![半月](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/11833502/rectangle_large_type_2_a5bac1e825a3f9f71cd522d7defab1af.png?width=800)
愛の裏側
私は今、とてもじゃないが人を愛せる気分ではない。
あれほど不確かな他人を、自分の拠り所にするなど、今の私には到底不可能だ。
愛も他人も、信じてしまえば嘘になってしまう。
常に付き纏う、疑惑の目。
この目がある限り、確実に、私の心を蝕んでいく。
疑惑の目は、他人だけでなく、自分の存在さえも疑うようになる。
他人以上に、自分が不確かな存在に思えてしまうのだ。
そうして、無神論者は孤独に陥る。
孤独とは、絶望のように仄暗い所在にある。
もう、そこには一切の希望が湧いて来ない。
そして、それを救ってくれるのは、愛に他ならない。
一番深い孤独に到達した時、人間は一番深い愛情と出会う。
孤独とは、愛の裏側なのだ。
いつかこの私も、愛に寄り添うことができればよいのだが。
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