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インドネシアの再生可能エネルギーのコンサルティング・事業投資を行っているアラムポート株式会社の公式noteです。インドネシアの再生可能エネルギー情報について発信します。

最近の記事

インドネシア小水力発電の設置容量推移および今後の導入目標

本章では、インドネシアに於ける小水力発電設備の導入目標を整理し、これまでの設置容量推移を確認していきます。 インドネシア国営電力公社であるPT PLN (Persero)が2021年に公開した電源開発計画2021-2030には、再生可能エネルギーのロードマップとして小水力発電設備の導入目標が掲げられています。2020年時点の設備容量を基準として、2030年までに約1100MWの新規導入が想定されております。以下のグラフにて年次目標値を整理しております。 過去実績データでは

    • インドネシア屋根置き太陽光の設置容量推移および今後の導入目標

      本章では、インドネシアに於ける屋根置き太陽光発電設備の導入目標を整理し、これまでの設置容量推移を確認していきます。 インドネシア国エネルギー鉱物資源省(“エネ鉱省”)が2021年に屋根置き太陽光発電設備の導入目標を公開し、2025年までに3.61GW (ギガワット)以上の導入が目指されています。この目標に向けて、ロードマップもあわせて発表され、累計で2023年までに900MW、2024年までに1.8GWを導入すると、段階的な計画があります。 2018年から昨年までは設

      • インドネシアの電力消費量

        今回は、インドネシアにおける電力消費量の構造、推移を整理し、日本との比較も行っていきます。 前回は最終エネルギー消費量に関する情報を整理しましたが、今回は液体燃料(ガソリン、ディーゼル等)、気体燃料(天然ガス)、バイオマス、および他のエネルギーキャリアを除き、電力の形で消費されるエネルギーのみに注目します。一般家庭、工業、商業、農業など、様々な場所での電気使用が含まれます。 産業部門(工場での燃料使用)や運輸部門(内燃機関車のガソリンやディーゼルなどの液体燃料使用)におけ

        • インドネシアにおける部門別の最終エネルギー消費量

          今回はインドネシアのエネルギー消費量に関して情報をお届けします。産業部門、家庭部門、業務他部門(商店、事務所などの商業施設、医療・福祉施設、文教施設を含め)、運輸部門の4つの部門別から構成されるエネルギー消費量を10年間の推移にて確認していきます。 インドネシア国エネルギー鉱物資源省が2023年5月に出版された“Handbook of Energy & Economic Statistics of Indonesia 2022”より、2012年から2022年にわたる11年間

        インドネシア小水力発電の設置容量推移および今後の導入目標

          インドネシア再エネのポテンシャルについて

          今回はインドネシアにおける再生可能エネルギー(”再エネ”)のポテンシャルについて、情報を整理しました。まず太陽光発電のポテンシャルについて説明すると、インドネシアは熱帯地域に位置し日射量が日本より多いです。以下、世界銀行が公表しているSolar Resource Mapを元に解説していきます。 このマップには、東アジア・太平洋地域の全天日射量(1999年から2008年までの平均値)をカラースケールで表示してあります。日本は全国平均値が3.614kWh/㎡であり、緑・黄色塗り

          インドネシア再エネのポテンシャルについて

          インドネシアにおける再エネ導入拡大に対する国際支援の合意について

          2022年11月16日、インドネシアと日本やアメリカが主導する支援グループとの間で「公正なエネルギー移行パートナーシップ(JETP:Just Energy Transiti-on Partnership)」に関する共同声明が合意されました。これはインドネシアにおける再生可能エネルギー(”再エネ”)導入における金融支援策であり、草案によると地熱発電や水力発電などの計USD 66.9 Billion(約9.8兆円)が優先事業に挙げられていることが明らかになりました。 JETPの

          インドネシアにおける再エネ導入拡大に対する国際支援の合意について

          インドネシアにおける電源別の発電設備容量推移

          別号に述べたとおり、インドネシアにおいて再生可能エネルギー(以下、”再エネ”)が一次エネルギー総供給量に占める割合は、2022年の実績が12.3%であり、2025年に23%以上、2050年に31%以上といった目標が掲げられています。今回は、同国における発電設備容量の電源構成の推移について調べました。 インドネシア共和国エネルギー資源鉱物省が発表されたレポートからデータを拠出し、2018年から2022年まで各主要発電方法の設備容量が全体に対する割合を以下のグラフに整理しまし

          インドネシアにおける電源別の発電設備容量推移

          インドネシアの再生可能エネルギー目標および近況

          インドネシアにおいてエネルギー政策が包括的に定義されているのは、政府規則2014年第79号「国家エネルギー政策」まで遡ります[1]。同政策では、再生可能エネルギー(以下”RE”)に関して、以下のように規定しています。 REが一次エネルギー総供給量に占める割合は以下を目標とする。 2025年に23%以上 2050年に31%以上 しかし、2022年の実績は12.3%であり、RE設備容量も2025年目標の24GWに対して、2022年時点で12.5GWに留まっています。202

          インドネシアの再生可能エネルギー目標および近況

          インドネシアの発電設備容量推移

          インドネシアの2021年末時点での発電設備容量は74GWになります。これは、過去10年間で約64%も増加しております。しかしながら、直近3年で見ると増加は約6%であり、毎年の増加率も減少傾向にあります。2020年末時点の発電設備容量が73GWのうち、約70GWがグリッドに接続されているオングリッドシステムであり、約3GWがオフグリッドシステムとなります。 ちなみに、日本の発電設備容量は2021年時点において約126GWであり、インドネシアと比較しても52GW(約70%)も多

          インドネシアの発電設備容量推移