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華やかなマーケティングの泥臭い現実について

表から見た仕事と、やっている仕事のギャップが悪い意味で激しいのがマーケティングかもしれない。

なんやかんやとイベントを企画してたり、クリエイティブな面があったり、ルーティン業務が少なかったりと楽しそうに見えるマーケティングだけど実際に回してる自分からするとマーケティングほど泥臭い仕事はないように思える。

マーケティングの仕事を説明して、楽しそうなことやってるねー!と言われるたびに、心の中では「ちゃうねん、、、ちゃうねん、、、」とエセ関西人が悲鳴をあげている。

なので、マーケティングって思ったほど華やかじゃないよ!ってわかってもらいたくて、わかってもらったところでだれが幸せになるかも分からないけど、泥臭すぎるマーケティングの仕事を解説してみたいと思う。

(BtoB、BtoC、オンライン、オフラインマーケ一通り経験がある中で、今回はBtoBのオフライン、オンラインマーケに寄った話になるかもしれない。)

①関係者多すぎて泥臭すぎる社内調整に追われる

特にオフラインマーケが多い場合、この社内調整が非常に泥臭い。企業にもよるかもしれないが日系の大手になればなるほどこの調整が細かく複雑に神経を使うものになる。

例えばイベントをする時に、誰かに挨拶をしてもらうとする。だれに頼むか、どの順番で頼むか、あの人とこの人の相性は大丈夫か、日程は大丈夫か、ドレスコードをあの人とこの人を揃えて、頭出しはいつしよう、だれ経由で依頼すれば失礼がないだろうか…考え出しただけで頭が痛くなる。

説明資料が関係者ごとに複数作成される。あの人にはこのスライドはいらない、この人にはこのスライドを足して、フォントのサイズを変えて、日本語と英語と…なんて具合に。

合弁会社の場合さらに複雑になり、株主同士のバランスや、各企業内の力関係など微細な調整が必要になり何か一つを決めるのに多大なるリソースを割かなければいけなかったりする。

そもそもマーケティングに理解のある会社ならいいけれど、そうじゃない場合は、なんのためにやるの?マーケティングはなぜ必要なの?というところから啓蒙しなければいけない。社内広報もマーケティングの重要な仕事だ。

②一人で完結できないことが多い

マーケティングあるあるだが、大抵の仕事は一人で完結できないため、多くの人を巻き込む必要がある。コミュ障にマーケティングができるかという記事でも書いたが、とにかく周りに協力してもらわねば回らぬような仕事がゴロゴロと舞い込んでくる。

社内外問わず日々あらゆる人とすり合わせをし続けることで、コミュニケーション能力が磨かれたり、日々刺激の多い日々ではあるので、たしかにそういう意味では華やかなのかもしれない。

が、個人的には中間管理職だったり、下請けのようなストレスを感じてしまうことが多い。適度に受け流せる人の方がマーケティングは向いているのかもしれない。

伝書鳩みたいな状態になった時は、華やかさとはなんぞやと泣きたくなる。

③地味作業多すぎる

イベントの開催や、パンフレット作成、Google adを回したり、ウェブサイトの改善というと楽しそうに聞こえる。私も他人事のように楽しそうだな〜と思ってしまう。

けどその実、それらの作業はかなり泥臭く、地味で、単純で面倒くさいものが多い。

パンフレットにのった数字を何度も何度もチェックし、業者に差し戻す。数回に及ぶ社内チェックでやっとファイナライズされたパンフレットを社内で展開したら思わぬ指摘が入って、あわてて印刷を止めてもらって修正をかける。

3回目の修正で、印刷会社にも渋い顔をされる。「もう今回の修正で最後なので…」と言った後に、メールループに入っていなかった別部署の社員から、図が小さいと指摘を受けて、もうそんなんええやん…って涙目になりながら、どうやってスルーすべきか頭を悩ませるなんてこともザラにある。

Google Adならキーワード選定をする時に、ここは部分一致か全体一致かなんて細かい調整をしながら、配信時間は18:00まででいいのか、お盆は配信とめるのか、バナーのフォントのサイズは14ptでは見にくいのでは?後ろの画像とかぶって一部文章が読めないのでは?なんて小さな小さな修正を繰り返してABテストを重ねて、どうにかとれたリードをセールスに渡したりする。

けど渡したリードの殆どが、そのまま大海にリリースされることもままで、売り上げにつながるなんて2割もあれば御の字だ。

セールスが忙しすぎて、入ってきた問い合わせを捌けない、なんてこともあるから一時フォローの方法の組み立ても必要だし、やっぱりマーケティングは細かく、地味で、それでいて重要な仕事が多い。

