見出し画像

同人アンソロジーへの道のり2(執筆依頼)

さて、決めることを整理できたらいよいよ行動に。
ドキドキですね。

執筆者さまの募集を依頼にするか公募にするかにもよるけれど、依頼(募集)内容に明記することのリストと、注意点などを書いていきます。

大事なことなので何回も言ってしまうけども、原稿書いてくれってものすごいお願いだと思うのですよ。(お金出すのが自分でも)
もしかしたらオンラインでしか公開していなくて本を出したことないという方や、そのテーマで個人誌を出す気はないけどちょっとかいてみたいと思ってたくらいの方には、いいキッカケや条件だと思ってもらえるかもしれないけど。
労力や愛情、時間の搾取にならないように(そう受け取られないように)、とにかく大事な報連相もしっかりやっていきます。


依頼(募集)内容に明記すること

前回の記事で決めておいたことのうち、依頼(募集)段階で告げる項目を簡潔に箇条書きする。

1.アンソロのテーマ
2.原稿依頼内容

・発行予定日(参加する即売会の日にちなど)
・原稿締め切り日
・募集する原稿の形態(漫画、イラスト、小説などの選択と巻末コメント)
・ページ数(最低〜最高の指定)
・仕様予定(本のサイズ、アナログ原稿の可否、完全データ原稿でお願いするorデータ原稿作成できない方の可否)
・謝礼について
・全年齢or年齢制限あり
・表現内容に関する注意事項
3.スケジュール
4.参加方法(返信期日も)
5.主催の連絡先(名前・メールアドレス・HPなど)

原稿作成に関しての詳細(下記)は、参加の決定した執筆者さまに順にお伝えしていく。

公募する場合

流れとしては、応募用のなんらかのページを作成する。

参加表明なり応募なりの反応を受け取る

原稿作成の詳細を伝える

この「なんらかのページ」は、ペライチTwiPla(ツイプラ)、ぷらいべったーなどご自身の使いやすいツールで上記の明記事項を書いたページを作る
ツイプラは、基本的にツイッターをやられている方で構成されるのであれば、自分でグループを作らなくても全員に一斉メッセージ送信などができる便利機能もあるそうです。

参加表明の方法(返信や参加するボタンなどの反応でOKとするのかなど)を明記し、期日までに返信をいただく。
順次原稿の詳細を流していくか、期日以降に一斉送信する(この場合は書いておく)かも決めておく。

依頼する場合

こちらも流れ的には、依頼の連絡をする

可否の返信をもらう

返信をする(原稿作成の詳細を伝える)

公募と異なるのは、自分から作品をかいて欲しいと”お願い”するというところ。
当然かいて欲しい理由があると思うので、それを素直に伝えることが大事かなと。
相手にしてみても、なんで自分に?って思うのは自然でしょうし、お声かけしたいと思うからには純粋にその方の創る作品のファンなのだと思います。
普段どれだけSNS上でやりとりをしていて、好きだってわかっているだろうと思っても、改めてきちんと言葉で伝えましょう。是非。
語彙力がないとか、伝え方がわからない、難しいと思う方もいるでしょうけど、好き!の情熱は伝わるものです。

うまく文章にできないという方向けに、少しだけ「好き!」を分解(分類?)してみると、「どこが」「どう」好きなのかになると思います。
好き!って思う時、感情が動いていると思うのです。
この自分の感情が「どう」好きかの部分になるので、その感動を伝えるためにどんな気持ちになったかを見ていきます。

好き!(感想)の伝え方

例えば、その方のかかれる目の表現がすごく好き!と思った時。
自分がその「目」という部分がそもそも好きで、特にその方の作品の表現が好きな場合もあるし、その方自身が「目」に力を入れていて、そのエネルギーを受け取っている可能性もある。

「どう」好きなのか。その「目」や作品自体に触れた時、どんな気持ちになったか。具体的に作品の中の表現を引用してもいいし、全体的にそう感じるということがあればそれを伝える。
「△△の作品の中で□□くんがきらきらした目で〜しているシーンを拝見(拝読)した時、(一緒に泣いてしまいました)」
この(カッコ)内に自分の感情を書く。伝われー!と願いました、とか見てるこちらも嬉しくなりました、相手への愛情を感じて感動しました、などなど素直に自分の感じた感情を言葉にします。
起こしてしまった行動(叫んだとか走ってきたとかw)もあればそれも是非。

そして「どこ」の部分。こちらは無理して書かなくてもいいかなとも思いますが、伝えたいほどの衝撃があったなら是非伝えて欲しいところです。
「◯◯さんの作品が大好きで、特に目の表現が刺さりました」とか「〜の時のあの△△くんの顔が可愛すぎました」とか。
そのまま書いただけですが、「どこが」好きなのかを伝えています。
ただ難しいのが、ピンポイントすぎるとそれ以外は好きじゃないんか?と受け取られる可能性もある(力を入れてかいたのはそこじゃないとかね)こと。全部好きだけど特に!的に伝えられるといいかもです。

