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3月29日 雑談力を噺家に学ぶ

3月29日ですね。

落語家、つまり、噺家が高座に上がってはなす際、いきなり話を始めません。
身の回りのことや最近の世相を語りつつ、お客様を笑わせながら、高座から寄席の客層を見極めるそうです。

この時、前段で話す内容をまくら、と呼びます。


まくらがうまい噺家は、全く関係のない話題を客に振っているようでいて、まくらの中に徐々に噺の前知識を織り込みます。そして、するりといつの間にか噺の本題を語り始めます。


昨日、お客様のもとで伴走開発の初日を始めるにあたり、雑談から入って信頼関係を深めながら、徐々にkintoneや業務改善などの本題に入る手法をとってみました。

午前と午後のそれぞれで試してみましたが、午前はうまいこと言ったかなあと感じています。
午後はかなり強引な話の展開になってしまい、我田引水もいいところでした。噺家の域には到底到達していない未熟を感じました。


このやり方は、伴走開発だからできる手法です。つまり、何回かお会いしてある程度の信頼関係ができていることが前提です。

同じことを初回の訪問時にやってしまうと、忙しいお客様によっては、忙しい最中にまだるっこしい話を、と却って逆効果になります。


ただ、無味乾燥に要件だけ伝えるビジネスライクな話し合いにしてしまうと、人間としての魅力は伝わりません。

その場で物を売って終わる関係であればそれも良いのでしょうが、kintoneなどは受注してからが本番です。

お客様とのコミュニケーションの相性がその後の結果の良し悪しを左右します。


雑談の大切さは、かつてとある方から教わりました。
私が個人事業主になってまもないころです。
そのあと、私の仕事人生でも最大のトラブルに巻き込まれる直前だったのでよく覚えています。

その頃の私は、どうやって場を繋ぐかもふくめて商談そのものに苦手意識があり、その方から教わった内容を実践するどころではありませんでした。

ただ、そのたわいない会話の中で言われた雑談が大事、ということはなぜか記憶に残っていて、後年、その方のおっしゃっていたことがよく理解できるようになりました。


まくらでも良いし、商談が一通り終わった後の雑談でも構いません。
要は雑談力をつけましょうという噺でした。

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Yoshikazu Nagai(長井 祥和)
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