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2017年11月の記事一覧
絶望しない大人にはならない
できることなら人生において絶望なんて味わいたくないし、できることなら人生において問題なんて抱えたくないな、と思う。
けれども悲しいかな絶望的な瞬間はやってくるし、なぜか不思議かな、大きかれ小さかれ問題はいつだって抱えている。
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「きっと絶望とは、ありえたかもしれない希望のことをいうのだと思います」
——これは、坂元裕二さんの著書『初恋と不倫』の中に出てくるセリフだ。
もしかしたら誰かが
「社会的な分人モード」をぶっ飛ばす
さいきん、知人から「分人が多いよね」と言われることが立て続けに何回かあった。
自分でもわりと「自分の中に飼っておける分人の数」は少なくない方だな、と思っているのでべつに違和感はなかったのだけれど、なんでそんなことを言われるのだろう? と少し疑問に思った。
おそらく私のツイッターやFacebook、インスタグラム、noteなどSNSの使い分け方は「分人ごと」なので、それらのうち複数アカウントをフ
定見をもたないという定見
そもそも私は、ものごとに対する定見というものを持てないたちなのである。定見を持たぬ人間は、たとえば「広い心、しなやかな生き方」という姿勢を持つ者として全うすることもありうるが、通常は「優柔不断・おしきられやすい」者としてうろうろと生きてゆくばかりであることが多い。
川上弘美『おめでとう』より
たしか大学1年生の頃だったろうか。川上弘美さんの『おめでとう』という小説の中にあるこの一節を読んだとき
「素敵なお店」に関するあれこれ。
"always carry two handkerchiefs… one to show and one to blow. "
これは、三宿に本店があるハンカチ屋さん「H TOKYO」の包み紙に書かれている文章だった。初めて見た瞬間「ああ、素敵だなあ」と思ったことを、今でも覚えている。
「常にハンカチは2枚持ちなさい。1枚は見せるため、そしてもう1枚は鼻をかむため。」
アイルランドの格言だそ
運の悪さとどう向き合うか
最近のわたしの運の悪さといったら半端じゃあない。
誕生日に彼氏にもらった時計をなくすわ(誕生日は10/31だったのでなんと2週間弱でなくしたことになる)、大事な約束には電車を乗り間違えて遅刻してしまうわ、他にも小さな運の悪さが積み重なって、もう、ふふっと笑えるレベルである。
誕生日当日、もらった時計の写真をうれしそうに撮っていた自分が憎い……。
そもそも昔から、運はいい方ではなかった。
旅
あくまでも守りたい「わたし」という一人称について
大学は心理学部だったのだけれど、ずっと社会心理学が苦手だった。というよりも、人を、世の中を一般化しようとしてくるすべての学問に興味が持てなかった。
「こういう状況下では、人の心理はこう動きます」「人間とは、こういう生き物です」「社会とは、こういうものです」
スポットライト効果だとか単純接触効果だとかフットインザドアだとかカラーバス効果だとかそんなものは心底どうでもよく、そんな概論にまとめられな
断片的なものに内包される物語を。
3ヶ月前、鍵をなくして、家に入れなくなったことがあった。
鍵屋さんを呼んで見てもらったところ(1時間も待った!)、私の家の鍵は特殊な形をしているらしく、開けるのに4万円かかると言われて発狂し、けっきょく妹の家まで行くことになった。
深夜0時、絶望と共に乗り合わせた電車の中でふと自分の両手を見ると、そのとき玄関の取っ手にかかっていた傘を4本すべて持っていることに気づく。
きっと、鍵穴を見てもら