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2024年 NY タイムズスクエア カウントダウン

カウントダウン前日、ナイアガラの滝からバスで長時間移動のすえ、夜11時にエンパイアステートビルに登り、夜景を楽しみ、そこから漸くホテルにチェックイン。
事前のリサーチでは朝8:30にはタイムズスクエアに行っていた方が良いという人もいたが、さすがに寝るのも遅くなってしまったし、トイレが心配だったので若干出発はゆっくりにした。
前の晩から酒はもちろん、水分を控え、朝トイレに2回いって出すものを出し切り、物心ついてから初めてのオムツを2枚はき、ナッツ、水、大きめのバスタオル、ゴミ袋などをスーパーの袋に入れて出発。通りがかりのスタンドでベーグルを購入して持参。バスタオルは地面にひくもよし、暖を取るもよし、万が一にオムツをかえるときに使うもよし、ということで必ず持参すべしという先人のアドバイスに従った。
10時頃に47th Street 付近に到着。49thが入り口とウェブサイトでは案内が出ていたが、人の流れに従って47thからTimes Squareに向かったところすでにたくさんの人で行列ができている。そこで手荷物検査が行われていた。

荷物検査待ちの行列

荷物検査を通過するまでに約1時間、おしあいへしあいをしながらもようやく中に入れた。

警察官が一人一人ボディチェック


リュックはNGといろんなウェブで書かれていたが、リュックで入ってきてる人もいた。伸縮式の椅子を持ち込んでいる強者もいた。

見かけた伸縮式の椅子

幸い2ndステージの横あたりの柵沿いに陣取ることができた。頑張れば45thと46thの間の1stステージの辺りにまで行けたかもしれないが、柵沿いをとりたかったので46thと47thの2ndステージ前に。となりには韓国人のカップル。フロリダからきた彼女と韓国から来た彼氏がNYでランデブー。いいねえ、若いってのは。
ステージ上はほとんど見えないが、ボールは正面によく見えるし、アメリカンイーグルの大型スクリーンにステージ上の様子が時々映し出されるのが見える良い場所だった。

なんとなくステージ上の様子が垣間見える
なぜかスカスカだった我々のいたエリア

しかもなぜか人が少なく、みんなゆうゆうと座ったり寝転んだりしていた。47thより後ろのブロックを振り返るとみんなフェンス越しに総立ち状態でかなりきつそう。

後ろはぎゅうぎゅう

なぜこのエリアだけこんなにゆとりがあるのか不思議だったがとにかくラッキーだった。しかもことしは例年よりも温かく、昼間は5度くらいの気温で曇ってはいたものの雨も雪もなく、長時間待つにはかなり良いコンディションだった。
たまに出演者らしい有名人が後ろを通っていったり、ラッパーがリハーサルしてた。

買ってきたベーグルを半分食べる。
1時くらいになるとなぜか我々のエリアは2つに分断され、我々は後ろに下がれと警察官に言われ、渋々後ろに。でも結局そこもスカスカで一番後ろのフェンス沿いに陣取ることができた。

ゆうゆうと座ってすごす息子たち

座ってスマホで動画見たり、本読んだり、時々居眠りしたりしながら過ごす。
そんなこんなで夕方4時くらいまではわりと退屈せずに過ごしていたが、流石に座り続けるのも疲れてくるし、もう6時間もここで待ってるのに、残り時間がまだ8時間もあるというのが結構長く感じて、ちょっとしんどさを感じ始める。しかもだんだん暗くなってきて寒くなってきた。ここが勝負どころだ。
5時を過ぎるとあたりも暗くなり、周囲のネオンの輝きが眩しくなってきて、これぞタイムズスクエアという雰囲気になってくる。

タイムズスクエアらしい様子に

そして6時ついにボールがあがり、最初のカウントダウン。あと6時間。ステージ上のパフォーマンスやMCなども始まり、だんだん盛り上がってきた。
よく車できいてた「Today's Hit」で流れていた曲が聞こえてきた。
どこからか5人ずつくらい人が連れられてきて、我々のエリアに入ってくる。どうやら47thとか脇道で待っていた人たちの一部が連れられてきて、隙間を埋めているようだった。おかげでようやく我々のエリアも賑わってきてカウントダウンらしい雰囲気に。

