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本屋で本を買う時に。

「成功者がしている100の習慣」「心理学 BEST100」「出世 7つの法則」

書店の中を見回っていると、具体的な数字をタイトルに入れ込んでいる本をよくみかける。他にも「世界の哲学50の名著」なんてのもあったりして、帯を見てみると『世界標準の教養を一気に読破!』と書いてある。

大体大きな書店ばっかり行くのだけど、入り口はいってすぐの一番見られる書棚でよく見かけるから、売れ行きはいいのだろう。

こうした類の本は、買う人のどういう心理を狙いうちしているのだろう?

少し考えて、本を求める人の「これさえ読めば...」を刺激しているのではないだろうか、と思った。
たとえば、「成功者がしている100の習慣」という本では、成功者がしている習慣を100個身につけさえすれば自分も成功者になれるのかも、という心理を。また「世界の哲学50の名著」という本では、この1冊を読みさえすれば哲学の本50冊分に匹敵する知識が得られるのではないか?という心理。それらをついているのではないだろうか。

これは言い換えると、コストパフォーマンスを求めている人の心理をついているのだといえる。ここでの、コストはお金のことを指すのではなく、本を探す労力のことだ。

本を求める時、人は何かしら自分の課題を解決してくれるようなものを探す。でも、大きな書店にありったけ並べられた本を前に、一冊一冊手に取って自分にとって意味のあるものかどうか吟味するのは骨の折れる作業だ。(その作業を楽しめる人なら、労力はいらないだろうけど)

そんな時に、「これさえ読めば...」と思わせてくれるタイトルの本が魅力的にうつるではないか。つまり、てっとりばやく課題への対処法を知りたい人のものぐさ心理をうまくついているのだ。
しかし、考えてみてほしい。こうしたものぐさ心理から買った本を果たして真面目に読むことができるだろうか。僕は、難しいと思う。
こういえるのは、僕にもそういう類の本を買ってほとんど読まなかった経験が何度もあるからだ。

やっぱり本はめんどくさがらず一冊一冊吟味して買うほうがいいように思う。

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