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「Design Systems ―デジタルプロダクトのためのデザインシステム実践ガイド」を読む

日々の仕事の中でもちらほら話を聞くようになったデザインシステム。

薄い知識しかなかったのでもうちょい勉強してみたいなと思ってたところ、ちょうど昨年末に日本語訳版が出ると聞いたのでAmazonで購入して読んでみました。

そもそもデザインシステムとは?という部分については調べると沢山出てくるので割愛しますが、UIにおいては質が高く一貫性のあるデザインを行う上で重要な考え方かなと思っています。長期的に運用するサービスや、画面数の多いUIには向いている手法。昨年だとUberがリブランディングしていたり、本の中で出てくる企業でいうとairbnbもかなり厳格なデザインシステムを構築しているとのことです。


ただルール化だけすればいい、という訳ではない

この本を読む上で一番疑問だったのは、「デザイン要素をパターン化することによって、アウトプットがつまらないものにならないか?」ということ。UIをデザインする上で、ユーザーが気持ちよく使えるようなものにするためには同じものを同じように見える/使えるようにするのは当然のこと。ただ、ビジュアル要素やコンポーネントのルールを厳しく定め、それを守ろうとすればするほどブロックを組み合わせるだけの魅力のないUIになってしまうのではないか。何でもそうですが、ルール化することが結果的に足かせになってしまうことはよくあります。

この本によると、そのルールを厳格にするか、ゆるく設定するかは企業やサービスよって様々だそう。既にあるライブラリを参照して組み合わせれば出来てしまうものもあれば、ある程度クリエイティブチームに任せて幅を許容するやり方もあり、組織の風土やサービスの方向性によってアプローチの仕方は千差万別。デザインシステムを効果的に運用するためには、どのくらいの粒度でルール化するのか?そのルールを誰が、どう管理していくのか?ルールをどうやって浸透させていくのか?など、組織やチームの中でしっかり認識を合わせていく必要がありそうです。この手法自体、導入することが目的になりがちなものだとも感じるので、気軽に始めるようなものではなさそう、というのが読み終わった感想です。

組み込み製品や単発のアプリには効果薄そうだけど、運用を続けていくタイプのアプリにはとても効果的だと思うので、その内使ってみたい手法です。


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