だんだんもりあがってきた

ここからは1時間毎にカウントダウン。何度もやってると徐々にみんなも慣れた感じになってくる。
しかし10時過ぎ、みんなに風船が配られると再びみんなのテンションも上昇。はじめは風船に群がって取り合いになったものの、我々のエリアは人が少ないせいか、最終的には大量の風船が余ってその辺に転がっていて、みんなバンバン踏み割ったり、余った風船で色々創作活動に励む人々もいた。

いくつも風船繋げてる人も

懐かしのナンバーやら色々な曲が流れるなかみんな風船持ちながら踊ったり歌ったりして過ごす。
そうして11時、残りもわずか1時間。いよいよ最後のカウントダウンへ。
ステージでは「My Way」をポール・アンカが歌う。「えー、この曲知らないなあ」という長男に、「これはおじいちゃん(私の父)が大好きだった曲なんだよ。」と教える。
NYのタイムズクエアで、アメリカにくる夢を果たせなかった亡き父が大好きだったMy Wayを息子たちと聴く。なんという巡り合わせ、幸運か。なんだか因縁を感じずにはいられない。もし父がNY赴任の希望を叶えていたら家族でこうしてカウントダウンに来たのだろうか。
そして次の曲はジョンレノンのImagine。
"Imgine all the people living life in peace"
世界中から集まった人たちと一緒に口ずさみながら新年を待つ。国籍とか人種とかを超えて、平和や幸せをみんなで願う。歌う。そんな、日本では味わったことのない、なんともいえない一体感というか、言葉にできない感動、感覚が襲ってくる。
そしていよいよカウントダウン。すごい高揚感。自然とYellingしないではいられない。
5、4、3、2、1!
ついに2024年、Happy New Year!

人々の願いが書かれた紙吹雪が舞う

ビルから紙吹雪が舞う。みんなの願いが込められた色とりどりの紙吹雪が空高く舞い上がり、そしてみんなの頭上にゆっくりと舞い降りてくる。
流れる「蛍の光」。続いてフランクシナトラの「New York」。それは今までテレビで見ていた景色。家族であそこに行けたらいいなあと思いながら昨年は一人で新年を迎えた。そして今年は息子たちと、空から降ってくる紙吹雪を見上げながら必死にスマホで動画を撮っていた。自然と私の目からは涙がこぼれ落ちた。

この紙吹雪に込められたみんなの願いが叶う、素晴らしい1年でありますように。

そう心から願わずにはいられなかった。
息子たちと抱き合い、一緒に紙吹雪をバックに何枚も写真を撮った。
自分たちだけでなく、周囲の人たちもみんな幸せそうだった。
みんな、Happy New Year!すてきな一年を。

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正直なところ、カウントダウンに行くかどうかとても迷った。寒さとトイレとの戦いに果たして耐えられるのか、丸一日待つより他の場所を観光でもした方がいいのではないか、カウントダウンならブルックリンでも良さそうではないか。いろんな思いが駆け巡っていたし、家族とも数ヶ月前から何度か相談してきた。妻は早々に不参加を表明。当初、息子たちも乗り気ではなかった。しかし、一生に一度だし、今回行かなかったらおれはもう行けないかもなあと呟いてると、直前に長男が参加表明。そしてつられて次男も。私は妻を一人残していくことに若干の後ろめたさもありつつ、こうなったら行くしかないと腹を決めた。

では、実際行ってみてどうだったのか。それはもはや言うまでもないが自分にとっては最高の経験になった。きっと人によってこの経験から受け取るもの、感じ取るものは別々だろう。それに価値を感じるかどうかも人それぞれ。日本の大晦日で紅白歌合戦をみて行く年、来る年をみても、もはやなにもグッとくるものはない。しかし、タイムズスクエアでのカウントダウンは非日常的なイベントとしての高揚感や楽しさだけでなく、少なくとも自分にとっては親子のつながり、国を超えた人々とのつながり、願い、そんなことを感じさせられた経験で、きっと一生の中でも忘れられないものの1つになった。
少しでもピンと来た方はぜひ行ってみてほしい。寒さとトイレ、暇つぶし対策は万全に。


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