募っていました。
その時に見たのが、この朝焼けでした。

奥に、薄っすらと見えるヴェスヴィオ山の裾野。
そして、朝日に照らされて、黄金に輝くナポリ湾。

早朝の静けさ、清々しさ、神々しさ…。
本当に、素晴らしい。
すっと、私自身が、ナポリに溶け込んでいった不思議な感覚になりました。

その事を、オーナーさんにお伝えし、
「やっぱり、諺通り、死ぬまでに、ナポリを見なくちゃですね、素晴らしいです」とお話をしたら、
「そうでしょう。でも、我々ナポリ人が使う諺はちょっと違うんだよ」と、オーナーさん。

「 ナポリを見たら、さらに強く生きられる 
     ~ Vedi a Napoli e vive di piu` ~ 」


代わりに教えてくれた “ ナポリ風諺 ” です。

ナポリは、古代ギリシャ人の植民地として作られた街、と言われています。
古代ローマ時代から、ローマ帝国の支配下にあり、肥沃な土地ゆえに、帝国の食材の地として使われてました。
西ローマ帝国滅亡後は、様々な民族の支配下、属州となり、流動的な立場を強いられて、時代に翻弄された地域のひとつでもあるナポリ。
混沌とした時代を、マフィアが力を持った時代もありました。

それでも、ナポリ人としての気概を忘れることなく、前を見て進んできた血筋が脈々と流れているナポレターノ(ナポリ人)だからこその言葉だと感じました。

「だから、気持ちが弱った時こそ、ナポリを訪れると良いんだよ」っと。

とても印象的だったオーナーさんの言葉。
あの時から、ナポリに対する私の印象も変わりました。
街を歩いていても、そこまで緊張しなくなって…。
不思議です。

多くの旅をしてきても、こういう貴重な体験って、なかなか無いものです。
さあ、三度目の訪問のナポリ。
楽しみましょう!

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