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紛争と子ども |はんちゃん

こんにちは、はんちゃんです!
国際協力メディアのページを訪れてくださり、ありがとうございます!

 いきなりですが、
25万人』もの子どもたちがあることに駆り出されています。
何だと思いますか?

 正解は兵士です。
25万人の子どもたちが今、どこかで兵士として戦わされています。
遊ぶことも学ぶことも許されない彼らの存在をみなさんは知っていたでしょうか?


 私たちには関係ないんじゃない?と思われるかもしれません。
しかし、背景を見ていくと無関係とはいえない状況が見えてきます。。。

 今回は紛争と子どもについて、子ども兵の存在とともに現在のウクライナ侵攻も絡めて書いていきます。


子どもが兵士に?

いやいや子どもが兵士って、そんなの現実にあり得るの?
そう思う人も多いでしょう。

 しかし、現実に子ども兵士は存在します。
赤十字国際委員会が出す定義がこちらです。

子ども兵士とは、自らの意思によって、または、強要されて軍や武装グループの一員となり戦闘に参加する子どもたちを指します。

子ども兵には、銃を持って戦わされる子や自爆をさせられる子がいます。
その他にも地雷が無いかのチェック要員として使われる子もいます。
国際法により、その保護を規定されている子どもたちが護られていないのです。

大人からの一方的な搾取により、子ども兵として徴用された子どもたちの多くがPTSD(Post Traumatic Stress Disorder:心的外傷後ストレス障害)を発症しているという研究結果も出ています。戦場に駆り出され、死を目の当たりにした子どもたちの心に深い傷を負わせているのです。

子ども兵の事例と背景

ここで、具体的な子ども兵の事例を2つ見ていきたいと思います。

ウガンダ
1962年にイギリスから独立したウガンダでは、度重なるクーデターで国内は不安定でした。

 そんな情勢の中で、1987年頃からジョセフ・コニー率いる神の抵抗軍(Lord’s Resistance Army/以下LRA)の反政府活動が始まります。LRAでは
非協力的な一般市民への残虐行為により恐怖支配を広げていきました。
そして、LRAの戦力面で子どもたちが徴用されました。主に誘拐してきた子どもたちを兵士にしていました。

 まるで道具のように子どもたちを扱い、恐怖による反政府活動を展開していました。(現在では勢力は大幅に減少し、南スーダンなどに拠点を移してています。)

kodomo 小型

引用:認定NPO法人テラ・ルネッサンス

コンゴ共和国
次に、コンゴ共和国の例も挙げたいと思います。
1950年代後半に独立したコンゴですが、民族・階層間での争いが絶えませんでした。現在でも対立は続いており、約130にも及ぶ武装勢力が並立しているそうです。

 その武装勢力らの財源となっているのが地下資源、つまりレアメタルです。このレアメタルが現代の私たちの生活に欠かせないものです。
コンゴでは主にタンタルというレアメタルが発掘されており、当レアメタルは、スマホやノートPCといった電子機器全般に用いられています。
 コンゴで採取されたレアメタルは法的に「紛争鉱物」であり、取引をしてはいけないとしています。しかし、レアメタル需要が大きく、法律が守られていないのが現実です。

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コンゴの武装勢力は、地下資源の産出地域を武力支配し、不法の採取と密輸により利益を上げているとされています。危険な採取作業に子どもが従事させられたり、武装勢力の戦力として使われる子どもたちがいます。

 武装勢力から逃げられたとしても貧困ゆえに戻ってきてしまう子どもたちもいるそうです。国内の貧困問題を解決するためにも、コンゴの職業基盤を築き、政治・経済面の安定を図ることが重要です。

 レアメタルを利用をする私たちは、レアメタルのリサイクルなどを行い、武装勢力の資金源として利用させない取り組みが必要だと思います。

子ども兵が動員される背景としては、子どもは洗脳しやすく、後の成人兵士としての予備戦力となりうるからだとされています。また小型兵器の増加により安易に武器を利用できるようになったことも要因だとされています。

実際に、LRAでは「これは聖戦である。」と洗脳し、戦わせていました。
子ども兵としての徴用は、社会的弱者である子どもたちの権利・尊厳を踏みにじり、その未来を奪う行為です。国際社会として許してはいけない問題であると思います。政府とNGOが連携して、子どもたちへの支援を拡大していくことが重要です。

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紛争下の子どもたちの生活

日々大人たちが起こす紛争の下で怯えながら生活しています。
上述のように兵士として駆り出される子どもの他にも、多くの子どもたちが満足に教育も受けることができません。

 紛争が起これば、まちは荒廃し避難民が多くなります。安全面から学校へも行けなくなり、学校生活は打ち切られ、学校に行く機会を奪われます。
 次に、現在進行形で起こっている紛争下での教育問題の事例を紹介したいと思います。


現在のウクライナでは。。。

そして現在、ウクライナの子どもたちは紛争下にさらされており、教育を受ける機会が奪われている子もいます。

 しかし、ロシアによる侵攻を受ける中でゾーヤ・リトヴィン氏はパンデミック下で進められたオンライン教育をウクライナ国内で続けています。
彼女が指導するオンライン教育では僻地の子どもたちにも教育を届けることのできるものでした。彼女は、「まさか紛争下で使われることになるとは」と落胆している様子でした。

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 けれども、彼女の行動はオンライン教育による可能性を示しているのではないかと考えます。インターネットさえ利用することができれば、オンラインによる高い水準の教育を提供できるのではないでしょうか。紛争下でも子ども達の教育を守る手段としてオンライン教育は有効であると考えます。(紛争下でも教育を届けるために行動を続けているゾーヤ・リトヴィン氏に敬意を表します。)

最後に

私も含め、みなさんも使っているスマホの中のレアメタルは、その裏で子どもたちが犠牲になっています。子どもたちの悲劇を止めるためにも、国際協力団体への寄付など自分にできることは何か考えてみませんか。

(↓参考文献のところに紛争地の子ども支援を行っている認定NPO法人テラ・ルネッサンスさんを載せたので、ぜひ一度見てみてください)

内戦が起こる背景に国内の政治的および経済的な不安定さがあります。
当国の内の安定を図るためにも発展途上国の開発援助や国際協力は必要です。

 一方で他国からの干渉により国内不安が起こることがあります。しかし、現在も激化するウクライナでの子どもの教育を諦めずに届けているゾーヤ・リトヴィン氏。彼女のTEDでの演説をぜひ聞いてみてください。

 このような紛争下で犠牲になっている子どもたちの存在を知ることが大切です。そして少しでも意識を変えていき、もっと国際社会への関心を高めていきましょう。
私たちの生活もいつ変わるかわからないのです。

ライター : はんちゃん
チェック : みや
アドバイザー : 松田淳也

参考文献

『子ども兵士をめぐる倫理問題の検討』眞嶋 俊造著
慶應義塾大学法学研究会 法學研究 : 法律・政治・社会 2019.1 235~254

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