あとはもう、ごちゃごちゃ分析せずとも「言葉にまとめられないのですが、◯◯がすごく好きです」くらいストレートでもいいと思います。

ストーリー全体を通して好きだと思った時も、読後感の感情などの「どう」感じたかの部分を伝えれば、それは立派な好き!のラブレターだと思います。読後感きけたら嬉しいな…。

「どこ」はともかく、「どう」の部分、自分の気持ちがどんな風に動いたかを伝えるだけでも十分だと思います。
それは相手にとって、自分の創ったものが相手の感情をどう動かしたかってことなんですよそんなことが起こってるなら知りたいですよね創作者なら!

伝えてくれる人って本当に貴重だし、なので依頼のご連絡って実は、これを機会に日頃の感謝と好きを伝えるチャンスです。
とはいえ世の中には、感想全く欲しくないという方もいるようなので下調べは必要ですが。

前置きが長くなってしまった。感想を伝えるのって少し勇気がいるんですが(失敗したこともあります)、でも自分はもらったら嬉しい人なので、できる限り自分が心動かされたことを作者さまに伝えたいなと思っています。
これは勿論、二次創作に限らず。

依頼文

あくまで例文です。
ご自身の言葉で、丁寧にお伝えするのを心がけた文章で書いてください。
【アンソロジー 依頼文】【執筆依頼文 テンプレート】などで検索してみるのもいいと思います。

タイトル:「△△アンソロジーへの執筆のお願い」

宛名:◯◯様

ご挨拶と自己紹介:はじめまして(こんにちはなど)、突然のメッセージ失礼いたします。××と申します。
あなたのファンですを伝える:いつも◯◯様の作品を拝見しております。〜〜〜〜〜〜〜(今までの作品の感想なりその方の作品の好きなところなりをつらつらと)

本題(執筆依頼):このたび、(某イベントにて)△△アンソロジー発行の企画をいたしました。
つきましては是非、◯◯様に執筆していただきたくご連絡を差し上げております。

依頼内容の詳細:アンソロジーについての説明(どんな内容のアンソロで…と上記の依頼内容に明記することリストをかく)

もう一度お願いする(もしくはここでファンです詳細を伝える):どうしても◯◯様の△△を拝見したいという一心です。是非とも◯◯様に△△作品をかいていただけたらと思います。などなど私は勢い余ってかいてしまいましたが最初にたっぷり伝えたのであれば省略可)

末文(参加について):お忙しい中、ここまで読んでくださりありがとうございます。是非ご検討いただければ幸いです。
また、こちらの都合で大変恐縮なのですが、MM月DD日までに可否のお返事をいただけますようお願い申し上げます。
参加が難しい場合は、このままメッセージを無視していただいて結構です。(否でも返信が欲しい場合は書かなくても)
承諾いただけました際には、追って原稿についての詳細をご連絡させていただきます。

主催の連絡先:名前(HN)、メールアドレス、アンソロ専用のアカウントや告知ページやHPなどがあればそちらも

文章が長くなってしまうので、詳細は最後に箇条書きにしたり、企画書として書類を一枚作ってもいいとも思うけど、添付文書をわざわざダウンロードして開くというのも人によっては手間に感じてしまうので難しいところだなと思います…。
[太字:]の部分は実際は書きません。

そして返信がきた後のことも準備しておく。
可否どちらだったとしてもきちんとお返事をする。

NG!お断りされた場合:
残念だけれど、ご検討してくださり返信をくださったことに謝辞を述べ、今後も応援している(活動を楽しみにしている)ことなどを伝える。
(最後にまた自分の名前と連絡先を明記する)

OK!参加を承諾してくれた場合:
まずは快諾してくださったことへ感謝を伝える。
原稿の詳細について(リンク等を)送る、もしくはいついつまでにご連絡しますと伝える。
伺っておく項目
・今後のやりとりでご希望の連絡方法について
・紙面に載せていいお名前表記(コピペしますの旨を伝える)
・寄稿予定作品の種類(小説、漫画など)
献本の受け渡しに関しては寄稿の際に伺うことを伝え、その他質問などがあればいつでも受け付ける旨と連絡先を明記する。

執筆者専用ページ

原稿の詳細についてをメールやDMなどで送ると、いちいち遡って探さなくてはならなくなってしまうので、いつでもここを見れば必要な情報が見られるという執筆者さま専用のwebページを作っておくと便利です。
ツイッターのフォローやパスワードなどで制限をかけて公開できるので、自分はぷらいべったーを使用しました。
他にこんなの使ってるよ!などあれば私も教えて欲しいです。

