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#エッセイ
「ウサギとカメ」の解釈から思うこと
「ゴールデンウィークは、母の実家である山形に行く」という暗黙のルールが明石家にはある。
母も姉も妹も(父は自由人なのでルール適応外)、どんなに私生活や仕事が忙しくてもゴールデンウィークの2日あるいは3日間は家族のために時間を作り、みんなで揃って祖父母に顔を見せに行く。
このルールは、私が生きている25年間、いまだかつて1度も破られたことがない。3姉妹が社会人になり実家を出て、家族の住む場所は京
世界を立体的にとらえるためには
「恋をしている女性は、男性がトイレに行っている間にスマホは触らないんですよ」
先日、渋谷のとあるバーのマスターにこう言われてドキッとした。その時の私は、一緒にいた男性がトイレに行っている間にスマホを触っていたのである。見られていた、と思った。ふっと「カウンターの向こう側から見えるスマホを触っている私」が脳裏に映し出されて、世界がぐにゃりと曲がったような気がした。
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このように、誰かの言葉が
いつだって、「できごと」より「考え」のほうが怖い
臆病なので、昔から意味もなく「怖い」と思うことがたくさんあった。
失敗することが怖かったし、ひとりぼっちになってしまうことも怖かった。時計の秒針が1秒ずつ時を刻むごとに「ああ、1秒ずつ死が近づいている!」と本気で考えこんでしまい眠れなかったこともある(今思うとヤバい)し、小学生や中学生の頃は、誰かに嫌われることが本当に怖くて、周りにいつも合わせるように生き、自分の意見をなかなか言い出せないような
100ではなく、1の約束を。
きのうは、昼から西荻窪で予定があった。
西荻窪は東京の西側にある、情緒あふれるとてもいい街(こちらの連載がとてもすてき)だ。そこにはとても仲が良い女の子が住んでいるので、わたしはその子に会いにたまに西荻窪に行く。その子はわたしのひとつ歳下の女の子で、わたしのことを「あかしさま」と呼ぶ。大学時代からの知り合いで、編集プロダクションに勤めているその子とわたしはお仕事の受注/発注の関係でもある。
そ
不思議なあの日々のこと
「今となっては何故だかわからないんだけど」と言いたくなるような不思議な日々が人生の中にはある。
自分の価値観を180度変えてしまうくらいの衝撃を受けた本や漫画が今となってはどこがいいのか理解できなかったりするし、身を削ってでも頑張らなきゃいけないと思っていたあの頃の自分のことを「なんであんなに必死だったんだろう、かわいいな」と思ったりもするし、身を焦がすような恋愛のことだってもうすっかり思い出せ