事業成長は結局「人」次第
とある経営者から事業を大きく育てていくコツを伺った。その経営者は小さな町の商店からいくつもの事業を成功させ、数千億の上場企業にまで育てた人だ。
「新たな事業を年120%成長を続けて数十億まで成長させたからと言って、そこで手を緩めてはいけない。むしろそこからさらに120%、130%成長を目指し、一気に100億までいかないと、他に潰されてしまう。」
なるほど、確かにある一定のシェアを市場で取るまでのスピードというのは非常に大事で、ゆっくり成長してシェアを取るというのは現実的には難しい。
例えばスタバは既存店が数十店舗の時からその倍の数の新店を1年で出し、一気にシェアを奪っていった。もしスタバゆっくり店を出していれば競合他社に真似されたり先を超されたり、あるいは上位企業のドトールに先手を打たれ、潰されてしまっていたかもしれない。彼らは手を緩めることなく一気に出店し、面を抑えていったからこそここまで大きく成長できたのだ。
また、ランチェスター法則によると、シェア26%がその市場で安定するための下限目標値と言われている。少なくともそこまでは一気に行かないといつ潰されてもおかしくないわけだ。したがってその会社の規模をどこまで一気に持っていくべきかというのは戦っている市場規模にもよるわけだが、いずれにしてもその市場における下限目標値までは年120%、130%の成長をしていくことがその市場で生き残るためには必要なのだ。
しかしながら多くの企業はそこに至らずつまづいてしまう。なぜか?その経営者はこう言っていた。
「そうするためにはとにかく人だ。経営者と一緒に将来を議論できる人材を入れ、経営陣の意思を共有して事業を運営する人材を必要な数だけ配置していかないといけない。」
そう、結局「人」がネックになるのだ。人は必ずしも120%、130%で成長してくれるわけではない。人材の質も量も事業の成長スピードに追いつかず、目標を実現できなくなってしまうケースは多い。立ち上げから一定のシェアを確保するまでのフェーズこそ、いかに優秀な人材を獲得し、目指すべき事業成長率を維持するかが極めて重要なのだ。
あらためて事業成長は「人」次第、ということを考えさせられた話だった。
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