ここには前回の記事で決めたこと↓を、必要なところだけ整理して書いておくという感じです。

以下を記載したページができたら、執筆者さま各位に専用ページを設けたことを伝え、共有します。

スケジュール
 原稿締切:YYYY年MM月DD日(曜日)
 ”寄稿フォームのURL”

本のタイトル:「決定したら記載」
発行予定日:YYYY年MM月DD日 (イベント名)
仕様:本のサイズ/モノクロ・データ原稿
ページ数:◯~◯ページ
原稿:漫画、イラストまたはSS、小説/巻末コメント
謝礼:完成冊子+ノベルティ一式など

1)作品内表現について
前記事「注意事項」参照
NG表現や、相談して欲しい内容など

2)原稿仕様
・前記事「仕様例」参照
・始まりページについての希望など
・ページ数の増減について
・作品の区切りの明示のお願い
・提出の際の出力について(ノンブルなし、トンボの有無など)
・コメントカットなどテンプレートを用意しているなら、ここにギガファイル便などのURLを貼っておく(※ダウンロード期限を最長にしてアップロードしておく!)

3)寄稿作品のお取り扱い
前記事「寄稿作品の取り扱い」参照

4)謝礼
受け渡し方法など寄稿フォームでの回答のお願い

5)原稿チェックについて
原稿チェックの有無(希望をきく)◎は最低限これはしたほうがいい項目

 漫画・イラスト原稿:
 ◎解像度・塗り足し含め原稿サイズ
  断ち切り線周辺のセリフ切れやベタ不足などのチェック
  ページの順番など
  誤字衍字脱字・誤用

 小説原稿:
 ◎解像度・原稿サイズ
  ページの順番など
 ※以下オプション↓↓↓
基本的には執筆者さまの表現の個性として受け取る前提のものを伝える(「……」「──」や句読点の後のスペース、文頭の字下げ、漢数字など)
  誤字衍字脱字・誤用
  拗音促音が文章の冒頭にきている場合
  その他希望により対応など

6)提出方法
googleフォームを作成し、そのリンクを貼っておく
→原稿データをファイル転送サービスなどに載せてもらい、そのURLを送ってもらう
※フォームの項目の例
・原稿データURL
・執筆者さまの表記名
・作品のタイトル
・完成冊子の受け取り方法(複数選択制)
・郵送希望の場合のみ住所などの記載欄
・当日受け取られる方のみ希望時間
・感想をお送りして大丈夫か(選択制)
・原稿チェックについてのご希望(複数選択制)
・その他自由記載欄

7)その他
予定枚数のお伺いや報告などご連絡を差し上げる旨と、どこから連絡をするかを明記しておく
メールなら「アドレス」、SNSのDMなら「このID」からなど

ここまで伝え切れば、ほぼあとは原稿を待つだけ!の状態です。
が、地味にやることはたくさんあります。自分の原稿もやっつけておいたほうが絶対いいですし。
でもテーマアンソロとかだと内容がかぶったりの可能性もあるようなので、先にできることをしつつ、月1くらいでご連絡をしてました。
テーマ決まりましたらご連絡ください、とか枚数の予想がついたらご連絡くださいなど。

原稿待ちの間にやれること…
・告知ページやフライヤー作成
・冊子の装丁やレイアウト決め
・印刷所決め
・コメントカットページの作成
・表紙や奥付など原稿以外のページ作成
・自分の原稿
・ノベルティ作成
・謝礼準備
・執筆者さま管理表の作成(受け取り希望などを入力していく)
・即売会準備(サークルカットやサンプル/お品書き準備)
・通販準備(サークル登録や値段設定、サンプル作成などなど)

リストであげるとシンプルだけど、告知なりサンプルなりで細々サイトに合わせた専用データを作成したりと思ってたより画像処理が多かったなって印象です。

しかし紙見本などを見てると時間があっという間だし、装丁を考える時間って本の内容についてあらゆる角度から眺めてデザインしていく最高の時間だと思います。
ロゴ作ったりロゴつくったりテーマに沿ったフォント探したり…ありとあらゆる印刷所さんの特殊印刷のページにかじりついたり。
大変だったけどめちゃくちゃ楽しかったです。

次はいよいよ皆様の原稿を手にした後!
原稿受け取り〜編集・入稿作業編です。
クリスタくんとの戦いはまだ続いていた…。

こちらの記事はあくまで自分の記録のために書いていますので、必ずしも主催はこうして当然というものではありません。
自分がそういう心持ちで行っていたというだけなので。
規模によっても異なるでしょうし。
孤独な作業も多いので、何か不安なことなどがあった時に体験談の一つとして何か参考になれば幸いです。
なにかございましたら、コメントや質問などお気軽にください^^
よき同人誌ライフを!


小説本文の原稿チェックは、自分が気になるタチなので、自分の原稿に関しては以下記事に書いた項目をチェックしています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?