自分の副業を正当化すべく自ら副業制度を導入した話〜新しい仕組みを導入するコツ

今日の日経新聞イブニングスクープに副業に関する調査結果が出ていた。それによると勤務先が副業を認めていると回答した人は全体の28.1%、禁止していると回答した人は55.3%いたという。

ようやく容認している企業が増えてきたな、と思うと同時に、このご時世にまだ過半数が「禁止」しているという結果に、非常に残念というか、呆れてしまう。

私はコンサルティング会社の先輩や同僚の影響もあり、5年ほど前からビジネススクールで講師をし始めた。そんな時にたまたま現職からお声がかかり、副業継続させてもらうことを条件に入社した。

そうは言っても会社としては認めてないので、入社後自ら制度を設計して、導入してしまった。世の中的にも人事部長が自ら副業をしていて、自らその制度を自社に導入するというのは珍しいケースだっただろう。

導入にあたっては当然懸念の声もあった。

「情報漏洩が・・・」とか、
「労働時間の管理が・・・」とか、
「本業に支障が・・・」とかとか。

まあ、一応懸念に対する対応策は用意をし、周囲の了承を得た。

当時は幸いなことに変革に対して非常に前向きな社長だったので、トップダウンに近い形で導入することができた。

その他にも今となっては当たり前だが数年前にはまだ比較的新しかった在宅勤務などの働き方改革の諸制度を導入していったが、今までにない何か新しいことをやろうとすると当然抵抗勢力はいるわけで、大きな組織においてはそういう抵抗勢力を駆逐することに体力と神経を消耗させられる。

抵抗勢力に屈せず、新たな仕組みを導入し、組織を変革していくにはどうすれば良いのか?

私が思うにコツは2つしかない。

①トップダウン

②ヨソ者、ワカ者、バカ者の仲間を増やしていく

この2つだ。

①はわかりやすいだろう。とにかくトップに対していかにあなたが実現したいことのために必要なのか納得してもらい、下に落としてもらう。組織である以上、トップから落とすのが一番手っ取り早い。

しかし、トップがなかなか納得してくれない、あるいはトップに力がない場合はどうするか。そこで②の方法だ。

イノベーションや変革を起こすのはその領域や業界について何も知らない「ヨソ者」か、知識も経験もなく情熱と勇気だけがあるが故に斬新な発想ができる「ワカ者」か、あるいは何も考えずに突破してしまう「バカ者」か、この3者だと言われている。

そういう人たちを味方につけ、ある一定の割合の票を獲得すると流れをこちらに持ってくることができる。

イノベーション理論では新しいものを取り入れるイノベーターとアーリーアダプターが全体の16%と言われているが、組織で新しいことをやるときも経験上2割くらいの人が賛同し出すと空気が変わってくる。まずはそれくらいの仲間を作る。

そこまでくれば、あとは内規を作ってトライアル実施、問題あれば修正して正式導入、というのが常套手段だ。

副業だったり、様々な働き方の選択肢を提供し、一人でも多くの人が自分の人生を生きられるよう、制度導入を検討されている人事の皆さんにはぜひ頑張っていただきたい。

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