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ママ6年目

みるみる顔が真っ赤になって、口がへの字に歪んでいく。
(あ、やっぱり泣くよね)

そう思った瞬間、大きな泣き声が診察室中に響き渡った。
普段は涙も出さず、嘘泣きのような泣き方ばかりの次男だけれど、さすがに今日は大粒の涙が溢れている。

予防接種。
赤ちゃんが通る最初の試練。

先週5ヶ月になった次男の本日のノルマは4種混合と、BCGの2回打ち。

真っ赤な顔で泣き続ける次男を見ていると、長男の初めての予防接種の時を思い出す。

『こんなに小さな腕に、針を刺すなんて!
あぁっ〜!痛そう、、かわいそうに。。』

大きな瞳に(長男は小さいときクリクリのおめめが本当に可愛かった!)いっぱいの涙を溜めている我が子を見て、自分の胸がキュッと締めつけられたのを覚えている。

誰でも知っているように日本は医療先進国だ。昔ならば、命を落とすこともあった病気にもかからずに済んでいるのは、まさに予防接種のおかげである。

『かわいそうに!』『予防接種、何回も行くのめんどくさいな』などという考えはお門違いも良いところだ。

他の国では、まだまだ予防接種を受けられない子どもたちがたくさんいるというのに。

予防接種のおかげで、長男は大きな病気にもかかることなく先月、無事に小学一年生になった。
内弁慶なくせに生意気なことばかり言う息子だけれど、健康に大きくなってくれたことに本当に感謝だ。

長男の予防接種に心を痛めていた新米ママだったが、あれから6年たった今では公費で予防接種を受けさせてもらえる現状に感謝することができるようになった。
次男が大きな声で泣き叫んでも、『かわいそうに』と、心を痛める弱虫のママはもういない。


『次男よ、試練だ!』
強い身体になって大きくなれるように。


でも今日はいつもよりたくさん抱っこしてあげるからね。



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