大叔父。

僕には大叔父さんがいる。

大叔父さんは、たまに祖父母の家にふらっとやって来ては、僕ら曾姪孫(そうてっそん)にお菓子やら漫画やらをたくさん渡してきた。

と、上記のように、祖父母の家は長男至上主義が残っている田舎にあるので、次男である大叔父さんは居心地が悪いらしく、しょっちゅう出かけていた。で、たまにふらっと現れては、僕ら曽姪孫にお菓子やら飲み物やらをたくさん渡してくる。もうそれは本当にたくさんで、ビニール袋がはち切れんばかりの多さである。

別れ際は、長男である兄くんではなく、妹で長女な僕にお小遣いを渡して、「あとで兄くんと分けな」と言ってくれる。

僕はそんな大叔父さんが大好きだった。

大叔父さんは、僕を、九十九家の人間だと認識してくれるから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?