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【テレ東】『知らない人んち(仮)〜あなたのアイデアが、来週放送されます〜』

ここ一ヶ月ほど、気になるハッシュタグがあった。
noteに記事を投稿する際、確認画面にオフィシャルが推奨するタグが10ほど表示されるのだが「#テレ東シナリオコンテスト」というものが出てくるのだ。
いわゆる企業案件だろうが、一体何を募集しているのだろう?
そんなことを思いながらスルーし続けていたのだが、今日ツイッターの記事を見てその正体がわかった。
11月4日から四週連続で放送されるテレ東の『知らない人んち(仮)~あなたのアイデアが、来週放送されます~』という実験ドラマにまつわるモノだった。

【概要】
あるシェアハウスを舞台にした全四話の連ドラ。放送を見た視聴者に「私ならこうする!」というアイデアやストーリーを「note」に投稿してもらい、それをもとに脚本を作っていく視聴者参加型ドラマ。月曜日に放送、木曜に脚本会議、金曜に撮影、土曜に編集、一様にMA(音付け・整音)のルーティンも発表されており、毎週木曜日が視聴者にとってのアイデア締切日になる。

放送前から第0話として、冒頭10分程度が公開されていた。これに反応した1話に対するアイデアが書かれた「#テレ東シナリオコンテスト」のタグが付いた投稿は600以上。
「一緒に作る」という、作品やビジネスで起きている流行を取り入れたテレ東らしい企画だ。
ハッシュタグがついた投稿をリサーチしたドラマスタッフが、使えるアイデアを組み合わせて一本の脚本にまとめ上げるので、ちょっとしたアイデアだけでもいいらしい。
とはいえ地上波の番組だから、素人まかせはリスクがある。そこで、リスクを分散しつつ、テレ東らしい番組を作るための策も。このドラマは、毎回同じセット、出演者を用いて「noteクリエイター脚本」と「プロ脚本」の二本を放送する。展開の違いを見比べる楽しさもある前後編だ。プロ側として、ヨーロッパ企画の上田さんが1話、かもめんたる岩崎う大さんが2話を担当するという発表にも興奮する。

0話と1話を見た。
素人YouTuberきいろ(筧美和子)が「知らない人の家に泊めてもらう企画」で男女三人(戸塚純貴、秋山ゆずき、長井短)のシェアハウスに泊めてもらうことになる。しかし、その家には杖や三輪車など別の家族が住んでいる痕跡に溢れ、大きくバツのついた扉など不審なことが多い。何かを隠そうとする三人の謎を解こうと、少しヌけてるきいろが奮闘する、
という筋。0話は怪しい伏線が10以上ちりばめられているなか、自分のアイデアを利用し、1つの家の中で謎を解くというのは、脱出ゲームにも似ている。
1話のオチは「きいろが幼少期に描いた絵がその家にあった」というもの。
上田さんの脚本では早々にSF展開に持ち込んでいたが、note脚本はまだリアルホラー色が強い。

来週の二話は「カメラは止めない!」でお馴染みの濱津さんがゲスト出演する。『カメ止め』俳優が二名出てくるとなると、メタ展開に持っていきたくもなるけど・・なんかよく分からないけど面白そうだ。

最後に。SNS上の生配信に「一緒に作る」コンセプトを付与した新しいエンタメビジネスは今後も増えそうだ。“10分でコントを一本作る”「みんなのかが屋」やSHOWROOM×ニッポン放送“24時間で本を作ろう”「前田裕二プロヂュースDAY」など。オンラインサロンがその走りだろうか。ビジネス的な発想が強い気もするが、この企画は面白い。
テレ東ってやっぱいいなと改めて思う。民放の中で久しぶりに幼児向け番組を作るようだし、『青春高校』もSNSと連携を組む実験番組だ。どちらも視聴率度外視でいいから面白いことをしようという理念があり、実際面白いものを作るのがすごい。

『知らない人んち(仮)』
リアルに伏線を回収するのnote脚本と、SF展開を引き継いだう大さんの脚本。2話も楽しみだ。

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