④結果が見えにくい、正解がわからない

マーケティングには正解がない。沢山の施策やフレームワークが転がる今の時代、何をすれば成果がでるのか、そして成果とはなんなのか、それすらもわからないまま走り続けなければいけないのがマーケティングだ。

仮説と検証。取捨選択。

リードを増やすのか、ブランディングが先か、はたまたナーチャリングか。いったい課題はどこにあり、我々のゴールはどこなのだろう。

とにかくこれをすれば良いという正解もないままに、仮説を立て、施策を回し、検証して次に繋げる。これを繰り返し続けるうちに、一体自分は何をしているのか、本当にこれは意味があるのか、マーケティングの存在価値とは…?私は周りのリソースを使っているだけで何も生み出せていないのではないか…という不毛な脳内銃撃戦を繰り返し不安になる時も少なくない。

リード数ならまだ数字で出せる。結果が見える。CV, CTRなど様々な指標で成果を見ることもできるけど、そもそもGOALは?KPIは?その設定は合ってるの?企業の認知度はどうやって図るの?わからないことだらけなのが正直なところ。そこが楽しいと思えるかどうか、考え続けることを楽しめるかどうかが重要だ。

⑤最初に予算削られる

いまだマーケティングは企業にとってファンシー(贅沢)な部署という認識をされることがある。なくてはならない部署ではないという扱いをされた場合、売り上げが芳しくない時期に真っ先に予算を削られるのがマーケティングだ。

セールスがいなければ売れない、バックオフィスがいないと会社が回らない、エンジニアや製品開発も必須だ。マーケティングはどうだろう…そう考えると急に立場が怪しくなってくる。

激務なのに、存在価値が揺らぎやすい、そんな存在がマーケティングだったりする。

⑥基本少数精鋭かつ担当範囲が広すぎ

イノーバさんの記事見てて首がもげるほど頷いたんだけど、マーケティングって結構少数精鋭だし、一人マーケティングも少なくないと思う。

ぼっちマーケターの業務は、会社によってケース・バイ・ケースだと思います。ただ、ひどい場合には、WEBサイトの管理に広告運用、SEOも考えながらリアルの展示会への出展準備をしつつ、配布用のチラシのデザインを片手に広報用のプレスリリースを書いている……なんていうこともあります。(初期のイノーバもそうでした)

まさにその通りで、やるべきことは死ぬほどあるけど人では常に足りないから、取材記事を書きながら、ウェブのHTMLコードを修正しながら、メルマガ作りながら、マーケティングオートメーションツール導入しながら、来年のマーケティングプランを考えながら、ブランディング設定しながら、イベントの準備しながら、レポート作成しつつお客様訪問に同行したりするので、普通に人が足りないし人が足りない。

⑦楽しそうと思われる

マーケティングが楽しいのは事実なので、間違いではないのだけど、わりとマーケが周りを巻き込む時って特に楽しい部分が多い。

例えば展示会の最終的なブースデザインを見てもらったり、MCを選んだり、ある程度出来上がったウェブサイトのデザインを確認してもらったり。終わったイベントのブースでみんながピースしてる写真を共有したり。

けどその裏にはウェブサイトのタグ付けの地味な作業があったり、サーバーやドメインの確認、ベンダーとの細かな契約書のやりとりや、上司からのプッシュバックがある。

けど完成形がなんとも楽しそうなので、結果なんだか楽しそうなことをやってる華やかな部署=マーケみたいな印象を与えやすい気がする。 

もちろんマーケだけじゃない

もちろんマーケだけじゃなくて他の部署も、周りには見えない細かい仕事やめんどくさい作業が沢山あると思う。だからマーケティングだけが大変と言うわけでは決してないけれど、マーケに関しては特に表から見える華やかさだけが世間のイメージで先行している気がするのだ。

なんやかんやマーケティングの仕事の地味な部分や泥臭い部分を書き出してみたけど、それでもやっぱりマーケが面白いのは事実だと思うし、業界や企業によっては華やかさもあると思う。

私が関わってきたマーケはあまり華やかではなかったし、もしかしたら世間から見たら楽しそうに見えてるのかな、と思う時もあるけれど、どちらかというと泥臭さの方が勝っている気がするのだ。

だからなんだ、という記事になってしまったけど、そんな泥臭い部分も含めて楽しめる人がマーケティングには向いてるのかもしれない。

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